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「ナチュレS」のパッケージデザイナーさんはこんな人(その①)

(第1回:川島さんとデザイナーのお仕事について)


■ パッケージデザイン、それは商品の「顔」をつくる大切なお仕事です。
「ナチュレ S」のパッケージデザインを担当した(有)アルスネットワーク代表の川島美智子さんの素顔に迫ります。

【Q】簡単な自己紹介をお願いします。

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アルスネットワーク川島です。
今年度から代表に就任しました。
弊社では「ナチュレ S」の様な食品等のパッケージだけではなく、グラフィック全般をデザインさせていただいております。
ここ数年、自分が何歳だかわからなくなっていますが、デザイナー歴は 26 年になります。
自分ではあまり自分のことがわかっておらず・・・。
お日様みたいに明るくて、やさしくてあったかい人間になりたいと思っているのですが(笑)

【Q】アルスネットワークの共同代表の林さんが川島さんのことを「素直で頑張り屋」と表現されていたのを覚えています。昔から林さんが可愛がっていらっしゃる感じが伝わってきていましたよ。

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私、基本的にバカなんです。
バカほど可愛いって言うじゃないですか(笑)。

林からは「あんたはバカなんだからどんなジャンルでも良いから年間100冊の本を読みなさい」って言われて、本に関心が持てたのも林のおかげなんです。

【Q】幼少期の川島さんはどんなお子様でしたか?

それは それは かわいかったですよ(笑)
勉強はあまり好きではなくて、身体を動かしたりするほうが得意でしたね。
小学生の時に父から「どんな教科でもいいから、通知表で1個は必ず5をもらってこい。」って言われたんですよ。「え?算数とかじゃなくて体育でもいいの?」と聞き返したら「いいよもちろん。好きな教科を一所懸命頑張ってこい」と。だから「図工」と「体育」は頑張りましたよ。図工は今の仕事につながっているかもです。
平均的じゃなくて何かひとつ得意なことを見つけて自分に自信が持てる人間になって欲しいと思っていたのだと思います。

 【Q】川島さんは明るいパワーを持っていますよね?心がけていることはありますか?

 基本的に暗い感じでいるのが嫌で、いつもお日様みたいになりたいって思っています!
そりゃ私だって逆境やつらい時はありますよ。そんな時は「未来通信」をします。
目を閉じて、未来の自分からメッセージを受け取るんです。そうすると「大丈夫だよ。あんたならやれるから!」って聞こえてくるんですよ。今の自分も過去の自分に向けて「よくやったね、頑張ったね、安心して大丈夫だから」とメッセージを送ったりしています。「過去 → 現在 → 未来」は全部つながっているわけで互いの自分を褒めてあげる、自己肯定ですね。

【Q】以前、川島さんは「美容意識高め女子」とお聞きしたことがあります。デザインと関係する部分はありますか?

以前は、いかに緩やかに歳をとるかというテーマを掲げて定期購入コースの美容液なんかをよく注文していましたが、使い切れずに結局みんなに配ったり・・・。
ただ、最近は「自信がいちばんの美容液」だと思って何もしていないんです!
外見も中身も磨いて自分に自信が持てることが大切で、そうすると明るくて前向きな良いデザインが出来るんです。良いデザインが出来るとお肌にも良い!いい循環が出来るわけですね。

【Q】ご趣味はありますか? 好きなこと、最近はまっているものは?

好きなことを仕事にしているので、休日でも仕事をしていることが多いですね(笑)
あとは料理をしている時が好きです。納得できるものができると達成感がすごくあるので、デザインと共通する部分があると思います。
「ここが最高地点だな」というところまで追及して完成したレシピは書き留めるようにしています。といってもこれは私が死んだあとでも息子や娘が「母の味」をいつでも味わえるようになんですけど(笑)

【Q】 お好きな食べ物はありますか?

ダントツ「うす衣のエビフライ」です!
小さい頃からかわっていませんね。
お酒は無限にいけます!!!
ハイボール何杯でもかかって来い!日本酒も好きですよ(笑)

家には2人の子供がいるので、飲むと家事が嫌になるので外で飲みます。今日は仕事しない!と決めた時は、昼間から飲みに行きます。もちろん平日じゃありませんよ!(笑)
最近はコロナの影響で飲みに行けていませんね・・・。

【Q】リフレッシュ・充電方法はありますか?

目的地を決めて遠くまで散歩をしたりします。
この前は「柴又帝釈天」まで行きましたが、13km あったんですよ。余裕だと思って出発しましたが、最終的に泣きそうになりました(笑)。でも次の日がほんっと爽快に起きることができるから、散歩はおすすめです!

【Q】変なコト、聞きます。犬派ですか?猫派ですか?

ダントツ猫派です!口の中で飼えるくらい猫がスゴイ好きです!
家を建てたら「ベンガル」を飼うって決めています。
猫の性格が好きなんですよね。可愛がろうとするとどこかへ行ってしまう。自分が甘えたい時だけ寄ってくる、そんな媚びない気まぐれ感が好き
異性の好みもそうかもです💛 好きな事を好きにやっている人が好きですね~

【Q】これからの「夢」みたいなものってありますか?

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夢ですか、夢はたくさんありますよ!
おばあちゃんになったら「シニアオリンピック」に出たいです!いや、間違いなく出ると思います!ハードルとか100m走とか陸上で。同年代のおばあちゃんたちに勝ちたい!勝ちたいんです!

あと、カウンターだけの「ふろふき大根」のお店を開いて女将をやりたいかな。素敵なアイデアだから、あまり言うと誰かにマネされてしまうので心配・・・。これを読んでいるそこの方、先にお店出さないでくださいね!

