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【読書】ラジオが始まって起きた問題/IT全史を読む(9)

聴いてみよう

この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2022年6月11日配信の書き起こしです。

読んでみよう

にゃおのリテラシーを考えるラジオ

読書と編集の千葉直樹です。

このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。

今回のタイトルは、

ラジオが始まって起きた問題/IT全史を読む(9)

です。

問題発生と解決方法

現代は意識しているかどうかは別にして、誰もがインターネットを使っている時代です。

便利な反面問題も起きています。

新しいメディアとして登場したラジオ放送も同じように、それまでは起きていなかった問題に対処する必要がありました。

技術面の代表は混信問題です。

当初は各ラジオ局が勝手な周波数を使って放送していました。

ラジオ局数が少なく、送信受信機材の性能が低いうちはこれでも大丈夫でしたが、開局数がどんどん増え使われる機材も技術革新が進んでくると混信の問題が起きてしまいます。

使用可能な電波の周波数を何らかの形で交通整理しなければなりません。

電波は空間的に広がるものなので、誰かの占有物にするわけにはいきません。

電波は公共のものという考え方が生まれ、政府が割り当てを考えるという形になりました。

周波数の割り当てや免許制度などが整備されていきます。

もうひとつ大きな問題となったのは、コンテンツ、特に音楽の著作権の問題でした。

ラジオ局が広告モデルで収益を上げているのに、そこで使われる音楽を作った人々には収益が配分されなかったのです。

それは音楽がレコードの売り上げで収益を得る仕組みだったからです。

ラジオはコンテンツをタダで無限にコピーしている状態になってしまったわけですね。

その問題を解決するために著作権保護団体が生まれ、ラジオの収益からコンテンツの利用分の使用料を徴収することになりました。

既得権益化の問題

このような構図は今でも繰り返されていますよね。

逆に周波数割り当ても著作権保護も、それが既得権益になってしまうという問題も生まれてきます。

ある時期の技術のために作った規制が、より進んだ技術の世界では邪魔になることがよくあります。

そんなわけで、現代では地上波、テレビラジオの電波の使用効率の悪さが徐々に問題になってきているのです。

イノベーションがうまくいく方法

オープンな技術開発と既得権益との争いはこれからも絶えないでしょう。

ただ、イノベーションはとにかくやってみてから考える姿勢から生まれています。

これはアメリカ流のプラグマティズムに支えられたやり方です。

この間違いを許容するやり方でイノベーションは加速しているのです。

間違いを許さない風潮が強いわが国でイノベーションが起きにくくなっているのは、残念ながら当たり前と言えるでしょう。

IT の歴史を知ることは、このような問題点を認識する上で、とても大事なことだと思います。

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今後配信の中で参考にしていきたいと思います。

おわりに

読書と編集では IT を特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。

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この配信の書き起こしをnoteで連載しています。

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今日もワクワクする日でありますように。

千葉直樹でした。

ではまた。

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