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五行歌 (2024.1.25)



世間一般と生活時間帯が少々ズレていて、
こと冬の朝目覚めることは稀だ。
そんなわたしでも、旅先では
「お寺なの?」
というぐらいに早起きする。

いそいそと着替え、
知らない街を散歩して、
朝の静かな空氣を堪能する。
「朝」という時間に動いていることがもはや
わたしにとっては非日常である。

知らない街のパン屋さんで、パンを買う。
豆から挽いてくれるお店のホットコーヒーをテイクアウトする。
都会の公園の、座れる場所に腰かけて
静かに、もそもそとパンを食べる。
「朝の日差しってこんなだったか」と思う。
鳩が飛んできて、その音にビクッとする。
普段妖怪のような生活をしているから、たまに旅に出るのは「人間らしさ」を取り戻すためのそれなのかもしれない。

何でもない日常に帰り、
「朝に活動しないひと」に戻った。
試しにスーパーで5枚切の安い食パンを買った。
朝に起きないわたしはパンを食べないので
いまも冷凍室にそのまま残っている。

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