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放浪のインド ‥サマディ編‥

 その昔、サティア・サイババという人がいた。インド人だ。手から時計やらネックレスを出したり、世界中の自分の写真から聖灰を出したりで超人気だった。この国でも何度もテレビの特番が組まれたくらいだ。

 私の知り合いにどっぷりハマっている人がいた。何度もインドに詣でるうちに、直接サイババからの言葉が届くようになったらしい。私もサイババからのアドバイスとしていくつかの言葉を頂戴した。

 何度目かのインド詣の後、彼女は調子を崩した。家庭内暴力である。激しい言葉で両親を罵り家財を破壊した。そして、病院に隔離されてしまった。メッセージがやってくると、その正義を実現せざるを得ないらしい。

 彼女の友人から連絡があり私はその事実を知った。なんだか、とてもやるせない気分になった。そして、日が経つにつれ、それは憤りに変わっていった。

 どうして、そのようなおかしなことが起こるのだろう‥。私は、サティア・サイババなる人がどういう人物か直接この目で見て確かめてみようと思った。そして、仕事を1ヶ月休みインドに行くことにした。サイババの本拠地プッタパルティに寄る以外、行くあてはない。気ままな放浪だ。

 私は、ヨガ(瞑想)をしてきてサマディ(三昧)を経験していた。しかし、世にある書物には修行者はある段階に達すると聖師と出会い修行の成果を認めてもらうような記述が多く書かれている。自分はまったくの独学で到達したので、そんな師弟関係に憧れていた。インドをうろつく間に、聖なる出会いがあっても良いような気がしていた。

 1998/08/31深夜、私はチェンナイ空港に降り立った。

 細かなエピソードは後回しにして、まずはプッタパルティでの核心部分を記したい。

 果たして、サイババの正体は確かめられたのか?
 聖師とは出会えたのか?

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