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【対談】UI/UXデザインの専攻ではなかったデザイナーが語る、不安や迷いの克服のしかた

今日は、大学時代にUI/UXデザインの専攻ではなかった、新卒入社3年目のデザイナー二人と、IT企業のインハウスデザイナーを目指した経緯、専門に学んでいなかった中でポートフォリオ(作品集)や選考はどうしたのか、そして入社後のことまで語ってもらいました。

デザイナー志望の学生のみなさんの中にも、「自分は〇〇専攻ではないから・・・」といって自ら道を限定してしまう方もいらっしゃるのではないかと思います。そういった方に、是非お読みいただきたいです。

【対談参加者】
こけし : 2020年入社、新卒3年目。コンシューマー向けのサービス開発を行うプロジェクトに所属し、『NAVITIME』のUI/UXデザインなどを担当。
はんぺん : 2020年入社、新卒3年目。プロドライバー向けのカーナビアプリや、配達ドライバー向けアプリに関するデザインを担当。

聞き手 : 採用チーム(あ)

デザイナーを目指したキッカケ

ー今日はありがとうございます。まずはお二人がデザイナーを目指したキッカケについて、教えていただけますか?

はんぺん 私は、大学ではモノのデザインの他に、モノづくりにおいて必要なエンジニアリングやマネジメントの視点も学んでいました。その中で、使う人のことを考えてカタチにできるデザインの分野に興味がより強まったことから、今の道につながったと思います。

ー同じ学部/学科の中で、コースに分かれているわけではなく、三つの切り口それぞれ学べるというのは、面白いですね。研究室はどういうところに入ったんですか?

はんぺん プロダクトデザインの研究室です。「モノ」に対して、人が使いやすいようにするために、機能からカタチにしていくことをやっていました。

ーUI/UXデザインではなく、プロダクトデザインの研究室だったんですね。こけしさんは、大学時代の専攻がそもそもデザイン系ではなかったですよね?
デザイナーを目指すキッカケは何だったんですか?

こけし 私は経営学を専攻していたのですが、周りは営業職や事務職を希望する人がほとんどでした。なので、大学3年の春頃から就活のことを意識し始めたタイミングでは、漠然と「私もそっちの方向で探そうかな」とは思っていたのですが、一方で自分が働くイメージは全然湧かなかったんです。
改めて何をやりたいかを考えたときに、「手を動かしてモノを作る」ということが元々好きだったのと、デザインをするプロセスについて調べていく中で、大学で学んでいる内容と重なる部分があることを感じ、デザイナーとして働くという選択肢に行き着きました。とは言え、経験が全く無かったので、デザインの基礎についてオンラインスクールで半年間学んだり、アルバイト先のカフェのチラシを作ったり、デザイン未経験でも入れる長期インターンを探したりして、とにかく手を動かす機会を作ることから始めました。

ーやりたい、となってからの行動力がすごいですね。個人で勉強するにも限界はあるし、やり方としては非常に理に適っているように感じます。

それぞれの迷いや不安、そして就職活動の方向決め

ーデザイナーとしての就職を希望してそれぞれ就活をスタートしたのだと思いますが、どのような動き方をしていましたか?

はんぺん 大学に説明会を開催しに来てくださる企業はメーカーが多く、「そういう道もあるなぁ」と思いつつ、並行して活用していたデザイナー希望学生向けの就活サイトでは、IT企業が目にとまることもありました。

ーインターンは参加しましたか?

