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ファインアートウェディングとは

こんにちは、沖縄と福岡の2拠点で活動しているフォトグラファー/ビデオグラファーのGOJOです。ウェディングフォトグラファーとしては15年の実績があります。

欧米のウェディング撮影でひとつのジャンルとして確立された「ファインアートウェディング (Fine Art Wedding)」

日本のウェディング業界はアメリカの流行がひとまわり遅れて入ってくるというイメージがあるのですが、ファインアートウェディングはなぜか日本では流行らず、日本語で検索しても情報がほとんど出てきません。

写真家の濱田英明さんがtwitterで何度か触れていたくらいでした。

定義はあるのかもしれませんが、かなりざっくり言うと、

フィルム撮影(主に中盤フィルム)、淡い色味、やわらかい光、逆光、開放絞り、ベーシックなポージング、ナチュラルな表情、クラシカルなドレス、アンティーク小物、やたら馬と撮る、筆記体好き、Fuji400やPortra系のフィルムetc...

日本でも「エモい写真」という謎の言葉が出回ってますが、ファインアートウェディングの仕上がりは感覚的に言えばまさにエモ、エモーショナルな撮影スタイルと言っていいのかもしれません。

(日本でいうエモい写真はノスタルジアってことなんでしょうか?よくわかりません・・)

そんなファインアートウェディングについて考察してみたいと思います。

1、Jose Villa

Jose Villaはファインアートウェディングの代名詞的存在で、彼の撮影スタイルから全てが始まったと言われています。

※さっそく馬の登場

Contax645でのウェディング撮影を欧米で流行らせたのはJoseVillaではないでしょうか。彼を知ったのは10年前くらい。撮影シーンを何かの動画で見かけて、めちゃくちゃ憧れたのを覚えてます。

夕方~マジックアワーの時間帯、大自然をバックにした撮影が特に味わい深く印象的です。ロケはほとんどが80mmレンズf2開放絞り(本人談)、フォーカスもかなりソフトです。

ドレスやフラワー、欧米人のさりげないポージングも含めてナチュラルな仕上がりになってます。

※日本でもブライズメイドは近年よく見かけますが、ただ衣装揃えてそこにいるだけの"形だけパターン"が多い気が・・。

個人的にはペーパーアイテムやテーブルセッティング、小物の撮り方がすごく可愛くて、よく参考にしていました。

彼の書籍は擦り切れるまで読んだバイブルです。使用機材からシーン別の撮影方法、ウェディングフォトグラファーの考え方やビジネス面についても触れられています。Kindle版はなんと950円。

中身はこんな感じ。

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2、Elizabeth Messina

Jose Villaが自身のウェディング撮影を依頼したのがElizabeth Messina。

※Jose自身のウェディング。なんというロケーション。美しすぎてため息が出ます。

ElizabethはJose Villaの撮影スタイルを継承しつつ、よりミニマルで洗練された印象があります。特に女性のポージング(手の位置や角度、表情など)の細かいところを昔からよく参考にしていました。

※ファインアートウェディングでよく見るやつ

彼女も書籍を出版していて、こちらも撮影方法やテクニックが詳細に書かれていて勉強になります。何より写真が素晴らしい。Kindle版¥1788。

中身はこんな感じ。

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更にこちらはヘッドアクセサリーのハンドメイド本ですが、Elizabethが全て撮影を担当しています。

中身はこんな感じ。アクセサリーをハンドメイドする方におススメです。

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※写真目当てで買いました。ハンドメイドはしません。

3、Wedding Sparrow

Wedding Sparrowはファインアートウェディングに関するウェブサイト。テーブルセッティング、フラワー、ペーパーアイテム、ケーキなど幅広く扱われていて、ファインアートウェディングがもうフォトグラファーだけの話ではなく、ウェディングプロデュースを含めた総合的なジャンルとして確立しているのがわかります。

※ゼクシィでよく見る感じ。

Wedding SparrowではJose Villaに続くファインアートウェディングフォトグラファーも多く取り扱いされていて目が離せません。

Wedding Sparrow

4、日本では・・?

ここまで欧米で盛り上がったファインアートウェディングですが、写真に関して言えば日本ではあまり流行りませんでした。

欧米と日本ではロケーションやギャラ(!)の圧倒的な差はあるにしろ、そもそも日本の婚礼文化とファインアートウェディングが相容れないのかもしれません

またARCH DAYSあたりを見ると、日本ではフィルム調写真は人気ですが、テイストは少し異なるのかな・・とも思います。

といいつつ、、
日本でも軽井沢で活動する山辺優さんというフォトグラファー、意識してるかは分かりませんが、彼の写真はまさにファインアートウェディングな仕上がり。軽井沢の大自然と柔らかい光が相まって、めちゃくちゃ素敵なんです。ここでは写真を貼りませんが、気になる方はinstagramチェックしてみてください。※面識はありません。

山辺優さんinstagram

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