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第一印象良ければ全てよし?!(2)

石黒賢似のバツ1、36歳介護職の賢さんは私の予想をいい意味で裏切り、スタイリッシュでオシャレで明るいナイスガイでした。

翌週のデートを心待ちにするナヲ子に、賢さんからこんなメッセージが届きました。

「ナヲ子さん、こんばんは!今度のデートは夜景の見えるお店でお食事を考えています。お酒は大丈夫ですか?あまり遅くなると申し訳ないので、18時スタートでいかがでしょうか。お会いできるの楽しみにしてます。」

トゥクン・・・。

夜景の見えるお店だって♡お酒大丈夫かだって♡遅くなっちゃうと悪いだなんて、アラフォーなのに20代前半の生娘のような扱いをしてくれて、賢さんっていい人〜♡

ナヲ子のテンションは一気に急上昇するのでありました。

英国紳士?!エスコート上手な賢さん

賢さんとは駅前で待ち合わせし、お店まで一緒に歩いて行きました。黒光りする顔に、ビシッと固めたテクノ風の髪型が決まっています。濃い顔好きのナヲ子のドストライク顔で、思わずニヤケが止まりません。

道を歩く時も「ナヲ子さん、危ないからこちらへ」と自ら車道側にポジション変更したり、階段を降りる時もサッと手を差し伸べ「ヒール、大丈夫?」と気遣ってくれます。

トゥクン・・・。

賢さんって気が利くし、優しい人♡階段でちょっとだけ手を繋いだけど、嫌な感じはしなかったし♡(でも汗ばんでたなぁ、冬なのに)前回の昼デートの時より積極的な賢さんにMK5なナヲ子でありました。

賢さんに感じた最初の違和感

夜景の見えるレストランはムーディーで薄暗く、客のほとんどがカップルです。静かな音楽をBGMに、私たちが通されたのは窓際のカップルシート。横並びの賢さんと、膝がくっつきそうな距離感です。

コートを脱ぐと、鮮やかなブルーのジャケットにピシッとした白シャツが決まっています。はぁ、今日も賢さんオシャレだわ〜♡と惚れ惚れしていると・・・

「さーせんっ!!!」

思わずビクっとしてしまうくらいの大声で、賢さんが店員を呼びます。え、何なに?!と呆気にとられるナヲ子をよそに、「おしぼり2つ!」と威勢よく注文。

なんだこの腹から声を出す感じ。そんな大声出さなくても聞こえるよ。おしぼりだって今から持ってくるでしょうから、そう焦らんでも・・・。

ここが居酒屋だったら全く気にならなかったと思うのですが、お上品なレストランだったため、目が点になるナヲ子。でもでも、声が小さい男よりいいよね、元気良くて!と一旦軽く流すことにします。

「賢さん、今日も決まってますね!先回の赤系もお似合いでしたけど、ブルーも爽やかで素敵です」

「ありがとうございます。これもコーディネートしてもらった服なんですけど、結構気に入っているんですよ」

「なるほど。あれ、その時計!変わったデザインですね。先日は気がつきませんでしたが、すごくオシャレです!!」

「あぁ、これね。こんなのただの安物ですよ。誰でも買える安い時計だから、恥ずかしくて。本当はもっといい時計買いたいんですけど、それまでの繋ぎなんで、全然大したことないです」

ん?そう来ましたか。

安物で恥ずかしいというほどの時計でもないと思うけど?なんなら私なんて100均で買った腕時計、かなり気に入ってデートでも使ってますけど。

いい格好したがりの人なのかなぁ。デートで自分をよく見せたい、大きく見せたいのは男の常とはいえ、安物で恥ずかしい発言をする賢さんに一抹の違和感を感じてしまいました。

賢さんの職場の話

お酒が入ったこともあり、話題はより個人的な話に。賢さんのバツ1については多少気になってはいましたが、本人が話してくれるタイミングを待つことにします。

「介護のお仕事って大変そうですが、賢さんのお年寄りを大事にされてるところがいいなって思ったんですよ。天職と言える仕事が見つかってよかったですね」

「結構イラついたり面倒臭いことも多いんですけどね。でも所詮相手は老人なんで、そこは余裕というか」

所詮老人・・・?確かにどんな仕事もイラつくことや面倒なことはありますし、特に「人」相手のお仕事だとご苦労も如何ばかりかとお察しします。しかし何となく言い方がひっかかる・・・

「それよりキツイのが職場内でのイジメですよ。介護の現場って結構異動が多いんですが、今のところに配属された当初は毎日先輩に嫌がらせされて」

賢さんの話を要約すると、陰湿な嫌がらせを受けて大変だったが、そいつらに仕返しして今はもはや俺の方が立場が上。全員黙らせてやったった。イジメのターゲットは別の新人に移行して事なきを得た、とのこと。

・・・・。う〜〜〜〜む・・・・。。。

すぐに適当な言葉が思い浮かばず、「大変だったんですね・・・」の後が続かないナヲ子。気まずい雰囲気を察したのか、賢さんは「おばあちゃんにモテる話」に話題を変えましたが、何となくひっかかる。

お会計のお時間でございます

とはいえ、雰囲気を悪くしたくなかったので、諸々の引っ掛かりポイントは一旦スルー。おしゃべりも盛り上がり、あっという間にお会計のお時間です。

伝票を持って立ち上がる賢さん。美味しかったけど結構高そうなお店だったな〜、と入り口付近で身支度を整えて待つナヲ子。まだお付き合いもしていないし、こういう時こういうお店ではどうしたらよいのか・・・。

「お会計ありがとうございました。いいお店でしたね!おいくらですか?」

一応お財布を出しながら聞いてみます。

「う〜ん、そうですね・・・。俺、また会いたい女性には割り勘にすることにしてるんです。ってことで8,000円いいですか?」

はい?それ、どういうことっすか??

頭の中に「?」が踊り、「また会いたい女性とは割り勘理論」を読み解こうとしますが、全然答えが浮かんできません。

しかも付き合ってもいない男性との普通の食事に8,000円は正直高い!わたくし何を隠そう無職でございます。お店予約してくれたのはありがたいけど、割り勘ならもうちょっとお手頃なお店でお願いしたいのが本音です。

最初のウキウキ気分はどこへやら、すっかりテンションが下がってしまったナヲ子。なんだか急に損した気分になって、気づけば目も虚ろです。

「ナヲ子さん今日も楽しかったです。また来週末、お会いしましょう!」とドデカい声で去っていく賢さんにまた来週は来るのか?!長くなりましたので続きはまた次回お届けします。

本日もここまでお読みいただきありがとうございました。ほぼ日で恋愛&婚活ネタを連載しております。不定期でフォロワーさんとの交流会も予定しておりますので、よろしければフォローもお願いします。スキ&コメントもお待ちしておりますね!


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