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私がファストファッションを着ない理由

日本では一番人気でありメジャーなファストファッション。
ユニクロやしまむらなど、日本人で知らない人はいないのでは、というくらい浸透し、身近な存在となっています。

そんな中、わたしはファストファッションが苦手だ。
もっと正直な言い方をするならば「嫌い」とまで言い切れてしまう。

事実、わたしはファストファッションで服を買わない。
友人や夫の付き添いでなければそもそも店内にも入ろうとしない。

なぜこれほどまでに私がファストファッションに敵対心を抱いているのか。

使い捨てのファッション

1980年代はバブル景気に後押しされ、DC(デザイナーズ&キャラクターズ)ブランドブームが広がった。
代表的なDCブランドはイッセイミヤケやコムデギャルソン、MILK、PINK HOUSEなどが挙げられ、デザイナーの個性を活かした服が多品種少量生産で作られ、若者だけでなく中年層にまで広く受け入れられました。

その後、バブル崩壊と共にブームは消滅し、
1990年代から2000年にかけてファストファッションブームが急速に拡大。
そして現在もなお、ファストファッションの人気は衰えることなく続いています。

ファストファッションは「使い捨て」を前提として大量生産されており、そのうちの約4割が売れ残り、保管するより破棄するほうがコストが低いため処分されています。

衣服 1 枚あたりの平均価格は1990 年では約6,800 円だったのが、2019 年は約3,200円にまで下がりました。

消費者にとっても安い服が当たり前になり、「1シーズンは着れる」「服は消耗品」という言葉も多く聞くようになりました。

そうなるとデザインや質が良く、価格の高い服は多くの人に受け入れられなくなってきます。
質が悪くても安くてトレンディな服なら売れるため多くのアパレル企業は同じようなデザインの服を大量生産し、また大量の売れ残りを出していく。

ファッションデザイナーは個性を活かすものではなく、売れるデザインをただひたすらに考える。
価格を下げるために素材を粗悪なものにしたり、そもそもデザインすらせず、中国や韓国から買い付けたものにタグを付け替えるだけのブランドもある。
そういったブランドが増えればデザイナーやパタンナーの居場所もなくなる。

そして安い服を作るために海外での生産が当たり前になりました。
日本国内アパレル市場を輸入品が占める割合はおよそ98%にのぼり、国産の服は希少となっています。
国内の縫製工場に依頼する企業は少なくなり、日本の優秀な職人の仕事が奪われ、減少していきます。

大量廃棄により環境汚染も深刻です。

これが本当にアパレル業界にとっていい選択なのでしょうか。
よくないとわかっていても、
売れないのが怖くてだれも改善しようとしないのです。
これでは「ファッション」ではなくただの「衣」だ。
裸では生活ができないから着ているだけ、そこに楽しみなんてない。

私はこのままアパレルが死んでいくのを黙って見ていられないのです。

服を大切に着るということ

安い服でも大切に長く着ることは可能だと思います。
しかし質が悪ければすぐに毛玉ができたり、
首回りがヨレヨレになったり、洗濯していくうちに縮んだり、
やはり限界はあるのです。
現に、衣服の平均着用回数は 7, 8 回というデータもあります。

私は買う時の理由が「安さ」である時は買わないようにしています。
値段よりもまず、心躍るデザインであること、自分が長く付き合いたいと思うお洋服であることを大切にしています。

服を作ったことがある人ならわかると思いますが
たった1着作るだけでもものすごい労力です。
食品工場みたいに機械が全自動でやってくれるわけではなく、
一人一人がミシンを使って縫っています。

安い服はそれだけ人件費も安いです。
大量生産や自社工場があることで安価で生産することも可能ですが、
劣悪な環境や低すぎる賃金で強制的に労働させているような会社も過去にありました。
月7,000円の賃金も払われない方もいます。

命のリスクと引き換えに、自分たちは買うことも、着ることもないであろう服を、製造している人々がいます。

この問題が浮き彫りになったきっかけが、バングラデシュで2013年に発生した、ラナプラザ崩壊事故。死者、行方不明者、負傷者の全てを合わせて、4000人以上の犠牲者を出した、ファッション業界史上最悪の事故です。

