難病になったから気づけたこと、振れる心と自分との約束

私はジストニアという病気になるまでずっと健康できた。元気できた。

やりたいことをやってきた。
自分が元気な時、セラピストをしていた時、やりたい仕事や遊び、思いきりできていた時。

周りに病気の人や、元気がない人はたくさんいたと思う。

今回自分が病気になってみて気づいたこと。

元気な時は心も元気で、自分に元気がなくなっても自分である程度がんばることができた。今思えば、そのときの元気がないっていってる状態って、確かに、その時の自分には大変だったと思う。でも今の自分からしたらうらやましいくらい元気で平和だったんだなって。


今の私は身体が思うようにいかない。

どんなに気持ちがある時でも体の限界が先に来る。

気持ちはまだまだ動きたい。まだまだがんばりたい。

でも身体がついていかない。

それは簡単に言葉にすると、そうだよね。って思うし、元気な時の私もきっとそう思ってた。そうだよね、大変だよね。って。

でもやっぱり、その状態はその状態になった人にしかわからない。

なんというか、やはり体験したこととそうでないことは、まったく自分が想像する気持ちとは違う。想像の中とは全く別物。

これは病気に限ったことではなく、人それぞれの立場や悩み、全部そうなんだと思う。

今回私はジストニアという病気になったが、他の病気になった人の気持ちがわかるわけではない。もっというと、他のジストニア患者さんの気持ちだってわかるわけではない。

それでも、こうなったことで少しは、体が思うように動かない気持ち、というものが以前よりはわかるようになったと思う。

そんな自分の中で感じたこと。

それは、自分に負けたくないと思う気持ち。

負けそうになることなんて1日に何度もある。考える時間だけは増えるから頭でいろいろ考える。考えすぎてわけわからなくなり、大抵結果はよくない方へいっている。

自分ではいあがって来れないこともあった。

それでもくじけそうになる時に、手を差しのべてくれる人、助けてくれた人がいるそんな時にかけてもらえた言葉や行動。

嬉しかった。本当にありがたかった。

それは元気な時の何倍にもなって響いて来る。

いいこともそうだし、よくないこともそう。

だからこそ、これから自分が使うことばは、いい方に響くものであってほしい。

自分がする小さな行動や、日々の中にある小さな会話やその中でした忘れてもおかしくないような約束が、自分も人も元気にするものであってほしい。

小さな約束を守れることは感動だし、喜び。

日々のほんのちょっとしたことを気軽に話せたり、一緒に喜んだり、泣いたり笑ったりできることは、人を元気にするし、ありがとうの気持ちがわいてくる。

自分が実際にそうしてもらったことで、人の気持ちを一緒に背負っても自分が笑って、たくさんのことを受け止めても受け止めても、どーーんと構えていられるような、そんな人になっていきたいと思うようになった。

まだまだ果てしない道のりかもしれないけど。


今回の病気で気づいた、普通にしていることの偉大さ。ありがたさ。

体が元気な時はあたりまえのこと。あたりまえの行動。

何も考えずにしていること、自分では大して気にもとめていないこと。

病気の時、自分ではいつもと同じと思っていても、思考も心もなんだかいつもと少し違う方向をむいていて、ちょっとしたことで凹んだり、ほんのささいなことで上がったりする。

琴線がいつもよりものすごく敏感で、ほんの少しのことで何倍にも振れる。

知らないうちにその  ”ちょっとした事”   が

心の中の気にかかるもの、になることもあるし、希望になることもある。

元気になった時にも、そのことを忘れないでいたい。

小さな約束をちゃんとまもること。

自分にできる小さなアクションをすること。

言葉はいつまでもこころにのこる。とても大切なものだということ。

大きなことじゃなくていい、ほんの小さな意味のないように思えることに、大きな意味があったりすること。

今回、難病といわれる病気になってよかったと思えることがあるとすれば、そのひとつは、自分が自分の身や心をもってそれを感じる事ができているということ。

周りの人たちに教えてもらえたり、気づかせてもらえたりしていること。


どんなに想いがあって想っていても、祈っても、何もアクションしなければその想いは届かないかもしれない。

そんなのわかってるでしょ、伝わってるでしょ、は、ほとんどの場合、自分の思惑通り伝わってなんていない。

伝えなくてもいいか、と思ってしまうような、ほんとに小さな一言や、ほんのちょっとのことでも、行動すればそれは何倍にもなって、相手に、想いが届くのではないかということ。

元気な時にももちろんそうだが、普段とは違う状況にある場合にはなおさら、自分が意識しようがしまいが、何倍にも響く。忘れないでいよう。

早く体も元に戻って、心も元気いっぱいになって、自分がもらったように、いつか今の自分のような人に、すくいあげてもらった優しさやたくさんの光を届けたい。

自分に負けない自分になる約束。

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