見出し画像

【オススメ本9】読書好きのバイブル『ミステリーの書き方』

 こんにちは、名雪七湯です。今回は初めての試みとして、指南書の紹介記事を書いてみようと思います。拙いですが宜しくお願い致します。

1、本情報、作者情報

 『ミステリーの書き方』幻冬舎 2015 日本推理作家協会編

 タイトル通り、ミステリーの書き方についての指南書です。

 指南書、という言い方がアバウトになるので詳しく記述すると、様々な問いに対し、現役のミステリー作家さんたちが自分なりの答えを出す、という形式を取ります。ですので、客観的な「ミステリー一般」のノウハウというよりは、色々な人達の考えを聞き、小説を書くのが趣味の人は参考にできる部分は参考にし、好きなミステリー作家さんがいるという人はその方の考えを知れる、という本になっております。

 ですので、この本を読めば完璧なミステリー小説が一編仕上がる、というよりは要素要素でプロの考えを吸収する、という方が正しいと思います。

 そして、この本の一番の魅力は取材した作家陣です。

 百文は一見にしかず、ということで(造語)お名前を並べてみます。

 赤川次郎 東直己 阿刀田高 我孫子武丸 綾辻行人 有栖川有栖

 五十嵐貴久 伊坂幸太郎 石田衣良 岩井志麻子 逢坂剛

 大沢存昌 乙一 折原一 恩田陸 垣根涼介 香納諒一 神崎京介

 貴志祐介 北方謙三 北村薫 北森鴻 黒川博行 小池真理子

 今野敏 柴田よしき 朱川湊人 真保裕一 柄刀一 天童荒太

 二階堂黎人 楡周平 野沢尚 法月綸太郎 馳星周 花村萬月

 東野圭吾 福井晴敏 船戸与一 宮部みゆき

 森村誠一 山田正日紀 横山秀夫 五十音順、敬称略

 どうでしょうか(打つの大変でした)。本を読む人も読まない人も見たことがあるであろう名前がずらりと並んでいると思います。ミステリーの最先端を先導している作家さんたちの考えを知れる貴重な書なのです。

 この本で書かれている内容は、彼らなりの考えでありつつミステリー界全てに通ずる考えなのです。

2、内容について

 この本の一番好きなところは18ページ目(前置きなどを除き、内容としては実質1ページ目)の1行目です。

 ただちにこの本を閉じてください

 そう、この本は685ページもあり、さあ読み始めるぞ! と思い立った矢先、本を閉じろと言われます。その理由が気になる方はぜひお目を通してみてください。はっと気付かされるものがあります。

 100以上にも(200以上)にも及ぶ問いと答え

 この本では100を超える質問と答えが用意されています(数えようと思いましたが気が狂いそうなのでやめました)。語りの決め方プロットの作り方アイデアの出し方伏線の張り方など、質問内容は多岐に及びます。

 小説を書いている人(ジャンルはミステリーでなくとも)にとってはとても役に立つものになっております。また、読者家の方も作家さんたちが何を考えながら本を書いているか、という知識を得られます。

 実際の本を使う

 作家さんたちは実際に自分が書いた小説を例に出しながら質問に答えます。作品によっては思わぬネタバレを食らうというイベントも発生しますが、好きな作品が出て来た時の楽しさは異常です。

3、最後に

 値段は920円+税ということで1000円は超えますが、650ページ以上あり本好きなら買って損はしないと思います。私もこの本で得た知識を執筆に活かしたりし、今では付箋だらけの有様です。

 最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 またお会いしましょう。


この記事が参加している募集

#読書感想文

190,388件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?