私の独り言⑱昔デイサービス職員だった頃の話 報告連絡相談 ホウ レン ソウ
デイサービス職員だった時の話。
ある日デイサービスから送迎車で女性利用者様一人だけを家まで送り届けていた時の事。
夕方5時45分頃ご自宅であるビルに到着し、部屋に向かう。
いつもご本人が鍵を持っている。
その鍵で玄関を開けて中へ。
働いている娘様と同居の利用者様。この日、普段は不在である娘様が玄関にて出迎えてくださる。
「ありがとうございました」
娘様の様子がなんだか気になる。
表情が険しく、髪もボサボサ。声も元気がない。
お変わり無いですかと尋ねてみる。
すると…「体調悪くて…」
やはり不安は的中。
詳しく聞いてみると、腎臓に疾患が見つかり入院するように言われたのだけれど母がいるから入院なんて出来ない。
途方に暮れている様子だった。
身体はきついし、お母様のお世話をしなければならないし。入院しなければいけない。
その時は何も対応出来なかった。
そのまま車に戻る。
事業所に帰り上司に報告。
すぐに担当ケアマネージャーに連絡。
電話口でケアマネージャーは「わかりました。今から伺ってみます」との返事。ひと安心。
見過ごしてしまうと手遅れになりかねないケースだった。
すぐにケアマネージャーから報告があり、娘様入院の為ショートステイに暫く行くのでデイサービスは当面休止との事だった。
この時のケアマネージャーは個人経営事業所の方で緊急時に対応して下さったが、対応してくれない所もある。
ある大きな病院のケアマネージャーの対応は、夕方決まった時間になると警備員さんが取次し、翌日9時以降に再度ご連絡下さいとなるシステムの所もある。土曜日や日祝日の場合ケアマネージャーが状態を知るのは月曜日の朝になる。(現在は連絡が取れるシステムになっているかもしれないが…)
先ほどの様な迅速な対応は難しく、自分で家族なり知人なりを頼って手配しなければならない場合がでてくるだろう。
個人、大きな病院所属…一長一短がある。
母のケアマネージャー。
最初は支援1の介護度だったので誰もがほぼそうだと思うが、包括支援センター所属の方が担当。特に困った事は起きなかったが、夜間・日曜日は連絡が取れなかった。
要介護1になると一般事業所に属するケアマネージャーを利用者側が選択し、依頼する。知人、友人からの紹介、家に近い、包括支援センターからの紹介などなど選び方は100人いれば100通りあると思っていいのかもしれない。
私は顔見知りの方に依頼。
困った時はいつでも連絡下さいと携帯電話の書いてある名刺をもらった。
母が救急搬送・緊急手術・長い入院の時には随分助けていただいた。
もちろん全ての対応をしていたらケアマネージャーは身が持たないだろう。
しかし利用者様からすれば心の拠り所なのだ。助けてもらえるケアマネージャーに担当してもらいたい。
そして全てに繋がるが、何かいつもと違うと気づくかどうかが大切。
そしてその変化に気づいた後どう対処するか。上司に報告。報告する相手がいない時には、誰かに…相談する。
判断を一人だけでしない。
これは自分だけでは冷静な判断が出来なくなる事がある為、報告や連絡、相談が必要となってくる。
働いている者には不可欠。
特にデイサービスに勤めていた頃深く感じる事だった。
常に利用者様の命を預かる立場なんだと痛感した。
入浴時の皮膚の状態が一番わかりやすいが、何かいつもと違うと感じる観察力。例えば帯状疱疹や蜂窩織炎、低温火傷や打撲痕など。
早期発見は信頼と安心に繋がる。
身体の変化を見つけられるかどうか。気になる時に看護師に見てもらうといった連携がとれているか。
一人一人の能力の向上。
日々の積み重ねだと思う。私自身も先輩スタッフを見て覚えていった。普段スタッフ達のコミュニケーションが上手く取れているかどうかも大切。
入浴時以外にも。
デイサービスの中で一人で杖を付いて歩く利用者様。なんとなくふわふわと歩いていておかしいと感じたその時、立ちすくんだと思った瞬間倒れてしまった事があった。もう少し駆け寄るのが遅ければ床に倒れてしまっていたが間一髪支える事が出来てほっとした経験がある。
その方はすぐに看護師に看てもらい、握る手の力が左右違う事、口元に歪みがある事などから脳梗塞かもしれないと救急搬送する事になる。
後日ケアマネージャーからやはり脳梗塞だったが、早期発見だったので後遺症もほとんどなく一週間で退院と聞き、スタッフ一同胸を撫で下ろした。
そんなケースに時々遭遇した。
貴重な経験だった。
チームとしての役割は大きい。
介護職の皆様、看護師の皆様日々ご苦労様です。皆様に助けられています。
本当にありがとうございます。
読んでいただきありがとうございます
今日も明日も良いことがありますように
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