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#10 「仕事は求人広告から選ばなくてもいい」と知った。新卒で入った会社を5ヶ月で辞め、自分と向き合って辿り着いた本当にやりたい仕事。~山崎真由子さんのケース~

アート思考、システム思考、認知行動療法など、学術的アプローチで「本当のやりたいこと」「人生を通して追い続けたい問い」を見つけ、深め、広げるためのプログラム「NCS(Narrative Career School)」。NCSを卒業し、自分らしい人生を歩み始めた若者たちが語る過去の私、今の私。
https://bit.ly/3H6MgfS


こんにちは。山崎真由子です。静岡県出身の25歳です。現在はweb制作会社でデザイナーとして働きながら、副業でもデザインの仕事をしています。

東京の大学を卒業後、フィットネスクラブを運営する会社に入社しました。しかし入社後のギャップが大きく、うつ病になって5ヶ月で退職。どうしたらいいかわからなくなったところにちょうどご縁があって、鹿児島の与論島で二ヶ月ほど過ごしました。体調も回復し、東京へ帰ってきてNCSに参加しました。

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参加のきっかけ:自分のことをもう一回見つめ直したい

「人の心と体の健康をつくりたい」という想いがあり、女性の健康をビジョンに掲げる女性向けのフィットネスクラブの会社へ入社しました。
メインとなるプログラムは筋力トレーニングと有酸素運動。女性は加齢で体力が衰えると身の周りのできることが減っていくけれど、筋トレをすることで自分でできることが増えるし、フィットネスクラブがコミュニティとして機能すればその人自身の生きがいも増えることに魅力を感じていました。
しかし、入社後は自分の想いと会社の事業のギャップが大きかったです。
例えば、一言で「健康」といっても色んな方法があります。筋トレは体に負荷をかけて強くしていきますが、逆にヨガなどで体を緩める方が合っている人もいます。

店舗の前で毎日400~500人の方へ勧誘の声掛けをしていたのですが、それぞれの健康のあり方があるのに筋トレだけをすすめることに納得いかず、自分で納得がいかないことを人にやってもらうのがどうしても共感できませんでした。

それから、どことなく会社のレールに乗っていかないといけないようにも感じました。
ビジョンや組織作りは素晴らしかったけれど、上司や先輩に何かを提案しても「これは代々この会社で決まっていることだから」と言われてしまい、自分が何を考えても変わらない。気付けば気付くほどしんどくなり、自分がいる意味が見出せなくなりました。

実は大学の卒業前にもうつ病になっていて入社を1年待ってもらっているので、「会社に迷惑をかけてはいけない」「数字を出せなかったら会社にいる価値が無い」という想いもありました。案の定業績は伸びず、会社に行けなくなり、ご飯も食べられなくなりました。

精神的に病んでしまった経験は過去にもあったので「今転職してもまた同じ事になるし、環境ではなく自分の考え方の問題だ」と思い、周りの人も環境も変えていったん集中して休むことに。そこへ友人が、与論島の元”地域おこし協力隊”の方を紹介してくれました。その方と連絡を取り、二か月ほど与論島で暮らすことになりました。

与論島では農作業や飲食店の手伝いなどをしながら、とにかく色んな人と話しました。
島のおじいちゃんおばあちゃんの優しさに触れ、新鮮な食材や土に触れ、自然の音を聞き、心も体もぼろぼろだったところから回復して、生きる活力が湧いてきました。感性が全開になり、自分の100%元気な状態を体感できました。

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そこからぼんやりと「食に関わることを仕事にしたい」と思うようになったのですが、二ヶ月間過ごして東京に帰ってきても現実は変わっていませんでした。そんな時に見つけたのがNCSです。
学生時代にエンカレッジというキャリア支援団体(就活生に対して大学4年生がメンターとなりアドバイスしたりイベントを開催する)に参加していて、エンカレッジの関係者でありNCSの主催者である喜多さんのことはその頃から知っていました。
FacebookでNCSの存在を知り、「自分のことをもう一回理解し見つめ直したい」と思い、ワークショップへの参加を決めました。

ワークの感想:一つの職業でなくてもいい、やりたいことは何でも仕事にできる

NCSのワークで印象に残っているのは、自分の本当にやりたいことを見つけるワーク、そして自分の過去やトラウマと向き合い、人間関係を改善していくワークです。

自分の本当にやりたいことを見つけるワークでは、今までうまく言語化できなかったやりたいことが具体化されました。自分のやりたいことだけを詰め込んだ「鬼盛り職業」をつくる時間があるのですが、そこで「仕事は求人広告から選ばなくても何でもできる」と気付いたんです。一つの職業ではなく色々な要素を包括することで、やりたいことが何でもできると感じました。

