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noteで執筆した「うつががんに連れ添って」の電子書籍を発売しました

電子書籍版には下記の変更点があります。

・記事を投稿日時ではなく本来意図する順番に並び替えました
・誤字脱字やおかしな日本語を大幅に修正しました
・一人称を「僕」で統一しました
・巻末には大先生マダオ(カリスマSST講師)氏による解説が収録されています

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「はじめに」より

この本は僕と母のがん治療の闘病日記です。当初は個人ブログで、その後はnoteに場を移して2019年5月から2020年7月までの1年2ヶ月に渡り書かれたものです。闘病生活そのものは2019年の2月から12月までの10ヶ月でした。この10ヶ月は今振り返ってみても人生のターニングポイントになる日々でした。この本を出した時点のnoteのプロフィールには

「うつ病・無職・四十代」の生き残り方、あるいは死に方とは。就職氷河期、ロスジェネ世代として、日本が抱える様々な問題を集約的に体現している1978年生まれ。現在うつ病治療中で、生活保護を受給しながら、就労継続支援A型事業所に通所中。

と書いているのですが、いわばこの本はなぜ僕がうつ病を患い無職となり生活保護を受給するに至ったのかエピソードゼロ的な内容になっています。僕のような人は今世間ではとても増えているはずです。どこにでもいる就職氷河期うつ病おじさんですが、どこにでもいるおじさんに何が起き、何を考えて生きた結果このような場所へ流れ着いたのか。1つのケース、サンプルとして世に出しておくのも一定の社会的な意義があるだろうと思い電子書籍として出版してみました。

途中「自分には夢がある」というような記述があるのですが、それについて補足しておきます。最初は40代のおじさんがプロの脚本家を目指していくという内容のブログを書いていました。その中の1テーマとして「うつががんに連れ添って」はあったのです。つまり夢とはプロの脚本家としてデビューするというものでした。しかし段々と執筆の軸足は母との闘病記に移っていき、その中で思う所ありnoteに書く場所を移しました。最初はおじさんの極々個人的な日記で「自分が脚本家として世に出られたら自伝的にブログを本にできたらな」くらいの気持ちで書いていました。ところが母との日々が生活の中心になってくると「これって自分と同世代の多くの人が陥っている貧困への典型的な転落パターンだな」と自覚するようになっていきました。親の介護、うつ病、離職、生活保護…。そうなると自分と同じように様々な問題に苦しんでいる人に何か参考になればという想いも出てまいりまして、それならば個人ブログよりも多くの人の目に止まるであろうnoteにということになったのです。ちなみに今はもうプロの脚本家になりたいという夢はなくなりました。それよりもまずはうつ病をしっかり寛解させて、また以前のように経済的に自立して生きていけるようになることが目標です。プロの脚本家云々はその後のことです。

僕のことをもう少し書かせてもらいますと、僕はかつて東京の小劇場を主戦場にした小さな劇団の作家をやっていました。それだけで食べていけるほどではないですが、細々と利益が出るくらいにはお客さんが入ってくれていました。決してプロの作家などではないですが、完全に素人というわけでもありません。今回の日記が現実に起きたことを物語化していくスタイルになったのはある意味で必然なのです。

僕には離婚してから離れて暮らす二人の息子がいます。この日記は他の誰よりもまず彼らのために書き始めました。今は幼い彼らがいずれ大人になった時「あの当時、父親はこんなことを考えていたんだ」と追いかけられるように、遺言を書くのに近い心境で書いていました。結果、その目的を果たすに相応しいボリュームの文章を書き残すことができました。この本を最後まで書き切ることができて本当に良かったと思っています。


それもこれも、ブログやnoteで読み続けてくれた読者さまがいらっしゃったからです。1年以上に渡る執筆期間、決して少なくない読者さまが支えて下さいました。同年代の方からメッセージを頂戴することが多かったですが、それだけに留まらず様々な属性の読者さまがいらっしゃいました。10代の若い方から80代の人生の大先輩に至るまで、幅広い年代の方から反響を頂きました。こんなことは劇団の作家をやっていた頃にも経験したことがありません。同じように家族ががんに冒されて戦っていらっしゃる人や、息子さんがうつで苦しんでいるお父様から相談をお受けするなどということもありました。こういった出会いの1つ1つ全てが宝物です。

今回電子書籍化するに当たっては、まず全ての記事を再チェックし推敲を行いました。WEBにアップする前にも十分やっていたつもりなのですが、改めてチェックするとまあ誤字やら脱字やらへんちくりんな日本語やらが出てくる出てくる(苦笑)。これに可能な限り手を加えました。


また、一人称を「僕」に統一しました。ブログやnoteでは「私」となっていた箇所もあるのですが、これを全て「僕」に直しました。40歳を過ぎてから「私」と書くことが多くなったのですが、今回は「僕」だなと思い…。なんというか、今回は最初から最後までワカゾーが必死でもがいてがんばってるなぁという感じだったので「僕」が相応しいのかなと…。


最後に記事の順番をあるべき形に並べ替えました。今回の日記は1周目と2周目に分けて執筆しました。1周目はリアルタイムで執筆し、2周目はおおよそ半年後に1周目を読み直し必要に応じて追記する形で執筆しました。noteでは一律に投稿した日時でのソートしかできないので非常に読みにくい順番で記事が並んでいたのですが、これを本来の順番に並べ替えました。実はこれが今回の電子書籍化の一番の目的だったりします。

それではご挨拶は以上となります。この度は数ある書籍から僕の本を手にとって頂き、誠にありがとうございました。一生懸命生きて一生懸命書きました。よろしければ最後までお付き合い下さいませ。

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