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【技術】ITは編集可能性を拡大するもの


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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2024年5月22日配信の書き起こしです。

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にゃおのリテラシーを考えるラジオ

読書と編集の千葉直樹です。

このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書きそろばんを中心に様々な話をしています。

今回のタイトルは 、

【技術】ITは編集可能性を拡大するもの

というものです。

なぜIT化が必要か

水曜日はITを中心とした技術的な話をしています。

いきなりですが、なぜIT化を進める必要があるのかについて話してみます。

今どきオフィスワークをやっている現場でパソコンを使っていないなんてことはほとんどないですよね?

どんな職場でも机の上にはパソコンがあって、何らかの形でそれを使って仕事をしているでしょう。

もうパソコンが触れないなんていう人もあまりいないし、パソコンを使うのが苦手なんてちょっと言いにくい雰囲気になっていると思います。

そういう様子を見ると、IT化は結構進んでいる感じがしてきます。

ただ、ITの”I”である情報に着目すると、ちょっと怪しいなと思うこともよくあります。

本来やる必要があることは情報を活用することだからです。

職場で情報活用がうまくいってるかどうかをざっくり探るには、シュレッダーのごみの量を測ってみるのがいいかもしれません。

要するにどれくらい文書を印刷しているかということです。

紙は便利なのでつい印刷しがちなんです。

今あなたが印刷した文書、本当に印刷が必要なものだったでしょうか?

これ、慣例に縛られていると見極めにくくなります。

慣例に縛られているものを洗い出すには、キングファイルが収められているキャビネットをよく調べてみる必要があります。

今あなたがファイルに綴じ込んだ文書、何のために綴じておいてありますか?

綴じておく根源的な理由は、だいたい後で検索する必要があるからですが、それって効率的ですか?

パソコンで検索した方が早くないですか?

現場の事情でこんなふうにシンプルにはいかないものですが、まずはこのあたりをチェックすると、IT化の進み具合をある程度評価することができそうです。

編集可能性はどの程度?

情報の活用という観点にはもう一つの側面があります。

それが今回のタイトルになっている編集可能性というものです。

印刷した文書を編集するとしたらどうしますか?

ペンで書き込むという方法がありますけど、いかがですか?

大抵は「うーん……」と考えてしまうと思います。

考えてしまう理由の筆頭は「カッコ悪い!」かもしれませんが、本質はそこではありません。

紙に書き込んだものは人手で検索するしかなくなってしまうし、それを後で利用するのが難しくなります。

書き込む量が多くなったら最初から作り直そうということになるでしょう。

その時、オリジナルが紙しかなかったとしたら、まあ同じように打ち直すという手間がかかります。

もしも印刷する前のデータが残っていたとしたら、それをちゃちゃっと編集するだけで済むかもしれません。

だったら、そのデータをオリジナルと考えてしまった方が良くないですか?

データがオリジナルになっていると、その文書の編集可能性が高くなるのです。

IT化の本質はそこにあります。

アートとの区別

もうちょっと違う観点の話をしてみましょう。

小学校で習字ってありましたか?

昔はペン習字なんていうものもありました。

これは要するに字を綺麗に書けるようにすることが目標です。

美しい字が書ける人って素敵ですよね^^

でも今は素敵っていう以上の価値はありますかね?

昔はありました。

事務員なら字を綺麗に書けなければならなかったからです。

誰もが読める字で書かれたものを記録として残す必要があったからですね。

今はあまりそういうことは言わなくなりました。

実際、漫画雑誌に載っていた日ペンの美子ちゃん、懐かしい人もいると思いますが、IT機器が本格的に使われるようになった1990年代には雑誌広告から撤退しています。

今は習字は書道ということが多いですね。

それはなぜかというと、アートの世界のものになったからです。

ということは、日常のお仕事とはちょっと関係ない世界のものになったってことです。

アートはオリジナリティが重要ですが、仕事ではオリジナリティはあまり必要ありません。

むしろ誰でもできるようにすることの方が重要です。

誰でもできるようにすることには、誰でも編集可能にするという側面もあります。

誰かが文章の雛形(テンプレート)を作ってくれたら、それを使って新しい文書を作るのが簡単になるし、すでに作られた文書を修正するのも容易になります。

そこでは字がきれいな属性は不要です。

雛形・テンプレートという話をしましたが、今はひとつのテンプレートを使うのではなくて、複数のテンプレートを組み合わせて新しいものを作ることができるようになっています。

最近、Lineでスタンプを組み合わせて絵を作る機能がリリースされました。

あのスタンプのように、文書に必要な要素を部品としていろいろ用意しておいて、組み合わせて文章を作るのです。

そして、必要ならそれを後で編集するのです。

動画も活用できるはず

そんなの当たり前じゃない?と思う方も多いでしょう。

でも、今はそれを動画でやることもできるのですね。

動く文書ってことになったら、紙の上で実現することは不可能になりますね。

実はパワーポイントが使えるようになってから、動画チックなプレゼンを普通に作れるようになりましたが、相変わらず印刷することを前提に作ってしまう人が多いのです。

パワポのスライドの印刷なんて、ご丁寧にとっておく人はあまりいないのですから、もっと効果的に見せられる方法を使えばいいのです。

でもそうはしない人が案外多いもので、そういう人はWordとExcelとPowerPointの使い分けができていません。

それは暗黙のうちに印刷することを前提にしているから。

そしてこの使い分けができていないと、編集可能性が小さくなります。

編集可能性を高めるには、作る文書の要素の独立性を高める必要があるのです。

文章・表・画像・動画・音声。

これらの要素を作るために、それぞれの編集がやりやすいツールを使い、全体を組み立てるツールで組み合わせるのです。

これが編集可能性を高めるということなのですね。

こういうことがある程度自由自在にできるようになっているとしたら、あなたや所属組織のIT活用は結構いい線行っていると言っていいでしょう。

いかがですか?イケてると思いますか?

今回は、ITは編集可能性を拡大するものという話をしました。

今日はここまで。

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今後配信の中でお返事をしていきたいと思います。

おわりに

読書と編集では IT を特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。

ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。

詳しい内容については、概要欄のリンクから、または「読書と編集」と検索して、猫がトップページに出てくるホームページをご覧ください。

概要欄にリンクがありますので、フォローいただけると嬉しいです。

この配信の書き起こしをnoteで連載しています。

今日もワクワクする日でありますように。

千葉直樹でした。

ではまた。

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