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大阪から淡路島へ移住。 海が見えるところに戸建てを建てる話②

「自分の土地」

家を建てる土地を買うことにした。

土地の購入については、
色んなサイトで紹介されている流れと大体同じ。

土地の調査を建築士の方にしていただいて、
問題ない事を確認した後に、
不動産屋さんで申込書と手付金を支払う。

後日、ローン審査の結果を待って
無事に通れば購入に向けて手続きへ。

ウチの場合は、
つなぎ融資を使い土地代を支払うことにしていて、
融資の実行日には売主・買主・不動産屋・司法書士の
全員が集まる必要があった。

無事にローンの審査が通った後、
「融資日はいつにしましょうか?」とローン会社の方に聞かれ、
「そちらの都合の良い日を教えてください」とのことだったので、
不動産屋と連絡を取り合って(売主には不動産屋さんから連絡)、
候補日をローン会社の方に伝えると、

「その日だと書類と手続きの準備が間に合わないので・・」
という返事。

必要な日数を逆算して候補日を決めたいので、
どれぐらい準備時間が必要か聞こうとすると
はっきりとは答えてもらえず。。

(色んな都合があるのだろうか。。)
(こういうものなんだろうか。。少しモヤモヤ。。)

実行日を決めたい→書類準備に1週間必要→
→2週間先以降を候補日として今週中に決定する

最終的に必要な流れはこうだった。
これが最初に分かっていたら、
もう少しスムーズに進められたかなと思う。。

2度3度と日程の調整をしたので
審査通過から1回目の融資実行日まで
結局1ヶ月弱ぐらいかかってしまった。


・・・


融資の実行日に集まる場所は大阪。
買主の取引先銀行で融資の実行が行われる。

当日はみなさんが集まり次第、
挨拶もそこそこに手続きへ。

最終的な書類のやり取りを経て、
司法書士さんによる書類のチェックの後、
融資が実行されるまで少し待機・・(15分ぐらい)

すると、自分の口座の残高が・・・
(アプリで確認していた)

!!!(土地代が振り込まれた)

(おぉーすごいー)と心で思いつつ、
これは既に自分のお金ではないので、

「入金されました。」

と一緒に待っていたみなさんに伝え、
早々に窓口で人生最大の金額を引き出した。

売主さんは
土地の代金を現金で持ち帰りたいということだったので
そのままお渡しして、領収書等を受け取り無事完了。

当日はこんな感じ。

非常にさっぱりした流れ。

それもここまでに色々なやり取りをして
段取りしているからこそ。

土地の購入に際しては多くの書類が必要で、
確認事項も把握しきれないぐらいあるし、
色々と費用もかかる。

どの段階も初めての経験で、
わからない事ばかりだったけど、
一つ一つクリアしていく感じだった。

何はともあれ、
この日、自分の土地を手に入れた。

・・・

「家づくりが始まる」

小高い位置にあって、
海を望める場所。

そこに家を建てることを決めた。

最終的に決め手になったのは
海が見えることはもちろん、
土地の雰囲気が良かったからだと思う。

ハッキリとした根拠はないけれど、
いつ来ても明るく感じたというか。。

風通りと日当たりが良さそうで、
雨の日でさえも暗く感じなかった。

まぁ要するに「ここに住もう」と思えた。

・・・

土地に関しては前述の通り、
ローン審査と並行して同時進行していたので、
あとは家のプランをどうするか。

どんな家を想像していたかというと、

キッチンからダイニング・リビングが繋がって、
視線のその先に庭があるようなスコーンと抜ける景観。

木の素材で仕上がった落ち着いた内装に、
外観は黒とか濃い系の素材でシンプルな印象の家を想像していた。

設計をお願いしたのは大阪にある
スエロ建築研究所。

自分が独立した頃に知り合った方々で、
もともと知り合いにそういう人がいたのは良かったと思う。

・・・

プランを考えてもらうにあたり
アンケートを用意してくれたので、
それを埋める過程で自分の希望をまとめた。

家族の生活スタイルや、
一緒にご飯を食べる頻度、
休日の過ごし方、各スペースに対する希望、
夫婦それぞれが住まいで重視するポイントなど。

あとは、
・土間が欲しい。
・薪ストーブを置きたい。
・食洗機はこれを入れる。
・扉は上吊りがいい。
・プロジェクターを投影できる壁を作りたい。
・床下収納を多めに設けたい。

とにかく思いついている希望を一通り遠慮なく

それに加えて、
以前から好きな空間の画像を趣味的に集めていたので、
「自分の家なら・・」という目線で選び直して、
“こういう感じをイメージしてます”
というのを一緒に渡した。

・・・

「どんな家がいい家なのか」

そんな感じのことを考えるのが
小学生の頃から好きだったので、
夜寝る前によくやっていた。

実家の造りを想像でアレコレ変えるヤツ。

“ここに一部屋足して、
車庫の上にも一部屋足して、
ここはサンルームにして・・”

基本的に部屋を追加して
大きくなっていくのがいい事だと思っていたから、
いつも最終的には無限城のようなものが出来て満足していた。

・・・

高校はインテリア科、
専門学校は建築学科の学校と、
インテリアデザインの学校の2つに通い、
そのまま真っ直ぐにいけばその業界でやっていけたかもしれないけど、
そうはうまくいかず、二十歳そこそこでポッキリ挫折した。

