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違うよ。

「 お前はうつ病。」

中学生の頃、同級生に言われたこの一言が今でも忘れられない。

もう10年は経つ。

そろそろ手放してもいい頃だと思う。だからこそ最後に、noteに書いてみようと思った。

言われた日から、私の世界は一枚薄暗い幕が張られたようだった。

当時の私は、思春期で不安定だったがうつ病ではなかったし、その後発症したうつ病も現在寛解している。
この10年間、もちろん楽しいことも沢山あったし、沢山の人と出会えて、私の人生は順調とまでは言えないがゆっくり進んでいると思う。

それでも、気持ちが落ち込むと決まってこの言葉を思い出す。
呪いのようにいつまでもついてきた。
「 私はうつ病。」そうやってどこか自分にも呪いをかけていた。

でももうそれも今日でやめようと思う。吐き捨てられた言葉を信じて生きていくのは馬鹿馬鹿しい。それに10年間沢山病院も行ったし、本を読み勉強し、色んなことを変えて試行錯誤しながらちゃんと自分と向き合ってきた。

どういう気持ちで言ったのかはわからない。
きっと言った本人はとうの昔に忘れているだろう。私もそうやってどこかで誰かを傷つけてきたのかも知れない。きっと傷つけているだろう。

当たり前だが、自分だけが悲劇のヒロインなんかじゃ決して無くて誰もが傷つけ傷つけられ生きている。

それでも10年間ずっと抱えてきた自分に、悲しかったね、辛かったねと言ってあげたい。

中学生だった私に、大丈夫だよ、違うよ、生きていけるよ、と言ってあげたい。

そんな気持ちを認めてあげることによって、もう手放して大丈夫だと思えた。
きっとこうやって周りの人に支えられながら、自分の傷は自分で癒していくのだろう。

10年間抱えてくれて、ありがとう。さようなら。

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