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寄付するココロ。

ちょっと前のことだが長女中学で周年記念イベントがあったのだが、このイベントに向けて何を思ったのか同窓会が行事の足しにしようとクラウドファンディングを立ち上げた。しかし終わってみると目標金額の1/5ほど、たった10数人しか寄付していないという散々な結果だったようだ。

もちろん、周年イベントという名目で同窓会という飲み会への寄付ではなく(そんなん、飲みたいオジサマ方が自分で払っていればよろしい)純粋に学校で開催する周年行事に掛かる費用の足しにというお金のない公立学校にはありがたいクラファンである。アピール不足でクラウドファンディング自体知らなかった卒業生も多かったに違いない。だけど、それだけではない気がする。

それは、学校が、現在の、そしてかつての生徒や家庭に対して(あまり大きな声では言いづらいが特に卒業後クラファンするくらいの社会性と経済力のある生活をしている家庭に対して)大事に大切に扱ってきたかの裏返しのように思える。

お世話になった学校に、少しでも役に立てるように。

本当にその気持ちがあればたとえ1人分の金額が少なくてももっと多くの人が寄付という見返りのない出費も厭わず出しているに違いない。クラファンのリターンであるボールペン1本が欲しくて寄付する人はそうそういない。

実は似たような時期に、とある子育て支援団体が事業拡大に伴い必要な購入や準備のために掛かる費用のクラファンを立ち上げた。目標額は前述の学校周年イベントクラファンの数倍。

最終日どうなったかというと目標額の1.5倍に近い寄付が集まった。

この違いはなんなのだろうか?

寄付というのは共感があってこそ成り立つ。 
『自分が大変だった時にそばにいてくれて安心だったから恩返しがしたい』
『次のバトンでいま困ってる人の役に立てて欲しい』
『心の拠り所だから続けて欲しい』

団体の寄付でいくつか寄せられていたメッセージである。先ほど経済力と書いたが、経済力じゃないんだ。気持ちだと思う。

長女中学は一体何が足らなかったのか。

日々指導要領をこなす業務と部活指導に精一杯で、よかれと学校全体の突っ込んだ話をすれば嫌な顔をするか適当な言葉で誤魔化す教師が多い学校。多くの在校生を、過去の在校生である卒業生の時も気持ちを大事に大切に扱ってこなかった結果ではないだろうか。

私立公立限らず母校愛があったら喜んで手を差し伸べるのが自然だろう。幼稚園バザーでプロ並み手作りグッズを販売している人がいるが、大概の親はあれを決して幼稚園に時間と労力を搾取されたとは思っていない。

学校にとってもある意味生徒は商品。中高一貫なら6年間預かった生徒が最終的に学校の評価を上げられるような進学ができるようにするために、きめ細やかに大切に扱う。だから私立の方がどうしても丁寧に対応してくれる。でも公立だってそういう学校もあるだろう。校長先生や教頭先生、一般の先生の気持ちがあれば地元の公立学校だって出来るはず。

私立でも単純に商品の売れ行き=部活の大会成果や進学率だけ気にする学校は、強い部活の監督が暴走しても止められないし、口コミで酷評される。

きめ細やかな指導の賜物として生徒も保護者もそれなりに学校に感謝の心があるので愛校心が芽生える。愛校心があれば卒業後も母校の様子が気になるし、もしこういう周年行事があれば率先して協力しようとするに違いない。

しかし…長女中学の場合、学校にとっての商品は部活でであり、生徒はその商品のツールに過ぎないらしい。

そうすると何が起きるかというと、まず長女のような帰宅部生徒の扱いは雑になる。だって商品価値がないから。 

生徒は3年間限定使い捨てツールだから、機能を上げようという意識もあまりない。だから最終学年の3年生になってもいかに部活の大会成果の為に使うかのほうに優先されてその生徒の卒業後の進路先に関してはそれほど頓着がなく進路指導は面倒見が悪い。なのに学校が部活に執着する割に在学中や卒業後その部活で全国的に有名な選手になった生徒もいないしプロになった話も聞かない。

そしてツール扱いされた生徒達はそれほど愛校心もないので利用された学校にわざわざ寄付しよう・・・という意識はあまり起きないのではないか、というのが今回の結果から透けて見えてくる。 

寄付とは気持ちをカタチにしたもの。

部活を活発にすることは荒れた学校の立て直しに手っ取り早いかもしれないが危険性というのはそこだろう。
学校には特定の競技に強かったり、他校にない部活に入りたいがために越境して通学したり卒業した生徒も一定数おり長女学校はもしかしたらそれを、『うちの学校は越境通学する生徒がいるくらい人気のある学校なんだ』と勘違いしているかもしれないが、単にそのスポーツをやりたいがためなの手段あり学校に対しては愛着も恩も何もない。学校が生徒をツールとして扱う以上生徒も学校がツールなのだ。

長い目で見てどちらがお互いハッピーで有益かは、一目瞭然ではないかと思うが、どうだろう。


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