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2020年11月に読んだ書籍一覧📚


📚2030年アパレルの未来[福田 稔

2030年は一つの節目なのか、様々な分野での未来予測本が出ていますが、本書はアパレルの未来ということで、アパレルやリテールに造詣の深い経営コンサルの方が書かれています。

日本においてはあらゆる分野で海外から遅れを取っているという警鐘を耳にしますが、アパレル業界もその筆頭として、日本における消費行動や国民特性から見たアパレル不況の正しい理解、海外事例からみる本質的変化の動向など、コンサルの方らしい整理の仕方とカバー範囲の広さで解説されています。

本書は起承承結型で書かれており、全6章構成のうち、5,6章が本書の結にあたる部分になっています。

私自身、年齢を重ねるにつれ衣服への興味がどんどん無くなってしまっているので業界やブランドには疎いのですが、そういった方は後章の結論から入るよりも、まずは1章「アパレル不況を正しく理解する」から読んだ方がより理解が進みやすいと思います。
また、各章の章末には「まとめ」が載っているのでまずはそこから読むことをおすすめします。

それにしても本書はアパレル・リテール業界にフォーカスしていますが、読めば読むほど、私が属している飲食業界にも大きく当てはまると感じました。
いわゆる日本において「遅れている」と言われる業界には共通して、「テクノロジーの活用」「顧客理解/マーケットイン」「業界・企業構造の変化」が必要と言われており、どうやって業界自体を盛り上げていけるか・業界に属する人財のアップデートを図れるか、より本質的な価値が問われていますね。



📚小売再生 ―リアル店舗はメディアになる[ダグ・スティーブンス

アパレルの未来についての本を読んだので、続けて小売にフォーカスしたこちらの本を読みました。
2年前の発刊なので、技術的な要素や体験価値重視など、もはや自明の部分もありますが、サブタイトルである「リアル店舗はメディアになる」とはどういうことか?長年小売の分野で活躍してきた著者が多くの事例を元に解説しています。

「小売はもう死んでいる」という挑戦的な書き出しから始まり、「小売は死なず」という結びで本書は構成されています。
とはいえ、原点回帰的な内容ではなく、「(最終的に)革新的な体験を創り出すか、(それをせずに)コモディティ化を突き進むか。」という核心の部分が間に挟まっています。

本書は4部で構成されており、前半の1,2部は「小売は死んでいる理由」「店舗が不要な理由」という形で徹底的に課題点をあぶりだしています。
そして後半の3,4部で「店舗の役割とは何か?」「どう小売を再生すべきか?」という再生をテーマとした提言にフォーカスして書かれており、この対比がとても分かりやすいですね。

また、昨今のデジタル偏重・崇拝にも警鐘を鳴らしており、「消費者は毎日嫌というほど技術漬けになっているのに、依然として消費者が技術を使いたがっているという大きな思い込みをしている。1日に平均220回も携帯電話を見ている時代に、221回目のためだけにわざわざ実店舗に足を運ぶだろうか?」という文章が印象的でした。

どの業界でもそうですが、技術や社会的な変化を捉えて事業に反映することはもとより、「人」を理解し、行動の変化や本質的な部分を理解することが生存戦略の唯一解なのだと再認識しました。



📚NEO ECONOMY(ネオエコノミー)[日本経済新聞社

経済を成長させる主役が知識やスキル、データなどの「無形資産」に代わってきた今の社会を「ネオエコノミー」と称し、その本質を見極めていくという、2019年に日経で連載していたルポルタージュ記事を一冊にまとめたものが本書です。

無形資産は主に3つに分けられる。
 情報化資産:データやソフトウェア
 革新的資産:R&Dや知的財産
 経済競争力:人材や組織の質

発展や豊さの定義が変わりつつある現代において、今までのモノサシでは測りきれずに、様々な分野で実態と数値に乖離が出てきているのも事実であり、改めて「無形資産」を理解しながら、富や価値をいうものをどう正確に捉えるべきか、様々な視点から模索しています。

本書は起承承承型で構成されており、全体的に問題提起・事実確認・各識者の提言をまとめたもので、ある特定の"解"を示すものではありません。
ここを読み違うといつまで経っても結論が出てこない、ということになりますのでご注意ください。



📚完全菜食があなたと地球を救う ヴィーガン[垣本 充, 大谷 ゆみこ

また今までとは世界観がガラッと変わった本ですね。
いわゆるか完全菜食(ヴィーガン)という生き方について解説したもので、個人的にヴィーガンというのは(特に日本では)一部の健康探究層のみの考え方だと思っていました。

とはいえ、ここ最近代替肉市場が活性化しているように、また健康意識の増加や環境問題意識の高まりと共に、ベジタリアン含め様々なレストランやショップも出てきており、少なくとも言葉の認知としてはキャズムを超えてきている印象です。

そもそも一括りにベジタリアンやヴィーガンと言っても実は色々な種類があり、思想や健康意識など何を軸とするかによってタイプが分かれてきます。

※どんなタイプがあるのかはこちらをご参照ください


私も歳を重ねるうちにやはり健康意識も段々と高まる中、以下の図を用いた雑穀食の提案はとても参考になりました。

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出典:https://tsubutsubu.jp/

個人的には思想から入るよりも、健康への考え方の一つとして、一週間のうちに1日そういった食事の日を作る、みたいな気軽なスタンスの方が受け入れやすいのかなと思います。




▶過去に読んだ記事等はこちら


以上。


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