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キャリアカウンセリングの国産理論

 金井壽宏先生のご提案だったと理解していますが「キャリアドリフト論」というのがあります。目標を定めてキャリアを目指すけど、そこに到達したら流れに身を任せてとりあえず進んでいく。キャリアの目標設定は節目節目だけでいい。そういう理屈と理解しています。これ、就職というよりも就社という概念の日本の(特に大企業の?あるいは総合職的な採用の?)雇用体系に合致した考え方ではないかと思います。ワタシも前職は東京で採用されて、北は北海道から途中外国(韓国)を経て南は沖縄に飛ばされ、といろいろなことをしました(大企業じゃないですが)。
 一方、吉川雅也先生はアジャイルキャリアデベロップメント試論というのをご提案されていて、IT業界出身の吉川先生らしく、ゴールは定めるし過程も一応定めるんだけど、過程はやりながら微調整してけばいいんじゃないの(という考え方だと理解していますが)、というようなことをおっしゃいます。
 欧米の理論は理論でいいものを取り入れて、あとは日本の文化なり雇用環境なりそれぞれの業界なり企業なりに合わせてキャリア形成を考えていけばいいのだろうと思っています。

 かくいうワタシも「キャリア進化論(キャリア適応論)」みたいな理論を考えているのですが、これは「イェーイ、キャリアをどんどん右肩上がりにしてこうぜえ」というのではなくて、生物学的進化論と同様に、自分のキャリアを居心地のよいものにするためには、自分を環境に合わせるか、自分に合った環境に移るかする必要があるんじゃないか、という身もふたもない話で、転勤族で転職組でもある自分自身の経験論にもつながるものです。「どうせ何も変わらない」ではなくて、今があまり幸せでなければ自分を変えるか環境を変えればいいんじゃないか、という説ですが、もうちょっと長期的スパンの理論を考えないといけないかなあと考えなおしているところです。


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