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【詩】 『スノードーム』

🍊
どうにもアタマが回らないとき
無理やりフル回転 回しに回すと
とんでもない誤解を生む言葉が飛び出す

ぽぉっと出たその一言が余計で
空回り運転コロコロと
主語をなくしたまま何かを断言する
わたしの口調は
さも偉そうに聞こえたのだろう

雲行きが怪しい…
あなたの不機嫌な顔色にすぐさま反応して
誤解を解きたいと思う
切羽詰まったわたしの心境とは裏腹に…
カチンコチンに固まった雪だるまが登場するわたしのアタマは意味不明な迷路

赤い帽子とマフラー手袋つけた雪だるま可愛いな
スノードームのお粉が舞い散ってスローモーション
きらびやかなパウダースノーに冷やっとして細かい光の粒が体じゅうに浸透していく…
感覚を覚えてハッと気づいた

わたしは冷や汗かいた雪だるま

ゆっくりと言葉を選んでいる暇はなくて
焦りに焦った雪だるまは
上昇する自らの体温で
首を左に傾げたまま崩れ落ちていった…

「違います、それは誤解です…!」
そう言えたらきっと…雲行きは変わって
少しずつ晴れ渡っていっただろうに…

スノードームに暖かい日射しが届いて
ポカポカ日向ぼっこの季節を迎えた

雪だるまは今も溶けないまま…
わたしを見つめている

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