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努力はスカラーではなくベクトルを指す


努力の定義

「努力したのにうまくいかなかった」
「駄目だったけどよく努力した」
「彼の努力は失敗に終わった」

そんな文脈の中で使われる「努力」という言葉。普段の会話の中でも出てくるが、人によって「努力」という言葉の定義は異なる。

言葉の定義は、会話においてコミュニケーションを辞書的な意味という側面と、その人の価値観になり、ひいてはその人の人生を支える土台となる側面を持つ。

特に、抽象的で様々な事物に共通する単語には、注意を払うべきだ。

「ベクトル」と「スカラー」

ベクトルとスカラーは、物理学でよく出てくる単語だ。正確ではないけれど、端的な意味は↓↓↓

  • ベクトルは、向きと量
    例:速度や力

  • スカラーは、量のみ
    例:温度や重さ

要するに、ベクトルは向きを持つ物理量であり、スカラーは向きを持たない物理量をいう。

努力とは、ベクトル

努力は、ベクトルと同じで向きを持つ

例1:サッカー選手

プロのサッカー選手になりたい人は、ただ漠然とボールを蹴る時間を増やすだけでいいだろうか?

プロとしての技術や戦術を磨くためには、効率的なトレーニングメニューを組むこと、専門的なコーチからの指導を受けること、試合に参加して実戦経験を積むことなど、目標に向かって正しい方向で努力をすることが必要だ。

例2:試験

試験に合格するためには、関連のない教材を読んで試験に受かるだろうか?

試験範囲をしっかりと把握し、重要なポイントを効率よく学習することが大切であって、努力の方向が目標と合致していなければ、時間の浪費になるだけだ。

向きを間違えると、余計な回り道をしたり、ゴールにたどり着かないこともある。

だから「努力の向きを考えること」、それ自体も「努力」という言葉に内包されている。

改善に繋がる問い

僕にとっての「努力」の定義は "ベクトル" と同じだ。もしそれが "スカラー" だと思っていると、無駄を重ねてしまうことになるだろう。

「私は努力している」
「努力したけど駄目だった」

そんな言葉が脳裏をよぎったときに、今一度考えたい。

その努力の向きは合っていたのか? 

その問が反省・改善に繋がり、次の成功に繋がる。

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