建築・インテリアは自分には出来そうにないと・・
考えることが多すぎて出来ん・・と。

なので、

自分の家を建てる時には施主としての要望は伝えつつも、
考えてくれる人。・作ってくれる人の考えも尊重して
「モチは餅屋」の考えで進められたらと思っていた。

「家を建てる」

その中身には、
設計・デザイン・予算や工期・その他の色々と、
それぞれに知識と技術と経験が必要で、
妄想の中で膨らむ無限城のようにはいかない。

だから家族はもちろん、
それらの工程に関わってもらえる人、
色んな人の意見や力を合わせて作る。

そうやって出来上がる、
関わってくれたみんなにとって気持ちのいい家
きっと「いい家」なるんだろうと思う。

とまぁそんな話も挟みつつ・・・

・・・


「質素で美しい家へ」

最初に見せてもらったプランは3つ。

1つ目は一番デザイン性のあるプラン
への字の形で、庭を包むような感じ。

キマッた家になりそうではあったけど、
予算的な課題から平米数が限定されていたので、
への字の平面になることでスペースの使い方が難しくなって、
階段が螺旋だったり少し窮屈なスペースが
生まれてしまうことが残念。。
かっこいいけど、惜しくも採用には至らず。。

2つ目は正方形のプラン
一番有効に広さを使えそうなプランではあったけど、
正直に言えばオーソドックスな感じ。

リビング部分が吹き抜けていて、モデルハウスによくみる形。
きっと“そういうプラン”として見せてくれたのだろうと思うけど、
この場所じゃなくても良さそうに感じたので、これも不採用で。

3つ目は、
家を土地の真ん中に置いて、
コの字型に庭ができるプラン
(上の写真)。

土地に対してシンプルに建物が設けられていて、
キッチンから真っ直ぐ、ダイニング〜リビングと繋がる感じ。
その先にウッドデッキがくれば、イメージしていた通りの・・

どんな家を想像していたかというと、
キッチンからダイニング・リビングが繋がって、
視線のその先に庭があるようなスコーンと抜ける景観。

・・これが実現できそうだった。

コの字型になる庭も、
「ガレージ」「家庭菜園」「芝生」という感じで
欲しかったスペースを分けてつくるのにも良さそう。

というわけで。

この案を採用案として進めることにした。

家のデザインは極力シンプルに。
装飾は出来るだけ無くす感じで。

質素な室内
窓から射す光と緑がアクセントになる。
そんな感じが美しいと思っていたから。

「質素でシンプル」

その考え方は予算的な部分とも相性がよかった。

・・・


「具体的なカタチ」

家族間でも話が進むにつれ、
その時にならないと考えが至らないものもあって、
進んだと思えば少し戻るような事もあり。。

徐々に生活イメージを持ち始めると
現実的な要望が湧いてくるものなので、
その度に家族間・建築士さんと相談して決めていった。

何回かプランの修正をしてもチグハグしていることもあるし、
考える事・決める事もたくさんあるので、
口頭では伝えた&伝わったつもりでも
理解のニュアンスが違っているようなこともある。

だからもし、これからの方がいれば、
根気よく・前向きに・見直し前提の気持ちで向き合うといいと思う。

・・・

ウチの場合は
基本的には作ってもらったプランを生かしつつも、

・土間部分をもう少し広げたい
・洗面所をもう少し広くしたい
・妻用のパントリーを設けたい

等々を調整したもらった。

そうして大体のプランが固まったら
工務店さんに見積もりを依頼した。

工務店に関しては淡路島に繋がりがなかったので、
Webで検索して見つけた船越工務店にお願いする事に。
(サイトや施工例の雰囲気が古くなく、印象が良かった)

最初の見積もりでは予算オーバー。。
減額調整をしなければいけなかった。

床暖房、ガゲナウ、薪ストーブ、
フローリング、開口部の数、外壁の材料、断熱材の種類。。
色々と検討できる部分はあったけど、
アドバイスをもらいつつ相談しながら、
希望額に収まるように調整をした。

予算を減らすには、基本的に希望の仕様や設備を
「諦める」という手段になるのかなと思うけど、
建築士さんと工務店さんが出してくれる代替案の方が
予算的にもデザイン的にも都合が良かったりしたので、
この辺の話がしやすい方々であったことは
とても恵まれていたなと思う。

それら加えて、
減額に繋がればという考えから
基本的にオープンな感じでつくっておいて、
欲しいものは自分で作る
ことにした。
(自分で作れば壊れたら直すこともできるし、
いらなくなれば無くすこともできる・・だろう・・と)

そんなこんなで予算面の調整を2度3度繰り返し、
具体的なプラン・仕様へと調整していった。

・・・

「住みながら育てる家に」

“欲しいものは自分で作る”

最初は個室も無い。
棚もないし、クローゼットもない。

元はと言えば予算的な理由が大きいけど、
「普段の仕事とは違う制作活動がしたかった」
というのも少しある。

普段やっているグラフィックデザインは、
基本的に脳内と机上の作業が多くてPCに向かう時間も長い。
そのほとんどはcommand+Zでいくらでもやり直しが効くし、
経験的にはデータ上で完了する業務が多い。

ここ10年、
そういうデザイン業に努める生活を続けてきたから、
家を建てる・新しい生活を始めるこのタイミングで、
デザインとは違うモノづくりができればと考えていた。

自分が使うモノを自分でつくる
リアルなモノづくり。
 

「生活しながら自分たちの体感に合わせて必要なモノをつくる」
というのは原始的ではあるけど、
そうしていくことで我が家らしさの中に
愛着や思い出が生まれ育っていくような家になればいいなと思う。

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