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ライフラインチャートは恥ずかしい(照)

自己分析のために行われる一つ方法としてライフラインチャートというものがあります。
これは自分のこれまでの人生を幸福度という尺度によって1本の曲線で表現するもので、横軸が時間、縦軸が幸福度の高低を表します。
自分がこれまで生きてきた人生を振り返って、我ながらよくやったと満足を感じた成功体験。反対にあれは残念だったなあと感じた失敗体験を書き出していく作業なのですがこれが妙にこっ恥ずかしい作業なのです。
ひとりでやっていてもあれこれ思い出すと恥ずかしさで居た堪れなくなるのですから、ましてそれを他人と共有しましょうとか、キャリアコンサルタントに見せて話をしましょうなどそんなことできるかっ!と思われるのももっともな話です。
なんせ自分では忘れてしまいたい経験を引っ張り出してこなければいけないのだから脂汗が出てくること必至なのです。

特にベテラン世代の男性にはキツイ作業だと思います。
おなじくベテラン世代の男性にはキャリア相談の際に、自身の悩み事を口にすることにも抵抗がある人が多いように感じます。
最初は本当に話したいことから遠いところの話題から語る人が大半なのですが、これは私のことを最初からは信用していただけていないということもあるかもしれません。
しかし社会人たるもの自分のことは自分で解決することが当たり前であり、それでこそ一人前と先輩や上司から教えられ、自分でもそうと信じてきたのだから、いまさら他人に自分の弱みなど見せられるかということだと思います。
今までそのようにして成長してきたのだからこの気持ちも理解できます。
このように男性は自己開示が苦手な人が多く、そのために自己分析に苦労することが多いのではないでしょうか。

しかし自分自身の経験を振り返ることで、何かが見えてくるとしたらどうですか。
あなたの強みや弱み、あなたの価値観が姿を表わすとしたらどうですか。
最初は何もできなかった自分が、いろいろな経験を積んで一人前になったその軌跡を振り返ってみるとそこには素晴らしい宝物が姿を表すのです。
他人のものとは違うあなたオリジナルの宝物や武器が。
「きゃっ」と思わず声をあげてしまうような恥ずかしい経験が、年月を経て今のあなたにどれほどの力を与えているかということに気がつけるとしたら。
人生最悪の出来事から再び立ち上がったその経験が最強の武器になるとしたら。
会社からキャリア自律を求められて、何からはじめればよいか判らなくてモヤモヤしている人、役職定年を迎えてこれから新たな気持ちで仕事に立ち向かおうとしている人、セカンドキャリアのために何かをはじめたいと考えている人にも自己分析は必要な作業です。

私もすごく恥ずかしかったからあなたの気持ちは理解できるつもりです。
だけどこれからの人生を充実したものにするために、あなたの宝物と武器を見つけましょう。そのために少しだけ勇気を出してみて欲しいと思います。



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