🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2020/6/29～7/5］

正木伸繁 @nbmasaki　🍣デリバリー事業会社マーケ担当

2020年7月6日 11:50

🤩今週のトップニュース

🤩ウーバー、食品配達のポストメイツ買収に向けて協議

米ウーバー・テクノロジーズは米ポストメイツの買収に向けて交渉を行っている。協議に詳しい関係者１人が明らかにしたもので、米国内で食品配達サービスを拡大することが狙い。

３週間程前に本マガジンでもGrubhub買収→断念のニュースを取り上げましたが、間髪入れずに次なるターゲットに狙いを定めてきました。

こちら↓は５月時点でのフードデリバリーのシェア率ですが、Postmatesは8%と第４位の位置付けで、この買収に成功するとUberは第２位となります。

出典：Second Measure

シェア率8%はあまり高くないようにも見えますが、Postmatesはフードデリバリーだけでなく、買い物代行という側面も大きいですし、Serveという自律ロボット配達の実証実験にも力を入れています。

また、買い物代行といえば、このコロナ禍中に急激に存在感を増してきたInstacartがTOPを走っていると思います。

記事には「米国50州で85％以上の世帯、カナダの70％以上の世帯で利用可能」とありますが、スゴイですね…。

これからは調理済みフードだけでなく、グロッサリー関連、その他あらゆる消費財をオンデマンドで運ぶステージまできているので、UberによるPostmates買収の行方はとても気になるところです。

📰プレスリリース

📰【新時代に寄り添う飲食店の”発展系サービス”】デリバリー専門「ゴーストレストラン」業態開始

株式会社ダイヤモンドダイニングは、店舗を持たない新たな飲食店のビジネスモデル「ゴーストレストラン」サービスを開始、複数の配達プラットフォーム運営企業と提携し、順次サービスを展開することを決定した。

📰デリバリー特化型クラウドキッチン

空きスペースをリノベーションし、デリバリー特化型のクラウドキッチンをプロデュースする株式会社アワーキッチンは、2020年８月に白金にオープンする「OUR KITCHEN」1号店の出店者募集を開始。

📰“店舗を持たない飲食店”ゴーストレストラン「WE COOK」オープン

国内外にレストランを展開する株式会社WDIは、“店舗を持たない飲食店”であるゴーストレストラン「WE COOK」をオープン、フードデリバリーに特化した事業を東西でスタート、Uber Eats、出前館、menuといったフードデリバリーサービスにてメニュー提供を開始した。

ゴーストレストラン/クラウドキッチンが続々とオープンしています。
特にダイヤモンドダイニングやWDIという外食チェーンの有名企業の参入が特徴的ですね。

ゴーストレストラン運営の特徴は、エッジの効いた商品をブランド単位で持ち、需要を見ながら売れなくなったらすぐに次のブランドに切り替えていく、という市場を飽きさせないスピード展開を強みとしているので、既存のレストランやデリバリーサービスにおいては、これから激しい戦いへの備えが必要になってきます。

🗾国内のニュース

🗾月額980円で基本配達料何度でも無料！デリバリー＆テイクアウトアプリ「menu」がデリバリーのサブスクをスタート、1カ月無料でお試し可能

デリバリー＆テイクアウトアプリ「menu」を運営するmenu株式会社は、デリバリーのサブスクリプションサービス「menu pass」の提供を開始した。

フードのサブスクと呼べるかどうかは分かりませんが、「配達料金が毎回300円OFFになる、1回の注文金額が1,500円以上であれば代金5％引き」という機能面だけでなく、「毎月抽選で500円～1万円のデリバリー専用クーポンがもらえるなどの特典」というfunな要素を取り入れているのは、とても参考になります。

🗾フードデリバリー「タイミーデリバリー」がリリース！事前予約制、AIが効率的な配達ルートを算出し、手数料を抑えた飲食店に寄り添うプラットフォームが誕生

スキマバイトアプリ「タイミー」を運営するタイミーは、フードデリバリーサービス「タイミーデリバリー」のアプリをリリースし、β版利用者に先行公開した。既存のデリバリープラットフォームと比べて手数料を抑え、”飲食店に寄り添うデリバリーサービス“を目指している。

タイミーデリバリーがアプリをリリースとのことですが、iOSのみのため残念ながらまだ試してみることができません…。

アプリDL画面や公式サイトを見てもわかるように、「予約制」というワードが強く印象に残ります。

これはある程度の注文がまとまった状態で、AIを使って配車＆ルート選定をするためだと思いますが、この「予約制」という部分が特に調理済みフードのオンデマンドニーズにどうマッチしていくのかはもう少し見ていく必要がありますね。