もうひとつ、絵本作家になりたいなぁっと。実はアルスネットワークの採用面接で卒業制作で描いた絵本を持って行ったんです。「あんたはあの絵本があったから会社に入れたんだ」っていまだに共同代表の林がそのこと
を言います(笑)

いつも「これはできないだろうな」とか「やっても無理だろうな」とか思わないようにしています。やろうと思えばなんだってできる。大好きな作家さんの時代小説の中で秀吉が言ってたんですよ。「ほとんどの人が最初から諦めているだけだ。人は望んだようにしか生きられぬ。望んだように生きていく。望んだことに周到に取り組めば、必ず実現できる」と。
その通りだなと思います。

【Q】「ナチュレS」等の浅田飴製品以外にデザインされたご実績はどの様なものがありますか?

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ありがたいことに、カルビーさんやソシオ工房さん等からお仕事をご依頼いただいております。カルビーさんでは、主にアンテナショップのお土産品だったり、カルビーポテトさんではスーパーのじゃがいも製品や北海道限定のお土産だったり、ソシオ工房さんはフラ印製品をデザインさせていただいております。
どのクライアントさんも、ご担当者がすごく素敵なかたばかりで、ひとつひとつの商品に愛を持ってらっしゃるので、少しでもお手伝いできたらという気持ちですね、いつも。
そして何より楽しいです!

【Q】川島さんの「発想の源」の様なものはありますか?日常生活でインスピレーションを感じること等ありますか?

どこに行っても、身のまわりのモノを観察してしまいます(笑)。
それは洋服だったり、人だったり、会話だったり、もちろんお菓子も日用品も、ジャンルは問わずに観察しています。

【Q】川島さんのデザイン案には「遊び心」を感じることが多い気がします。遊び心は意識されていますか?

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そこは意識しています。食品を買う時って暗い気持ちではなく、基本的に明るく前向きな気持ちになっていることが多いと思うんです。たとえば「ナチュレS」を買う主婦は「家族の健康」を気にかけていたり、旅先限定のポテトを買う時は「ワクワク」を想像したり。
店頭で商品を選ぶ人たちに向けて、発信する側から心に響くメッセージが届けられるよう、明るく表現することを心がけています。

宛名

★川島さんからの送り状はこんな調子 ↑

依頼主欄にいつも書いてある顔がかわいい
(何とも川島さんらしい遊び心で担当者は癒される)

【Q】まじめな話いきます!
川島さんが考える「プロのパッケージデザイナー」
の条件」とは?

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「商品自体の価値を形にしてあげる」それがパッケージデザイナーだと思います。
(アシスタントを10年くらいして、デザイナーを名乗れるようになったのが、ここ15年くらいで、デザイナーとしてはまだまだヒヨコかもしれません。)
パッケージというのは「包む」という意味ですが、ただ包むだけじゃなく、その商品の価値を見えるカタチにして消費者にお届けするのがパッケージデザイナーのお仕事だと思っています。
八百屋さんや和菓子屋さんのような対面販売のお店は品物の長所等をお客さんに直接伝えてくれますよね。ところがスーパーでは売場に商品説明してくれる人がいない。
だから、商品自体がクライアントと消費者の間に立ってアピールできる営業部長さんにならないといけないんです。「自分、こういうものですが、お手に取っていただけませんでしょうか。きっとご満足いただけます!」と、商品が魅力や価値を、自ら消費者にアピールする必要があるってことです。売場でたくさんの競合品がある中で、それもほんの数秒の間に!
その商品に一番似合うお洋服を着させて立派な営業部長さんになってもらうイメージですね。
クライアント(メーカー)さんが努力と研究を重ねて手塩にかけて企画した製品の価値や、たくさんの思いを、消費者に最大限に伝えられるパッケージを作る、それがプロのパッケージデザイナーだと思います。

【Q】 パッケージデザインをされる上で、心がけていることはありますか?

クライアント(メーカー)さんは努力と研究を重ねて、ひとつの商品を発売させます。手塩にかけたその製品の価値や、たくさんの思いをどう消費者にアピールできるか、クライアントの想いを形にする、それが PKG デザイナーです。
クライアントが目指すターゲットが女子高生と聞けば、自分も女子高生になりきって妄想したり、女子高生の意見を聞いてみたりします。
デザインをしていくうちに「この商品はこうあるべき」って勝手に決め込んで、まるで自分の作品を作るかのような〝自分よがり″のデザイナーにはなってはいけないなと。それがしたいなら「作家さん」になれば良いって思います。私は商業デザイナーですからクライアントの目指す方向、情熱や思いを形にしていくことを心がけるようにしています。

補正写真

↑ 川島さんデザインの浅田飴製品の一例

【Q】キャリアや年齢を重ねると共にデザインへのアプローチ方法に変化はありましたか?

アシスタント時代は、デザインしなきゃ!と、ただがむしゃらに、着地点もモヤがかかった漠然とした世界の中でもがいていた気がします。それはデザインの引き出しがほぼ空だったからだったんだなぁと。
今でも日々精進していますが、最近はクライアントさんと消費者の両方の思いに寄り添って、その思いをカタチにすることを意識するようになりました。

【Q】今後チャレンジしたいデザインはありますか?
    未経験のカテゴリー等、あれば教えて下さい。

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お付き合いのあるクライアントさんは大切にしつつも「日本酒ラベル」のデザインしてみたいです!飲めるし! グァッハッハハ!


(担当者)この記事を読んでいたたいた酒造メーカーの皆さん、仕事きっちり、迅速丁寧な川島さんはおすすめです!



第1回はここまで。

第2回は、以下リンクからぜひご覧ください♪


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