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04 05【弘前の街のクリエイティブなヒト・モノ・コト。 それに光を当てていくのが「アートを街に拓く」こと】_樽澤武秀&優香

「アーティストとともに学び気づく」プロジェクト


アートは街にある。それに気づく面白さ。

武秀さん
僕らのテーマは「アートを街に拓く」。アートは美術館のような所にだけある訳じゃなく街の中にも同じような刺激をくれるヒト・モノ・コトがあると考えています。
 特に弘前にはそういう魅力がたくさんあって、その最たるものがねぷた祭り。絵師さんはまさにアーティストだし、市民一人ひとりも審美眼をもって鑑賞しています。そして祭りをみんなで毎年創り続ける力もすごいと思います。
 祭り以外の日常の中にも魅力のあるものが見え隠れしてて、例えばりんごの段ボールにおす『特撰』『秀A』みたいなぽんぽんスタンプもその一つ。使いやすいしデザインもいい。実はこれが弘前のハンコ屋さん生まれで、それが業界標準になっていったそうなんです。僕らはその埋もれた歴史に光を当てたくて、スタンプをデザインしたTシャツを作りました。メディアにも取り上げてもらい、やってよかったなと。
 こんなふうに、街に潜む魅力に街の人たちが気づいて喜んでくれて、そこからまた新しい変化が起きていく。目指すゴールはそこにあります。

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弘前に来たくなるAIRにしたい。

優香さん
私たちは「アーティスト・イン・レジデンス(=AIR)」を活動の中心とする予定でした。それがコロナの影響で計画の変更が必要になり、初AIR成果展はコロナ状況下でできる形を模索して、街の中に作品を掲示するという形をとりました。ただ、それが結果的に「アートを街に拓く」というテーマに新たな示唆をくれたと思います。
 これからのAIRにも、構想があります。落ち着いた環境で制作をしてみたい、新しい場所からインスピレーションを得たいなど、様々な動機を持ったアーティストが自由に行き来してもらう場所を目指しています。私自身、弘前に来て、お祭りも古い建築も見るものすべてが豊かに感じて、こんな街があるんだと衝撃的でした。そういう魅力が伝われば、自然と来たくなる場所になれると思っています。
 あと若手アーティストはお金がないので、りんごもぎ等のアルバイトを紹介するアイデアもあります。りんご産地としての土地柄を身をもって知ることができるし、地元の人とのコミュニケーションもできます。そういうAIRは他にないと思いますね。

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アーティスト酒井一樹さんを招いたAIR『劇場のともだち』は、作品を街の中に掲示。そして「ぽんぽんTシャツ」「アマ笛」など、日常とつながった作品が続々と発表されました。

僕らのふわっとした、でも楽しそうな未来。

武秀さん
僕らのプロジェクトは、他のNCL弘前メンバーと比べてふわっとしてますが(笑)、弘前という街のおかげで少しずつ芽が出てきてる実感があります。仕事として「デザイン的なマインドをアート的にアウトプットする」ことのオファーも多く、それも二人の強みかなと自覚したり。自分たちの変化も含めてこれからが楽しみです。

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【プロフィール】
樽澤武秀
弘前市出身。都内ミュージアム施設にて学芸員を勤め、多数の展示・イベントを企画・実施してきたバックグラウンドを活かし、弘前を楽しくするプロジェクトをいくつも同時進行中。企画が多くて人の手が足りてないので、興味のある人募集中!

樽澤優香
千葉県市原市出身。美術専門学校修了後、美術館やデザイン事務所に勤めながら作品制作を行う。つまりアーティストであり、デザイナー。弘前に移住してから創り出す作品が、どう変化するかを自ら楽しみにしつつ、第2子の育児も真っ最中!

(記事は2020年10月のもの)

Copywriter/川村伸
Photo/マスグラフィックス

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