おすすめの本「神田橋條治の精神科診察室」

私の整体の先生は、身体と心・精神のつながりについて、整体屋さんの立場から探究している先生です。

いまはころなの影響でできないそうですが、精神科医の先生の診察見学を続けてこられています。

そんな整体の先生が、精神科の先生に、診察手法をインタビュー形式で聞いている本があります。

わたしはこの精神科の先生については全く知らず、ただ、整体の先生関連の本を図書館で数冊借りたのが、この本に出会ったきっかけです。

神田橋條治の精神科診察室
神田橋 條治 (著) 白柳 直子 (著)

ものすごく素敵な本です。

精神科の病気を、私たちの中にもある気質として話してくれているので、病気について知らなくても、自分の中にもあるものとして見ることができます。

そしてこの神田橋先生という先生が、ものすごい先生なんだということも、読んでいるとすぐ気づきます。

患者さんが診察室に入ってきたときからもう診察は始まっていて、視線や椅子の選び方、眼差しなどの様子や雰囲気で、こうかな、っていう見立てをされている。

ちょっと投げかけた言葉に対する反応を見て、どういう傾向なのかを想定されている。

その観察眼がものすごいな、とお会いしたこともないのに感じてしまいます。

それでいて、当たり前かもしれないのですが、優しくて愛がある。

患者さんの安心に繋がる言葉だったり、先生と患者さんの関係性を作り上げていく言葉だったり、ひとこと、ひとことに意味があって、すごく計算されているようで、それなのに温かさがある。病気の特徴とされている特徴が、露呈しないような仕方で面接する。その診察の進め方が本当にすごいな、と思いました。

わたしはあんまり頭の中でイメージしてその世界に入って泣く、というようなことがないのですが、この本で紹介されている「地球におんぶ」っていう気功を試しにやってみると、なぜか泣けてきてびっくりしてしまいました。

ちなみにその章は愛着の障害のケース。

ほかにも双極性障害や発達障害、うつなど、いろんなケースの端々に自分の姿をみました。

(続く)



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