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恵方巻きも豆も食べない、節分

2022年2月3日(木曜日) 

今日は節分

 節分と言っても、父は、恵方巻きも豆も食べることはできない。食べ物の飲み込みが悪くなっているからだ。やわらかいものを、少ない歯で何度も何度も噛んで、そして、意を決して飲み込んでいる感じだ。今日の朝食はバナナ、干し柿、湯むきしたトマト少し。少量でも食事時間は45分はかかる。私が父の口の中に食べ物を入れたら、父が噛み始める。父の目は閉じられたままなので、何を口の中に入れるか、父に伝えてから口に入れる。そして、飲み込むタイミングがきたら、私も緊張する。違うところに入ってむせないか、その後、誤嚥による肺炎をおこさないか、心配をしながらの食事介助は疲れる。
 でも、胃瘻はしないと決めているので、どんなに時間がかかってもいいので、口から食べて欲しい。

三途の川

 昨年9月に、父は食べ物を一切食べれなくなった。それまでは、自分で食べていたのに、熱もあり、飲まず食わずで、意識もなく目を閉じたまま5日間、介護ベッドの上にいた。医師からは、もうながくないので、親戚等、会わせたい人に会わすよう言われた。
 6日目、父は目を覚ました。そして、最初は、かき氷を少量口の中に入れ、じわじわ溶けていくことろから始まり、1週間後には少し食べれるようになった。そして、話ができるようになって、父から聞いた話。

「川の向こうにおばあさん(父の母親)がいて、来るな!帰れ!と手を振りながら、言いよった。川の前には石ころがいっぱい転がっていて、前に進めなかった。」

 よく言われる三途の川だろうか?父は自分の母親に命を救われたのかな。その後、一旦は、椅子に座り、自分で食事ができるところまで回復したが、今は介護ベッドから降りる事はできない。寝返りもうてない。食事も、食べさせてもらうしかない。1日、目を閉じたまま。

 おばあさんは、父が三途の川を渡ろうとした時、また、引き返すよう言ってくれるだろうか?

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