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【12月度】読書感想文/この部屋からは東京タワーは永遠に見えない/麻布競馬場

ちょうど1年前くらいからTwitterを使い始めた。
いや正確には高校生の時からずっと使っていたのだけれど、それは身内での情報共有的な側面でしかなかった。
それを1年前からちゃんとビジネスにおける情報収集のツールとして使い始めた。

ビジネス界隈のまとめをしてくれる人や、よくその人のビジネス書を見るな~という人をまとめて100人くらいフォローした。

もちろん著名な人も大好きではあるが、Twitterの限られた文字数で、限られた表現の中で、想像もつかなかった言葉を操る人が好きだ。
ぼくが平安時代に生きていたら、確実に歌人に憧れていただろう。

なので有名無名に関わらず、なんだこの文章は!となった人は片っ端からフォローしていった。その中で出会ったのが麻布競馬場。
Z李さんとかの流れでおすすめ!に入ってきたのだと思うのですが、一目見てその文章の構成に惚れてしまった。半年くらいフォローしていたのですが、その中で本を出版したという話を聞きつけて、ぜひこの人の文章をTwitterという狭い折の中ではなく、広い本の世界でどう生きているのかを見たくなった。

そんな前振りから始まります。どうぞ読書感想文をご覧ください。

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人の不幸を想像できる人になってください。

「自分だけが苦しい人生を歩んでいて、人を見下す権利があると思っていたクソ野郎です。」

ええね。この名言!

Twitter界隈をみてるとまぁ、なんだろうこんなにも同質な人がいるんだなぁと思う。Twitter界隈というか、なんというか、小説?というか
まぁこうやって人が熱狂できるってことは、みんな同じような思いをしてきてるってことだから、まぁ自分も他の人間と何にも変わることのない平凡な人間であることを痛感する。でもまぁええけど。

この人の文章は具体的にいるリアルな人間を描くから、こんな人がいたらいいなぁとか、こんな人がいたらおもしろいだろうなぁではない。
僕がフィクション?アクション?SFとかが好きじゃないのはそういうところかな。リアルな心理描写に引き込まれる。

おそらく知り合いの誰かにいるんだろうなぁ。僕もネットでしか聞いたことはないが、どの話を読んでと、うん。多分こんな人いるんだろうな。って。

しかもそれは氷山の一角でしかないことも理解している。

僕が知らないだけで、東京という街はすごいなと本当に思う。

今ちょうど篠田麻里子さんとかのあの一件をきいたりすると、芸能界もそうだし、実業家の人たちもそうだし。知らないことがたくさんだ。

だからおもしろい。醜い人たちが、自分の人生を賭けて暴れている。みんな必死なんだろう。醜いは表現が悪かった。みんな自分の人生を生きるのに必死で本気で、なりふり構わなくて。綺麗に生きるつもりなんてなくて。

全然理解できないし、もちろん共感もできない。

でもみんな必死で、その根底というか何だろう

自分のために生きてる感じ、自分という人生を歩んでる感じ、意志を持って生きてる感じが大好きだ。

p74

空から降ってくる何かが私の人生を変えてくれるなんていういらぬ期待を抱かないようになった。

なんともまぁ辛辣。この話は本当に窮屈な人間関係で生きてきた人間が、ネット社会で自分語りをしている。この学びを得たのは自分だけだ。自分は特別だ。まだそんなギリギリの自尊心で執筆されている。浅ましく、情けなく、恥ずかしい。でもそれが僕なんだなと。

現実世界で充実している人間とは違うんだ。

僕は、あくまで人生を達観したように、何か自分は周りとは違うように、そういうもので成り立っている。もちろんそのためのアクションはしてるけど、だからといって常人離れした知見を持っているわけでもない。ただ普通の人間だ。すこしだけ、努力した分だけ少し賢い。

そんな自分の小ささを改めて痛感させてくれるような話だ。

完全な幸せが存在しないように、完全な不幸せも存在しない。

ええやんええ言葉やな。

大切にしたい。
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