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日本お米ばなし vol.1 歴史編「稲作はいつどこで始まった?」

Natural Farmingは、お米の専門家である「五ツ星お米マイスター」のいるお店です。
お米が大好きな私たちがお届けする【 日本お米ばなし】ぜひご覧ください。

日本お米ばなし vol.1 歴史編「稲作はいつどこで始まった?」

私たち日本人が日本の文化として誇りにしている稲作・米食について、日本人のどれくらいがその歴史を知っているでしょうか?

今回は、稲作がいつどこで始まったのかについての「お米ばなし」をご紹介します。


はじめに

稲作が中国から日本へ伝わったというのは皆さんご存知だと思います。
では、お米の栽培は、一体いつどこで始まったのでしょうか?

実は近年になって、稲作の起源について明らかになってきたこともあります。

これまでの説と研究

少し前までは、日本の植物学者である渡部忠世氏の学説「インド・アッサム地方-中国・雲南省が稲の起源」と考えるものが定説とされてきました。

しかし、「考古学的な証拠がない」という理由で異論も唱えられていました。

1973年浙江省で発掘された「河姆渡(かぼと)文化遺跡」からは、約7,000年前の炭化米や、稲作に使われたと思われる道具が出土しています。

さらに、2005年に中国の長江(揚子江)下流の新石器時代の上山遺跡(浙江省浦江)から、約1万年前の世界最古の栽培稲のもみ殻が見つかります。この発見について、専門家たちは「長江下流が稲作の発祥地の一つであることを裏付けた」との見方を示し、研究が進められてきました。


調査や研究の成果

このような調査や研究の結果、

・長江の中・下流域に今から7000~8000年前の稲作遺跡があること
・これらの遺跡から見つかったは稲の中には、栽培イネとともに野生イネがあること
・さらに栽培イネと野生イネの中間的な種も発見されていること

などから、
「長江下流域が世界の稲作の起源」であることがほぼ間違いではないだろうと言われるようになりました。


まとめ

日本お米ばなし vol.1 歴史編「稲作はいつどこで始まった?」
こたえ:中国の長江下流地域で7000~8000年前にはじまった。


おわりに
研究者の方々の功績によって、新たな事実がわかってくるのはとてもロマンがあって面白いと思います。次回もお楽しみに!


参考文献:
稲と米の民族誌 アジアの稲作景観を歩く佐藤洋一郎/著 NHK出版 2016.11
稲の日本史 佐藤洋一郎/著 角川書店 2002.6

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