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日本の「一般向けのキャリア理論」は欧米から20年くらい遅れている気がする

 いえ、先進的な理論や技法もちゃんと日本でも紹介されているんですよ。サビカスはいくつかの養成講座では取り上げられていますし(資格試験にもよく出ていますし)、理論・技法的には新しいほうに入ります。でもそれ以外(あるいは1930年代以降)がほとんど入っていない(いや、入っているのだけど、一般のキャリアコンサルトさんがあまり勉強していない、あるいは一般向けに紹介されていない)。資格試験に受けるには不要なんです。でもそれでいいのでしょうか。

 いや、資格試験合格のための勉強という意味でいうと、間違ってはいないと思います。試験に出ないから。でもNCDAにしても何にしても、欧米のキャリアカウンセリングはもはや社会構成主義とかナラティブアプローチなしには話になりません(ついでに言えば「そういう職業選択の自由があるのは、大卒白人男性に限られるのでは」みたいな議論も最近ではありますが、そもそもそこまで理解しているキャリコンさんも少ない)。

 ハンセンもシュロスバーグもクランボルツもシャインも1928年とか1929年生まれの人です。現役じゃありません。もちろん学ぶべき泰斗ですが、いわば歴史的人物です。ちなみにサビカスは1947年生まれだったかな。

 過去を学ぶのはとても大切だと思っています。むしろ過去からどんどん学ぶべき。でも新しい理論や技法を学ばないのは勿体ない。「周りが学んでないから学ばなくていい」のではなく、「周りが学んでないからこそ学ぶ」べきです。養成講座のテキストはスタートであってゴールではない。人のことは言えませんが。

 昔と違って、キャリアカウンセリング理論でも訳書や著書が出るようになっています(昔はサイコセラピーや王道のカウンセリングに比べてキャリアの出版は少なかったから、洋書を買ったり論文を探したり先輩から教えてもらったり、いろいろやったんですよ。そんな昔じゃないけれど)。ネット社会になって、あるいはキャリア国家資格ができてキャリア実践家が増えてネット記事が増えて、ちょっとの手間が惜しまれているような気もします。でももちろんよく見れば「新しい理論」がネット上で紹介されていることもあります。プライアーとブライトのキャリアカオス理論などはちらほら紹介されていますね(具体的な技法まで紹介されているサイトはほとんどありませんが)。

 こちらは新しい理論や技法の一例。安心してください、無料です。別に宣伝じゃありませんので(偉そうですが周知啓発だと思っています)、見なくても全く構いません。






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