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【日本文化について】窃盗とアニバーサリー効果


はじめに

エルニーニョ現象の影響か高温が11月上旬でも起こり、細菌/ウイルス性の風邪に罹患している方を多く見かける。
私も例に漏れず、10月下旬から喉に炎症が起こり数日療養したこともあり、仕事以外のことがかなり遅れている。
そのため、今回も番外編となるがご容赦願いたい。
また、現在調子が芳しくない方。どうぞご自愛いただきたい。

私事で恐縮だが、上記と別に11月に入ってから「漠然とした不安感・神経過敏」などに悩まされている。
心当たりがあり、とあるカウンセリング機関を利用し、『アニバーサリー効果』というものを先日知ったため、今回は『アニバーサリー効果』、その原因”窃盗”、昔の窃盗被害への扱いについて執筆したいと思う。

事の発端

昨年の11月~12月。
近隣や町内の方はご存知だろう。
家庭菜園から野菜が盗まれるという被害に遭う家が頻発した。
私の家は敷地内(錠付きの門内)に夜間侵入され、野菜を盗むという具合だった。
家庭菜園でも野菜泥棒。これを野荒らしという。

他人の所有物を盗む。立派な犯罪だ @ACフォト

拙宅は少なくとも3回の被害。
うち1回は未成熟な野菜をもぎ取られ、その場に放置された。
窃盗の証拠が残っていた2回。警察に被害届を提出した。

これが拙宅だけではなく、近くの家庭菜園愛好家の畑から根こそぎ特定の野菜を盗む……といった具合にやりたい放題で罪を犯してくれたわけだ。

その際、犯人が捕まるまで3週間。
夜間の犯行が多かったため、少なくとも私は防犯カメラの警告音や物音で神経が昂り眠れずにいたという背景があった。当然、仕事にも影響が出た。

幸いこの犯人は逮捕されたこともあり、民事では一切争わないことを心に決め、刑事裁判では相応の処分を下してほしいと提出した被害届は取り下げなかった。他にも「泣き寝入りは嫌だ」という意味合いだろう。届を取り下げない家が数件あったからだ。

被害金額云々ではなく、私有地への不法侵入への恐怖と掛けた労力など。
そういうものだと思う @いらすとや

しかし、第三者は勝手なもの。
「謝ったのだから許してやれ」
「(拙宅の)セキュリティの問題もー」
など散々な言われようをそこかしらからされたが、現代日本は法治国家だ。
犯罪を起こした人物の起訴・不起訴を決めるは検察官。それを裁くのは裁判官であることはご理解いただきたい。
また、「謝ったら許してくれる、ゆるい地域」というレッテルを貼られれば別の良からぬ思いを抱いた人物が違法行為をしに来るだろう。

増してや逆恨みであれば、家と顔を知られている私が真っ先に狙われる。
家系のことも知っている。今はなんら権力はないが、先祖が村を守った家系が真っ先に安全圏に逃げてどうする。
そこまでの覚悟をしても伝わらないこともある。私も自分の覚悟は語ってはいないが。語ることが許されない雰囲気があったのもまた事実。
至極残念だ。

ちなみに直接的な被害後、周囲からの心無い言葉を投げかけられることを『2次被害』と呼ぶ。

アニバーサリー効果

良いアニバーサリーであれば良いのですが…… @ACフォト

通常、非現実的で受け入れがたい事象に直面した場合。
その多くは自然災害や犯罪ではあるが、その非現実的な出来事による恐怖・不安などで「急性ストレス障害(ASD)」を起こす方がいる。
犯罪の場合、身近にいる人にとっても非現実的な出来事であるため、個人差ではあるが、類似した一過性のストレス障害を生じる場合もあるという。一過性であれば急性ストレス障害(ASD)。長期にわたる不調はPTSDとなる。

しかし1か月程度で症状が緩和する急性ストレス障害でも、犯罪が起きた状況と似た場所・季節など。その事件を思い出させるモノ・コトに直面した時、被害に遭った際の不安感などが蘇り、体調を崩す人もいるという。

周りの方がこのような立場に立った時、できれば何も言わず見守ってあげてほしい。
note内に詳しく記述した記事があった。詳細はその記事を参照いただいた方が良いと思う。私も大変参考になった。ここでのお礼で恐縮だが、大変に感謝している。

