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【史】テレビを予言した人の既視感/IT全史を読む(10)

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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2022年6月18日配信の書き起こしです。

読んでみよう

にゃおのリテラシーを考えるラジオ

読書と編集の千葉直樹です。

このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。

今回のタイトルは、

テレビを予言した人の既視感

IT全史を読むシリーズの第 10 回です。

このシリーズでは中野明さんの著作である「IT全史-情報技術の 250 年を読む」を読みながら、 IT の歴史について考察しています。

前回はラジオという新しいメディアが始まったことで起きた問題がどのように解決されていったのかについて話しました。

今回はテレビの始まりの頃のことを話します。

テレビ放送を予言した人

現在のような広告モデルでのラジオ放送を行う RCA という会社を起こしたデビット・サーノフのという人がいます。

この人が 1923 年に取締役会で発表する覚書でテレビ放送が実現することを予言しています。

さらにテレビがラジオを駆逐するだろうと言ったようです。

この頃はやっとラジオ放送が実用段階に入ったという時期でした。

この段階で放送メディアが聴覚から視覚に拡張されると言ったわけです。

技術の世界を冷静にウォッチしていないと言えないことで、もちろん大半の人々は懐疑的に見ていたし、始まったばかりのビジネスが終わりを迎える話などを聞きたくもない人が多かったでしょう。

彼はさらに白黒テレビがカラーテレビに置き換わるとも予言しました。

僕は 1966 年生まれですが、小学校に上がる前に家にあったのは白黒テレビでした。

一部の番組でカラー放送が始まっていて、新聞の番組欄にカラー放送の番組にカラーと書かれていたり、テレビの番組にも最初にカラーのマークが表示されていたのを覚えています。

近未来を実現する人

驚くのはそれより 40 年も前にそういう時代をサーノフが予言していたことです。

現代から見ると当たり前すぎて何が驚きなのかと思うかもしれません。

でも考えてみてください。

15 年ほど前、 iPhone が登場する前は誰もがスマホを持つなんて考えませんでしたし、小学生までもがインターネットを使うようになるなど夢物語でした。

そう考えると今夢のように思われていることが遠くない未来に実現することは全く荒唐無稽なことではないわけです。

例えばイーロン・マスクが実現しようとしていることの一つは、衛星を使って地球上のどこでも当たり前に通信できる状況を実現することです。

今の携帯ネットワークをちょっと前にあった PHS のネットワークのようにしてしまうはずです。

家に光ファイバーを引くことすら時代遅れになってしまうでしょう。

自動車は自動運転が普通になり、

「昔は人が運転していたんだってね。危ないよね。しかも自動車はネットワークに繋がっていなかったんだって。どうやって運転したんだろう?」

なんて言われるようになるでしょう。

さらには地球の周りに人工衛星ホテルが普通にあり、月面にも恒常的に人が住むようになって、火星に冒険に出る人を見送る時代が遠からず来るでしょう。

荒唐無稽に感じるかもしれませんが、イーロン・マスクが実現に向けて具体的にやっていることですから、すでに可能なことなのです。

大半の人は信じないけど実行する人

面白いなと思うのは、テレビを予言したサーノフはきっと現代のイーロン・マスクのような存在だったと想像できることです。

どんな時代にでもこのような人はいます。

全くの夢ではなくて、実現可能なことだと確信を持って、どんなに反対する人がいても本当に実現していく人です。

IT の歴史を辿ってみると、たった 10 年かそこらで誰もが当たる前に使うような技術が生まれてくることが分かります。

そのような技術がどのように世の中を変えるのか、想像力を働かせられる人がうまく世の中を渡っていくことになります。

そんなわけで歴史を学ぶというのは大切なことだと思うのです。

IT に使われる人ではなく、使う側になることが、次の時代に成功する人になるポイントなのです。

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今後配信の中で参考にしていきたいと思います。

おわりに

読書と編集では IT を特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。

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この配信の書き起こしをnoteで連載しています。

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今日もワクワクする日でありますように。

千葉直樹でした。

ではまた。

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