また与論島で過ごした経験も含まれてはいるのですが、人間関係を改善するワークは、両親や周囲の人との関係性を変えるきっかけになりました。
私の家族は両親と4人兄弟(兄、弟、妹)で、毎年みんなで旅行に行くほどの仲良し。私も家族が大好きなのですが、両親に対して自分の感情を我慢してしまうことがありました。
4人兄弟の中で自分だけ見てもらえない感じがあったり、「お姉ちゃんだから」と言われて育ってきたり。家族仲は良かったのですが両親は厳しく、小さい頃から「ちゃんとしなくては」「家族みんなが仲良くいるために良い子でいなければ」と思って頼りたくても両親を頼れず、両親や兄弟の気持ちを優先して自分の気持ちを我慢してしまうことがありました。

ワークで自分と向き合ってからは、自分の感情を表に出していいし、今までの考えを否定せずに自分を受け容れられるようになりました。両親から好かれるためには全部〇(マル)じゃないといけないと思っていたけど、そんなことはなかったと気付き、どんな時でも両親に対して素で話せるようになりました。
今では、母が私に相談をしてくれるようになっています。両親の感情を紐といていくと、父も母も人間なんだなとわかりました。”深くわかりあえるコミュニケーション”が取れるようになった安心感があります。

NCSに入って得られたこと:いつでも帰って来られる”一本の軸”が見つかる

ワークを終え、食品会社の広報として就職しました。自分で情報を発信したり新しい分野を切り開いている人たちに会って気付いたのは、私自身が発信したいわけではなく、発信したい人の想いを相手に届く形に変換する”橋渡しのような役割”がやりたいのだということ。 
私の場合、広報だと文章を書く機会が多いですが文章を書くのは苦手。インタビューなどで価値を伝えることは好きだけど、その手段が文章ではありませんでした。
人によって向き・不向きはあるし、同じ時間をかけても吸収できる量は違います。苦なくできる、ストレングスファインダー(自分の強みを分析できるテストのようなもの)の強みを生かした仕事をしたいと考えました。そして、旅が好きで色んな人に会いたい、時間や場所に縛られずに働けるようになりたい、色、デザインが好き・・・と考えた結果、もしかしたらwebデザインがいいんじゃないか?と気付きました。

デザインの制作会社に入るため、仕事をしながらデザインのスクールにも通い、勉強を始めてみたらやっぱり好きだと実感しました。土日は基本的にデザインの勉強をしていたのですが、頑張ったというよりは楽しい感覚が強かったです。
とはいえwebデザイナーは初心者ではなかなか採用がないので、実務経験を積むために「アルバイトでも何でもいいから働かせてもらおう」と、食品会社を退職、他の会社でデザイナーとして働きました。半年ほどアルバイトとして働いてから、現在のwebデザインの制作会社へ入社し今に至ります。
嬉しかったのが、一番行きたかった会社に推薦で入れたこと。得意で楽しいと思えることで評価してもらえる、プライベートや他のことで悩んでいても戻って来られる”一本の軸”が自分の中にすっと立っている感覚です。

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今後やりたいこと:想いを持った人の媒体になりたい

今後やりたいこととしては、まずは熱量ある人の媒体になること。
そして雇われるよりは自分の専門を持ったうえでサービスを作りたいし、やるときはやる、「いいモノ作ろうぜ!」っていう同じ熱量を持った人たちと働きたいですね。

私が大事にしている考えとして「幸せの総量を多くしたい」という想いがあります。
発信する側も嬉しい、受け取った人も嬉しい、の構図を成り立たせたいし、必要な情報が届くべき人に届き、うまくまわっていなかった部分が噛み合う状態を作りたい。ただきれいな物を作るのではなく、数字が上がる=必要な人に届けられる、”幸せの総量が増える”ような提案をしていきたいです。
webデザイナーの仕事は「伝えたいことはあるけど、情報が届けたい人やサービスを求めている人に届かない状況を、ビジュアルとして伝え解決すること」だと捉えています。単にwebデザインをするというよりは「伝えていくこと」「想いを持った人の媒体になること」をやっていきたいです。
将来的には組織のデザインもやってみたいと考えています。

読者へのメッセージ:人生に行き詰まった人にとってのヒントがある場所です

人生に行き詰まった人、「なんとなくこのままじゃ嫌だけど、日常は変わらない」と諦めを感じている人はぜひ参加してみてください。私もただなんとなく生きていた頃がありましたが、今ではその頃の自分と感覚が全然違うと感じています。人生を自分で決めると、エネルギーがあって”ちゃんと生きている感覚”を味わえます。
また、仲間の存在もNCSの魅力の一つです。当時一緒にワークをやった仲間とは今でも連絡を取ったりします。自分の本当にやりたいことや抱えているトラウマといった、心の奥底に触れるような話をした人とは、今お互い悩んでいることも一緒に紐解いていくことができます。人生の節目節目で「ちょっと聞いてよ」と言える仲間がいることは頼もしいです。

「今のままでもいいけど、本当にこのままでいいんだっけ?」と思っている人にとっては、ヒントがたくさんある場所です。

■NCSメンターへのキャリア相談はこちら↓
https://bit.ly/3tSRUv3


■4時間で「本当にやりたいことを見つける」ワークショップの詳細はこちら↓
https://forms.gle/tV8oqtXWEksj9zLBA

インタビュアー:伊佐間梨華
ライター:mika ( https://note.com/mika316/n/n72b4c3dbe18e )

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