この事故は私たちとは無関係ではなく、一度は買ったことがあろうファストファッション界の歪みによるものでした。スタイリッシュで安く、最新のトレンドを、常に取り入れることができ、かつ安価で消費者には都合のいいファストファッションですが、その裏側で残酷で悲しい事故は起きたのです。
ラナプラザ崩壊事故|ファストファッション産業の裏側で起きた、史上最大の悲劇とは
https://myethicalchoice.com/journal/ethical/rana-plaza/

出展:U.S. Bureau of Labor Statistics『100 Years of U.S. Consumer Spending』(2006)
『Consumer Expenditures』(2020) 総務省『家計調査』 環境庁『SUSTAINABLE FASHION』
引用・参考文献

ファッションの役目

ファッションは着る人の「なりたい気持ち」を叶えてくれる魔法のようなものだと考えています。

ガーリーなミニスカートなら、若々しい気持ちに。
クラシカルなロングスカートなら、落ち着いたお嬢様のような気持ちに。
ピンク多めな日は一番かわいくなれたような気持ちになれるし、
フレンチガーリーな日はまるで外国の女の子になれたような気になります。

ファッションがあるからこそ、何者にでもなれるし、
自分をより魅力的にみせてくれるのです。

そしてそれらのファッションには必ず個性があります。
その人の考え方や嗜好がファッションとして現れ、千差万別の印象を抱きます。それがファッションの醍醐味であるとも思います。

だから私は「ファッション好き」を称しているのにファストファッションしか着ていない人、
あれだけ労働問題で話題になった某ブランドを未だにおすすめしている人、
ファストファッションブランドで○万円分買ってみた
などのYouTuberの企画を見ると嫌な気持ちになります。

個を潰した服で、人の不幸の上に成り立つ服で、
使い捨てを前提とした考えの持ち主で、
ファッション好きを名乗らないでとも思います。

「お金がないから仕方がない」という意見もあるかと思います。

もちろん、これらの現状を知ったうえで買い続けるのは個人の自由です。
上記の私の意見もただ一人の感想に過ぎません。

貧しい状況下でファストファッションに救われる人々がいることも理解しています。

私が疑問に思うのは、環境や社会的問題を顧みずに、安く手軽に流行を追いかける消費行動自体です。
ファストファッションが消滅してしまうことは望ましくないと思っています。

むしろ、持続可能なファッションを目指し、環境に配慮し、労働環境も改善されたファストファッションの発展を期待したいのです。

自分たちが着る衣服の価値を見直すことで、環境や社会的な問題を解決する一助になることができると私は信じています。

ただもし、これを読んで少しでも何か変えたい、
もう少し詳しく知りたい、と思ってくれる方がいるなら嬉しいです。

私はよくZOZOUSEDを利用しています。
古着ですが、メルカリと違って会社の人がきちんと査定してくれているので
美品と書いてるのに届いたらボロボロが来た、という心配もありません。

自分で言うのも違和感があるものですが、
日々のファッションを発信する者として
最新の服をあまり着ず、何度も同じ服を着ていることは
見てくださってる側からすると参考にならないと思います。
この人またこの服着てるな?って思うことも多いと思います。

けれどトレンディで最先端のファッションよりも
変わらないスタイルを色んな着こなしで紹介していきたいと思っています。

話が逸れてしまいましたが、ZOZOUSEDは
新作が欲しい方には向いていないかもしれませんが、
新作と違ってトレンドに関係ない分、本当に欲しいデザインが見つかりやすいです。

そしてZOZOUSEDには買取サービスもあり、
送られてくる袋に査定に出したい服を詰め込んで返送するだけでZOZOポイントや現金に替えてくれます。

ZOZOUSEDを推しましたが、フリマでもメルカリでもヤフオクでも
簡単にお洋服に別の役目を与えてあげることができます。

自分が着なくなったお洋服も、必要としてくれる誰かの元で大切にしてもらえたら、私は嬉しいなと思います。

ファストファッションブランドも、ハイブランドの服も、
どちらも変わらず、まずは大切にすることから始めてみませんか?

いつか、ファッションで自己表現する世界が当たり前になり、
互いの個性を認め合い、あなたのその服可愛いね、と
言い合えるような世の中がきたらいいな。

#SDGsへの向き合い方
#ファストファッション
#ファッション

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