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業務用価格商品「ミケランジェロ」

業務用価格商品とは

 以前から業界の慣習として、コーヒー豆販売を行う場合には一般の方向けの価格で販売している商品を、業務用の店舗で使用してもらう場合には割安で販売することが多く、いまだにBtoB取引の場合は取引したい旨連絡をもらったり会員登録してもらうような手間をかけた上で値引き販売が多数見受けられます。
 当店でも業務用だといくらになります?などという問い合わせをいただくことがありますが、原則個別に応対して取引することはありません。なぜならタイトルにもある通り「卸売価格商品」を用意しているためです。
 これは同じ商品を一般の方には700円で販売しつつ業務用には3割引で490円などという二重価格がそもそも嫌いなのと、そのような販売方法は一般の方に対して不誠実だと考えるからです。たとえばそもそもがメーカーや問屋さんなどBtoB販売が多いような場合には希望小売価格700円、卸売価格490円でもいいかもしれませんが、当店のような一般の方も多数利用する小売中心の業態ではただの二枚舌になってしまいます。ですから、全てひとりで営業している当店では、一商品一価格とし、一般の方、お店をやられている方、来客用にコーヒー豆を大量に使う方など、どなたでも購入できるように常時通販サイトに「卸売価格商品」を用意し販売しています。

ミケランジェロとは

 ミケランジェロとは当店の卸売価格商品の代表であるブレンドの名前で、このコンセプトを思いついた早朝に某SNSで名前を募集したところあるアカウントの方につけていただいた名前になります。募集から応募、決定まで30秒くらい、その後販売まで20分くらいで用意した覚えがあります。
 焙煎度合いは中煎り深めのジャーマンロースト、販売は500g単位で簡易梱包。一般的なフルシティローストのやや浅めくらいに仕上げています。配合する生豆は軽やかなタイプのスペシャルティコーヒー生豆で、一般品であるコモディティコーヒーは使用せず、ジャーマンローストに向く生豆で価格に対して味覚評価の高いものを積極的に入れ替えて採用しています。ここが最初に味わいのゴールを決めてから生豆を選んで行く一般的なブレンドと違う部分で、ざっくりと「軽やかで飲みやすいタイプ」程度のゴール設定ですから、数ヶ月ごとに味わいが変わったりもします。ちなみにミケランジェロ+(プラス)という商品はミケランジェロをベースに深みのあるマンデリン、コロンビア、タンザニアを配合した、ミケランジェロよりも深みのあるタイプのブレンドです。

ミケランジェロ500g

どのような生豆を配合しているのか

 2024年1月10日現在、使用している生豆は以下の3種類。細かい説明は省きますが、「メキシコ・クステペック農園」「エルサルバドル・ジュリア」「グァテマラSHB オリエンテ」です。麻袋の時点で良さが伝わると思いますし、それぞれの名前で検索していただくとわかりますが、当店のような小規模ロースターさんでは100gあたり600円〜800円程度で販売しています。
 これが「卸売価格商品」たる理由であり、このブレンドを購入された店舗の方が100gずつ詰め替えて100g700円程度で販売していただいてもおかしくない品質のものを用意しているのです。

メキシコ・クステペック農園
グァテマラSHB オリエンテ
エルサルバドル・ジュリア

なぜ今回配合内容を公表したのか

 昨今のコーヒー生豆高騰により、卸売価格商品「ミケランジェロ」「ミケランジェロ+(プラス)」について毎月のように値上げしております。当店は販売者なのでコストアップは価格に転嫁しなければ自分が苦しくなり、その先には良質な生豆の確保に影響がでることもありますので、昨今の物価上昇も見据えて値上げするわけですが、私もコーヒー豆以外は消費者なので、「どうも最近値上げばっかりしてるな」と消費者目線で思われた場合、どのような商品を作っていて業務用価格に嘘偽りがない。と言う点が見えていれば納得できる。納得してもらえるのではないか。と考え今回公表した次第です。いかがです?小規模ロースターでこの価格でこの配合はなかなかないと思います(自画自賛その1)

ミケランジェロのおすすめ活用方法

 これはレストラン、美容室さんで実際にあるケースで、おすすめしている方法なのですが、お客様にお出しするコーヒーに使用する豆にミケランジェロをご利用いただき、先にも書きましたが100g程度に小分けしたパッケージを持ち帰り販売用のコーヒー豆で販売していただきます。レストランオリジナルブレンド、サロンオリジナルコーヒーなど、お名前をつけていただき100gあたり700円程度で販売すると、仮に200gをメニューや接客用に使用し、300gをコーヒー豆で販売した場合コーヒー豆販売の収益で、メニュー、接客用コーヒー豆のコストを捻出することができます。仮にコストの安いあまり風味の良くない豆を使用した場合にはコーヒー豆での販売は難しいですから、コストは安くともゼロにはなりません。これが良質生豆を使用した卸売価格商品のいちばんの活用方法です。

価格も生豆の配合も常時変更しています

 ここまで読み進めていただきありがとうございます。当店の卸売価格商品「ミケランジェロ」についてご理解いただいてありがたい限りです。そして今後もミケランジェロについては「今この生豆を使用しています」などと詳細は公表することはあまりないと思いますが、スペシャルティコーヒーで軽やかな飲み口のものを厳選し、業務用でもたくさん飲むご家庭の方でも美味しく楽しんでいただけるよう焙煎して販売していきます。

まとめではないまとめ

 最近深夜営業することがあり、先日の記事でも書いた通り客席を復活させています。また、出荷が多い日の前日に深夜営業することが増えてきたので、その際に「店主の趣味コーナー」をお楽しみいただくこともできます。なかなかいい趣味だと思いますので(自画自賛その2)夜中に明かりがついていたら寄ってみてくださいね。それではみなさんごきげんよう!

店内改装後
店主の趣味コーナー
深夜営業はじめました

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