はんぺん インターンに参加したのはメーカーでしたね。その後就活を進めていく中で、「UI/UXデザインやサービスデザインができるところ」という軸が固まりましたが、メーカー、ITみたいな業界軸で絞ることは最後までなかったです。今思うと、結構迷いながら就活をしていたなぁと。

ーよく覚えています。最終段階に近いところまで来ても迷っていたので、一度選考を止めて考えてもらったりとかしましたよね。こけしさんはどんな就活をしましたか?未経験スタートで、不安も大きかったと思いますが。

こけし 就活を始めたばかりの頃は、勉強はしていたものの本当にデザイナーとしてやっていけるのかという不安もあったので、営業や企画など、他の職種も受けたりしていました。ただ、他も見るとやっぱりデザイナーになりたいという気持ちが強くなりました。
自社のサービスや製品のデザインをする「インハウスデザイナー」と、クライアントから依頼を受けてデザインをする「制作会社」と、どちらにするかは少し迷いましたが、最終的にはインハウスデザイナーに固まりました。大学時にユーザーの消費行動やユーザーインタビューに関しても学んだこともあって、ユーザーの反応から改善を行うことで、より良いサービスにしていくというサイクルを経験できるのは、インハウスのデザイナーなのかなと。

UI/UXデザインの作品数が多くない中での工夫

ーデザイナー希望で就職活動をされる学生のみなさんが頭を悩ませるのが、「ポートフォリオ」と呼ばれる作品集に、何を載せるか、どう見せるか、というところだと思うのですが、お二人は何か工夫していたことはありますか?

はんぺん 大学で課題制作をすることは多かったので、載せるものの数に困ることはなかったのですが、プロダクトデザインがメインだったこともあって、IT企業を受ける際にもUI/UXデザインの作品を多く載せられたわけではありませんでした。ただ、それぞれのアウトプットに至ったプロセスや考え方については、プロダクトデザインもUI/UXデザインも共通する部分があると考え、そこを重視してポートフォリオを作りました。あとは基本的なことですが、受ける企業によって作品の順番を並び替えたりすることもやりました。

こけし 私の場合は作品数が絶対的に足りないので、いかに見せるか、というところで工夫しました。例えば、インハウスのような自社でサービスを持っている会社に対しては、考え方や制作のプロセスが分かるようにしたら良いかな、とか。また独学だと個人で作成したものを載せるかたちになるので、デザインしたものへの説得力を持たせることが難しいなと感じました。
そこで、短期で参加したインターンでの課題もポートフォリオに載せることにしました。これはチームで取り組む課題だったので、どのような議論をして最終的なアウトプットにつなげたのかの過程も加えられたり、メンターの方からの指摘を受けた上でどういう改善をしたのかなど、見た目だけでなく、考え方の部分まで伝えられるのではないかなと。とにかく作品数の少なさを違うところでカバーしようと頭を使いました。

最後の決め手はエンジニアとデザイナーの距離感だった

ーそれぞれ迷いや不安もある中で就活を進めてきて、最終的にナビタイムジャパンに決められた理由は何だったんですか?

はんぺん 説明会や面接、当時採用情報が掲載されていたサイトに出ていたエンジニアとデザイナーの対談記事などから、距離が近いんだなということがわかったことですかね。大学でも、デザイン、エンジニアリング、マネジメントのそれぞれを主に学んでいる学生がチームを組んでモノづくりをする、という実習があったのですが、異なる知見や技術を持つ人がチームを組んでコミュニケーションをたくさんとりながら一緒に作り上げていくということが、とても良かったんです。ナビタイムジャパンはそれと同じ環境なんだなと思いました。

こけし 私も同じです。採用サイトにデザイナーのインタビューが載っていたり(※1)、ポートフォリオサイト(※2)があったり、体制が整っている印象を持ちました。社内にデザイナーがいても、採用情報が掲載されているサイトであまり触れられていないケースもあったりしたので、より信頼感は増した気がします。

▼ ※1 採用サイト内のデザイナーのインタビューページ ▼

▼ ※2 ポートフォリオサイト ▼

入社してみて

ー実際に入社してみて、どうでしたか?学生さんからは、UI/UXを学んでいないと、入社しても仕事についていけないのでは?のような不安の声も聞こえてきたりするのですが。

