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詩と

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五行歌とエッセイ。
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五行歌 (2024.2.22)

五行歌 (2024.2.22)

ホームセンターに行った。
店の入り口に水やりされたばかりの花の苗がひしめき合って、水滴がキラキラと光っていた。
華やかに咲くラナンキュラスの前で立ち止まると
(オネーチャンも咲きなはれや)
とラナンキュラスから言われた。
「アッ……アッ……」
と、某カオナシのようなリアクションになった。
(声で言われたというよりはもっとダイレクトに『伝えられた』感じ)

中学生の頃、
卒業文集のA4の自由ページに

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五行歌 (2024.2.12)

五行歌 (2024.2.12)

「サブカルジジイ」もとい、
父親の遺伝子を受け継いだか
はたまた単純に環境によるものか
わたしも本や漫画が好きなまま大人になりました。

漫画でいうと最近は、
「ザ・ファブル」の第一章を読み返し、
今は第二章の途中。クロちゃんがおもしろい。いや、クロちゃんはずっとおもしろい。
「ファブル」という組織の名は正式名ではなくて誰かが勝手に呼び始めたものが都市伝説化してそう呼ばれているものらしい。
登場人

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五行歌 (2024.1.28)

五行歌 (2024.1.28)

虹を見つけると嬉しくなる。
だけどその場で「虹だよ!!」と誰と共有することもできないのは仄々とさみしい。
それは、あの日のことを思い出すからだろう。

20代の頃、事務系の仕事をしていた。
毎日ピークタイムがあり、夕方の時間帯は殺伐としていた。フロアに怒号が響くこともあった。

求人が滅多にない「採用一名」の仕事を勝ち取った割には、パッとしなかった。
空きが出た理由もやはりパッとしなかった。
お局

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五行歌 (2024.1.25)

五行歌 (2024.1.25)

世間一般と生活時間帯が少々ズレていて、
こと冬の朝目覚めることは稀だ。
そんなわたしでも、旅先では
「お寺なの?」
というぐらいに早起きする。

いそいそと着替え、
知らない街を散歩して、
朝の静かな空氣を堪能する。
「朝」という時間に動いていることがもはや
わたしにとっては非日常である。

知らない街のパン屋さんで、パンを買う。
豆から挽いてくれるお店のホットコーヒーをテイクアウトする。
都会の

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