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目標を立てる前に!!目標設定に役立つ思考法「バックキャスト」と「フォアキャスト」


◆「バックキャスト」と「フォアキャスト」とは?

「バックキャスト」と「フォアキャスト」という言葉、聞いたことはありますか?
 もしかしたら、あまり聞き覚えがない言葉かもしれませんね。
 これは両方とも「未来を考える思考法」です。

「SMART」や「PDCA」、「OKR」など、目標設定のための「手法」を学ぶことは多くても、「思考法」に焦点を当てることは少ないのではないでしょうか。

今回は、目標設定の「手法」の前段階である「思考法」に焦点を当てて解説します。

◆基本的な考え方

「バックキャスト」

バックキャストは、はじめに「理想の未来像」や「目標」を設定し、
そこから、現在に向かって逆算する方法です。
※向いているものの例:革新的なアイデア、中長期的な計画

「フォアキャスト」

フォアキャストは、現在の状況や傾向を分析し、
そこから、未来を予測する方法です。
※向いているものの例:堅実な改善、短期的な計画

「バックキャスト」と「フォアキャスト」では起点になる時間軸が異なります

◆メリットとデメリット

 それぞれの考え方にはメリットとデメリットがあります。
 対比になっているため、分かりやすいです。
 メリット・デメリットを把握することで、自分の目標設定にどちらが有効なのか考えることができます。

「バックキャスト」

 メリット

  • 飛躍的なアイデアが生まれやすい

  • 長期的な目標に向けて計画できる

  • 組織変革に必要な行動を明確にできる

 デメリット

  • 情報収集がメインになりやすい

  • 短期的な課題解決が難しい

  • 現実性が低くなりやすい

「フォアキャスト」

 メリット

  • 現実的なアイデアが出しやすい

  • 短期的な目標に対応できる

  • 既存のデータを活用できる

 デメリット

  • 既存の枠組みにとらわれやすい

  • 長期的なビジョンが見えにくい

  • 根本的な解決になりづらい

◆具体的な考え方 ~バックキャスト~

自分の夢や理想を明確にするのに役立ちます。
自分がどこに行きたいか、何がしたいか、何が大切かなどを考えることで、自分の価値観やモチベーションを高めることができます。

◆バックキャストの実践ステップ

 あなたが「10年後に起業する」という目標を持っていたと仮定して、
具体例を交えながら解説していきます。

1.目標を設定する

 あなたは「10年後に起業する」という目標を立てました。

2.目標を具体化する

 例えば、首都圏や地方などどこで働きたいのか、
 どんな仕事がしたいのか、
 どんな生活がしたいのかなどを考えます。

3.目標に到達するために必要な条件を考える

 例えば、起業するために必要なスキルや経験、資格などを考えます。

4.条件を達成するために必要な行動を考える

 スキルや経験を得るためにどんな勉強や仕事をするか、
 資格を取得するためにどんな試験に挑戦するか、などを考えます。

5.行動を時系列に並べる(目標に向かって逆算して行動計画を立てる)

 例えば、
  1年後には起業に必要な資格を取得する
  3年後には社内の新規プロジェクト立ち上げメンバーに応募する
  5年後には営業の力をつけるために営業部に異動する
 などという具合に、目標に向かって逆算して行動計画を立てます。

これが、バックキャストの考え方です。

◆具体的な考え方 ~フォアキャスト~

自分の現状や課題を把握するのに役立ちます。
自分がどこにいるのか、
何ができるのか、何が足りないのかなどを分析することで、
自分の強みや弱みを知ることができます。

◆フォアキャストの実践ステップ

 先ほどと同じように、「10年後に起業する」という目標を持っていたと仮定して、具体例を交えながら解説していきます

1.現状を分析する

 例えば、現在の自分のスキルや経験、資格などを評価します。

2.傾向や変化を予測する

 今後の市場や競争状況、求められるスキルや経験などを予測します。

3.課題や障害を特定する

 例えば、自分のスキルや経験が不足している点や、改善すべき点、
 起業に伴う費用や準備、リスクなどを特定します。

4.解決策や対策を考える

 自分のスキルや経験を向上させる方法や、資金調達の方法、
 リスク回避の方法などを考えます。

5.目標と現状のギャップを埋める

 解決策や対策を実行して、自分の弱みを克服し、
 目標に近づくことができるようにします。

これが、フォアキャストの考え方です。

◆事例

「バックキャスト」

事例1:「温暖化対策」
 日本は、2050年カーボンニュートラル宣言を行い、
 “2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする”というイメージに向けて
 国産自動車のEV化や再生可能エネルギーの主力電源化といった施策に取り組んでいます。

事例2:「日本郵政グループ」
 2027年に「日本一安心できるサービス企業グループ」になる
 というビジョンを掲げて、
 そのために必要な経営戦略や組織改革を行っています。

「フォアキャスト」

事例1:「ユニクロ」
 現在の消費者ニーズや流行を調査して、将来の売上や利益を予測し、
 その中で最適な商品企画や価格設定を行っています。

事例2:「出光興産」
 iPadとクラウドを活用した次世代型輸配送管理システムを導入しました。
 現状の課題に気づき、改善に取り組んでいます。

◆まとめ

バックキャスト
理想の未来を描いて、そこに至るための解決策を考える思考法

フォアキャスト
現在の状況から将来の予測を立てて、その中で最適な解決策を選ぶ思考法

バックキャストとフォアキャスト、
ふたつの思考法について、理解できましたでしょうか。

目標設定においては、このような「思考法」と、
SMARTのような「手法」の両方が重要になってきます。

今回は「手法」の説明は割愛しますが、
それぞれが目標設定に対して役に立つものです。

思考法:目標の意義や方向性を明確にするのに役立つ
手 法:目標の具体性や達成可能性を高めるのに役立つ

「バックキャスト」や「フォアキャスト」といった思考法と、
「SMART」や「PDCA」、「OKR」などの手法を使いこなして、
挫折しづらい目標設定をしていきましょう。


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