はんぺん 入社前の不安は私もありました。大学でデザインを学んではいましたが、自分のスキルでやっていけるのかなぁと。ただ、3ヶ月の入社時研修を終えた後も、OJT制度(※3)があって、1年目を終えるまで先輩社員がついてくれて、都度いろいろ教えてもらえたのが大きかったです。

※3 OJT制度 : 新卒入社1年目の社員一人に対して一人ずつ先輩社員がつき、日々の業務の中でアドバイスをしたり、スキルや知識を教えたりしていく制度。On the Job Trainingの頭文字から。

ー大学時代に学んでいたことと違うなと感じることやギャップなどはありましたか?

はんぺん 大学の課題や自主制作と違うなと思うのは、「責任がある仕事」だということですかね。実際に世の中に出て、ユーザーの方に使っていただけるということは、責任がある一方でやりがいも大きいです。大学では「考えをカタチにできた」「自分が考えたことに共感してもらえた」ことに対する嬉しさはありますが、今はそれにプラスして「責任」や「ユーザーに喜んでいただける」が加わります。私は『カーナビタイム』というユーザー数の多いサービスを担当していて、新機能を出す機会も多かったので、何とかユーザーの方に使っていただけるものにしたい、という気持ちが、仕事をしていくにしたがって強くなっていきました。

こけし 私も入社前は不安がありました。「企業の中で仕事をする」ということは長期インターンで経験できていたので、その点についての不安はありませんでしたが、一方でそこには正社員のデザイナーの方がいらっしゃらなかったので、インターン生同士で議論して判断することも多かったです。
ナビタイムジャパンに入社して「デザイナーの先輩」が初めてできたので、入社直後は、基礎がなっていないと思われたらどうしようなど、変に考えすぎてしまった部分がありました。
ただ、実際には配属直後からOJTの先輩にイチから教えてもらえ、相談もできるし、新しい知識もたくさんインプットしていけたので、大丈夫だ、やっていけそうだ、という気持ちになっていきました。

ー配属直後から、当社の個人向けサービスの中でも最も多くのユーザーを抱える『NAVITIME』のリニューアルに取り組んでいましたよね。どうでしたか?

こけし 大きなサービスなので、作らなければならない画面が本当に多かったです。そういう意味では大変だったのですが、一緒にやっていたデザイナーの先輩には、「入社してすぐにこんなに大きな仕事ができることはなかなかないし、貴重な機会だよ」と言われていたので、前向きに頑張ろうという気持ちになれました。
自分は両隣の席がデザイナーの先輩で、すぐに質問できる環境だったのと、先輩たちの会話からデザインに対する思考を常に学べる環境にあったので、とても恵まれていたなと思います。

これからデザイナーを目指す方へ

ー最後に、これからデザイナーとして社会に出ていこうとしている学生のみなさんへ、メッセージをお願いします。

はんぺん ナビタイムジャパンはデザイナーがモノづくりにイチから関われる環境だと思います。立場や役割、知識や経験が違っても、みんなで協力しながら作り上げていこう、という文化があるので、1年目だからとか、UI/UXデザインを学んでこなかったから、とか、そういう不安は感じなくていいんじゃないかなと思います。

こけし 私が就職活動を始めたときは、気持ちがゆらぐことが多くありました。「デザイナーを目指すぞ!」という気持ちで始めたはずが、自分一人で悩み始めると、いつの間にか「やっぱり向いていないかもしれない」とどんどん悪い方向に考えてしまっていたり。そんなとき、「美大やデザイン専攻以外のデザイナー希望者向け」の就活イベントに参加して、「他学部で学んできたからこそ、デザイナーとしての強みになること」に気がつくことができ、考えが変わりました。悩むことも不安なこともたくさんあると思いますが、自分で抱えず、外に目を向けてみると、視野が広がったり気持ちの共有ができたりして良いと思います。がんばってください!

ーとても良いメッセージをありがとうございました!


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