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ネガティブ人間のための本棚

ポジティブ人間がマジョリティであるこの世の中、ネガティブ人間はとても生きづらいのです。

根っからのネガティブ人間である私が、読んで肩の力が抜けた本を紹介します。同じように生きづらさを感じるネガティブ仲間の気が楽になればと思います。

ネガティブ人間は肩身が狭い

あなたはネガティブですか?それともポジティブですか?

私はネガティブ人間です。

しかし一般的にネガティブはよくないと言われています。

「マイナス思考が大嫌いです!」
「自分は超ポジティブ人間です」

と公言している人に出会ったこともあります。

そういう人たちに対して「その発言が多様性を排除しているって気づかないのかな」などと疑問を感じつつ、ネガティブ人間は大人しくしていようと胸に刻み生きてきたのですが・・・

意外とポジティブ一派の人間も苦労しているのかも?

と思うことがありました。

ポジティブ原理主義

”アスリート”という言葉からネガティブなイメージを受ける人はいないのではないでしょうか。

しかしこの記事を読んでアスリートもそのポジティブなイメージに縛られて苦しんでいるんだなぁと感じました。

アスリートは心身ともに常に「強く」あり続けなければいけないという“呪縛”
トップアスリートが示す「価値観」という点では、一般的に「ポジティブシンキング」の優位性が信じられている。不安や弱さを周囲に見せず、どんな困難にあっても「できる」、「勝てる」と信じる。あるいは大きな挫折や敗北も「未来への糧」とばかり前を向く、という類の思考法だ。
東京五輪の延期が決まった際も、その舞台を目指す多くのアスリートたちは、当初、抱いて当然の感情でもある「失望」や「不安感」ではなく、ポジティブなメッセージを発信し続けていた。
ネガティブで強い人もいれば、ポジティブで弱い人もいる。『防衛的悲観主義』といって、最悪な結果を予想して不安になり、しかしそうならないよう地道に準備をすることで自信を高めて、結果を出すという思考方法もある。鋼のような屈強さではなく、ありのままを受け止め、受け流すようなしなやかさも強さの一つの形なのです」

最後の引用の文章が心に刺さりました。

そう、そうなんだよ!

ポジティブ原理主義 に反発を感じるのもまさにそういうことで、私はネガティブで強い=ハングリー精神が強いので、

防衛的悲観主義 で行こうよ と思うのです。

ネガティブ人間のための本棚

そこで、”ネガティブでいてもいいんだ”と思える先人達の本を紹介します。

ニーチェの言葉

ニヒリストの哲学者といえばニーチェということで、『超訳ニーチェの言葉』はおすすめです。

ニヒリストとネガティブは違うのですが、ネガティブは否定的な見方から発するところもあるので、ネガティブ人間には共感できる名言がたくさんあります。

死ぬのは決まっているのだから、ほがらかにやっていこう。いつかは終わるのだから、全力で向かっていこう。
時間は限られているのだから、チャンスはいつも今だ。
嘆き喚くことなんか、オペラの役者にまかせておけ。
                        『力への意志』

じぶんはいつかは死ぬし、嫌いな人も漏れなく死ぬ。嫌なことも死ぬときには終わると思えば、前向きに生きられる気がしてきます。

私の嫌いな10の人びと

哲学者の中島義道氏の著書『私の嫌いな10の人びと』は世の中を斜めに見がちな方におすすめです。

目次を取り出してみると

1. 笑顔の絶えない人
2. 常に感謝の気持ちを忘れない人
3. みんなの喜ぶ顔が見たい人
4. いつも前向きに生きている人
5. 自分の仕事に「誇り」をもっている人
6. 「けじめ」を大切にする人
7. 喧嘩が起こるとすぐ止めようとする人
8. 物事をはっきり言わない人
9. 「おれ、バカだから」と言う人
10. 「わが人生に悔いはない」と思っている人

世間では「良いこと」とされている項目が並んでいるのがこの本の面白いところです。この項目を見て「あーわかるわかる」と思う人はぜひ読んでみてください。爽快ですよ。

私はこれらの項目に当てはまるような人が苦手で「いい人が苦手なんて、どれだけ自分は嫌な人間なんだろう」と自己嫌悪していたのですが、この本に出会って心が軽くなり、「こんな自分も生きていていいんだ」「ひねくれた見方をしたっていいんだ」と自分を認められるようになりました。

さいごに

ネガティブだったり物事を斜めから見る人は嫌厭されやすいし、考えをオープンにしづらいものです。ですが、そんな自分でもいいんです。「わかってもらえなくても、同じように考えている人もいる」そう思うだけで少し生きやすくなれる気がしませんか?

私はこれからも自信を持ってネガティブ人間であろうと思います。

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