昔の窃盗に対する扱い

ここでは、昔の日本で「窃盗」がどのように扱われていたか簡単にみていくことにする。

平安時代以前

国全体に適用される法として初めて発布されたのは大宝律令(大宝元年:701年)。現在でも窃盗に関する「賊盗律」の内容が確認できるのは「養老令」発布は天平宝字元年(757年)だ。

検非違使がいたのは都のみであろう。
それ以外は"To know is one thing, to teach is quite another(知っていることと、知っている内容を教えることは全くの別物)"。「分からないけれど、~だろう」の連続になるため割愛する。
それでも地方の平民の暮らしにまで「律」が浸透していたとは考えにくいのではないか。そうすると、平民間の窃盗は私刑にて報復が行われていたのではないかと個人的には思う。

都に住む貴族の身辺警護のために武装した兵士、また、治安が悪化し地方の豪族などが自衛のために武装化したことが武士の始まりではないかーーという説もある。

護るための戦いは時に必要かと。
所有物を黙って奪われるのもじっと見ているのも違うかな @ACフォト

江戸時代

8代将軍、徳川吉宗公の時代になり『公事方御定書』が定められる。完成は寛保二(1742)年であるが、宝暦四(1754)年までに複数回の改定が行われた。
その際の窃盗に関する処罰の方法は「10両以上、もしくは10両以上に相当する物を盗めば死罪」。10両以下でも重犯ともなれば死刑だったという。軽微な窃盗であれば「敲(叩き)」「入れ墨」と更生も促していたようだ。

また、公事方御定書が成立するまでは江戸の町は分かりかねる。しかし、江戸時代以前は法があってないようなもの。
江戸時代前期は各藩・庄屋の裁量で処罰が決められたり、あるいは私刑が横行していたかもしれない。なにせ庶民にとっては農作物は年貢でもあり、生活の源だからだ。

各市史をみると、昔の判例(村・水などの利権など)が掲載されている箇所もある。そういった歴史を読んでみることも良いのかもしれない。

まとめ

私は元来歴史には明るくない。そのため、多くを端折り、「~である」と断定を避けた。
しかし、どの時代においても「行いには当然相応の報いが返ってくる」。
言葉を変えれば因果応報、自業自得。
自業自得は本来は良い意味でも使われる。善い行いをすれば何かを得る。
できれば善い行いをし、心が豊かになる生活を送りたいものだ。

補足

上述の野荒らしの被疑者。
ちょうど庭に出て不具合のあった部分を補修している最中に目撃。
日中だったこともあり距離をとって尾行もどきをしたら、あるところで見失う。どの方向に逃げたのかは分かりかねるが、先祖代々の墓が間近にあった場所で見失い、その1時間後に逮捕された。
この日ばかりは、先祖の照覧があると強く思ったことは言及するまでもない。



【注意事項】
著作権の観点から、無断引用・転載はお控えください
引用・転載の際はお声がけください。

参考

災害や事件・事故発生時における子どもの心のケア 文部科学省
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/10/01/1297590_02.pdf

アニバーサリー反応とその対処 -節目の時期を迎えるにあたって-
岩手県巡回型スクールカウンセラー 渡部友晴
https://www.ajcp.info/heart311/text/watabe20130115.pdf

MSDマニュアル 家庭版 急性ストレス障害 執筆者 John W. Barnhill, MD, New York-Presbyterian Hospital
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/10-%E5%BF%83%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E4%B8%8D%E5%AE%89%E7%97%87%E3%81%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E9%96%A2%E9%80%A3%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E6%80%A5%E6%80%A7%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E9%9A%9C%E5%AE%B3-asd

『賊盗律』国立国会図書館
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000007327114-00

武士はなぜ生まれたのだろうか? 川尻秋生/早稲田大学文学学術院准教授
読売新聞オンライン
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/wol/opinion/culture_090706.html#:~:text=%E5%BE%93%E6%9D%A5%E3%80%81%E6%AD%A6%E5%A3%AB%E3%81%AF%E8%8D%89%E6%B7%B1%E3%81%84,%E6%9C%89%E5%8A%9B%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%A4%E3%81%A4%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82

公事方御定書 ジャパンナレッジ
https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=2242

資料3 我が国における死刑の歴史について 法務省
https://www.moj.go.jp/content/000080178.pdf

Thanks;
いらすとや様 https://www.irasutoya.com/                 
ACフォト様 https://www.photo-ac.com/



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