🗾「食べログ」が飲食店向け通販サイトを開設！

「食べログ」を運営するカカクコムは、飲食店が自店の商品を販売できるグルメECモール「食べログモール」をオープンした。「おうちに名店の味わいを届ける"プレミアムフードモール"」をコンセプトに、「食べログ」に加盟していない店舗でも同モールに商品を登録して販売できる。

プレミアムを謳うだけあって、サイトも丁寧に作られています。
特に１商品に対する写真や説明の量は多く、イメージ写真だけでなく、荷姿から調理過程まで説明しているのはユーザにとってはとても分かり易く、購入のハードルが下がると思います。

🗾キユーピー飲食店向け「テイクアウトデリバリー特集」サイト開設、メニュー作りを応援

キユーピー株式会社は飲食店がテイクアウト・デリバリーメニューを考える際の課題に対し、キユーピー業務用商品の機能を生かして解決策をまとめた「テイクアウトデリバリー特集」を、キユーピー公式サイトで公開している。

「キユーピー業務用商品を使い、飲食店のテイクアウト・デリバリーのメニュー作りに役立つ情報を紹介している。」と、toB向けというのが面白いですね。

確かに、店内飲食と違って、調理から喫食までのタイムラグがあり、時間経過や外気温による様々な状態変化を考慮する必要がありますね。

🗾和菓子など人力車で宅配、えびす屋函館

北海道函館市で観光人力車を運行するえびす屋函館が食品の宅配代行に乗り出した。新型コロナウイルスの感染拡大で人力車に乗る旅行者が減った半面、市民の巣ごもり消費の需要は増えている。

タクシーよりも風情がありますね。

🗾ファミマとローソン、商品陳列のロボット導入へ

ファミリーマートとローソンは、遠隔操作で商品の補充ができるロボットを店舗に導入すると発表。いずれもベンチャーの「テレイグジスタンス」と手を組み、同社が開発したヒト型のロボットをまずは同社が関わるフランチャイズ店などで使い始める。慢性的な人手不足の解消をめざしたい考えだ。

人型ロボット×VR端末×バックヤードで品出しという内容で、各店舗の品出しを担当者がまとめて行うことで、省人化に繋げる作戦のようですが、VR端末でロボットを操作して品出しなんてかなり未来感ありますね。やってみたい。

🗾「昆虫食」の概念を変えるレストラン『ANTCICADA』が馬喰町にオープン

昆虫食の先端をいっているのが、コオロギビールやコオロギラーメンなどを商品化した団体『ANTCICADA（アントシカダ）』。この度、日本橋馬喰町に待望の昆虫食に特化したレストランをオープン。

昆虫だけでなくジビエや野草など、まさに地球を味わうようなレストランですね。

渋谷パルコにある「米とサーカス」よりは入りやすそう（汗

🌎海外のニュース

🌎Alibaba（阿里巴巴）の食料品店チェーン「Freshippo（盒馬鮮生）」、上海の店舗でBeyond Meatの代替肉パティを今夏販売開始

Alibabaは食料品店チェーン「盒馬鮮生」の上海店舗に Beyond Meat の植物肉パティが今夏登場すると述べた。アメリカの代替肉スタートアップ Beyond Meat は、中国市場への参入に意欲的だが、Starfield（星期零）や Z-Rou（株肉）など中国企業との競争に直面している。

7月上旬から上海の盒馬50店舗で取り扱うとのこと。
新型コロナは代替肉市場にも影響はあるようで、確かに既存の食肉市場への混乱がある中で、当市場の先行きは一気に不透明になってしまいました。

🌎ピザハットやウェンディーズ展開の米ＮＰＣが経営破綻

米国でファストフードチェーンのピザハットやウェンディーズを展開するNPCインターナショナルが米連邦破産法11条の適用を申請した。同社は新型コロナウイルス関連の休業や10億ドル（約1100億円）近い巨額債務、人件費や食品価格の高騰が重なって、経営破綻に追い込まれた。

アメリカの大手フランチャイジーが経営破綻とのことで、日本でピザハットと言えばデリバリー専門というイメージですが、アメリカはイートインも主体的に行っているため、コロナ影響による外食としての落ち込みが要因ということでしょうか。

🌎The 2020 Food Tech 25

本noteでもかなり参考にさせていただいているSPOONによる、フードテック分野での注目企業・サービスを選出した記事です。

今年はフードテックの分野でも新型コロナの影響は大きかったと思いますが、記事には「パンデミックの有無に関わらず、この分野で最も優秀・革新的な企業を代表するものだと感じている。」とあるように、参考になる部分は大きいと思います。

以上。

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