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キャリアカウンセリングのナラティブアプローチを多面的に学ぶ

 日本にもいらっしゃるいろいろな研修講師の先生の「ナラティブアプローチ」の研修を受けてもいいのですが、いつものお勉強仲間と一緒に学ぶこともできます。

 いくつかのナラティブアプローチ技法を用意します。例えばサビカスの技法(尊敬する人、よく見る雑誌やテレビ、好きな物語、モットー、初期記憶を質問し、人生観・仕事観を明確化する)やコクランの技法(ライフライン、ライフチャプターの名付け、成功体験のリスト化、家族の布置、ロールモデル、早期記憶の質問)、クランボルツの技法(過去の予期せぬ出来事を聞き、その予期せぬ出来事の現在への影響を聞く)、マクマホンの技法(関係した人物や環境、時代からの影響を問う)それぞれについて研修仲間と一緒にやり、やってみての感想をお互いに話し合います。効果と課題について、忌憚なく語り合うと良いと思います。
 そうすることで他の人の人生を知り「他の人と自分の人生観の違い」「相手や自分の特徴」を具体的に把握できます。「理論家間の当てたい焦点の違い」が明らかになります。あなたやメンバーに対する効果や課題が明らかになります。サビカスは特に「自分が選択したこと」を重視しますし、クランボルツは「偶然の出会い」を、マクマホンは「関係した他者や環境の影響」に焦点を当てます(コクランはその中間くらいでしょうか)。

 ライフライン(人生を上下行する曲線で描く)を描いて、自分は人生のどういう場面をプラスやマイナスと考えるかを振り返るだけでも参考になりますし、あるいはツリー・オブ・ライフ(自分の背景(教育背景や家族や地域や歴史文化の影響)を地面に、自分の元となっていることを木の幹に、これまでの成果や実績を葉の部分に書く)を書いてこれまでの影響や育ちや成果を一覧できるようにするのも参考になります。
 要は「いろいろなやり方がある」「それぞれに長所や短所がある」ことが感じられればいいのです。

 そうした経験を積むことによって、キャリアカウンセリングのナラティブアプローチの大枠が見えてくるように思います。最短で半日の研修でも大まかに自分の人生観を把握し、ナラティブアプローチの進め方が分かると思います。私に研修講師のご依頼をいただくとそれなりの謝金になりそうですが、アイデアを使っていただくだけなら特にご請求は申し上げません。
 私はこのアプローチのおかげでキャリアカウンセリングの道が開けたと思っていますので、ナラティブアプローチが少しでも日本で広がってくれたら、と思っています。


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