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ASDの息子#02 使命を持ってやって来た(出産エピソード)

妊娠27週目で切迫早産を経験した次男妊娠期。不安を抱えながらも意識を別の所に集中させる生活を心掛け、39週目まで妊婦生活を続けることができました。今回は後に自閉スペクトラム症と診断される次男出産の様子、そしてこの経験で私が感じた事を時系列に沿ってお話しします。

出産2日前(金曜日)

出産前の最後の定期検診がありました。子宮口が既に4~5cmほど開いていることから、主治医が二つのオプションを提示。①このまま帰宅して、陣痛が自然に来るのを待つ。ただし、すぐに分娩の可能性があるので数回陣痛が来たらすぐに病院に来ること。②週末(翌日、翌々日)に陣痛促進剤を打って出産する。

悩みましたが、週末だと主人が確実にサポートできる体制でいられるので、週末に出産することにしました。

という訳で、病院のベッドが空いている翌々日の日曜日に出産することになりました。

出産1日前(土曜日)

実は前日の就寝時、お腹に痛みを感じていました。最初はすぐに引く痛みだろうと思っていましたが、痛くなっては止み、痛くなっては止み、の繰り返しで、明らかに陣痛でした。「ついに出産だ!?」と思い、主人を起こし「今晩出産になるかもしれない」と伝えました。ただ、一日の終わりで疲れていた私。赤ちゃんに「ママ、今ベッドに入ったばかりで休みたいからもう少し待ってくれる?」とお願いして横になっていたら、そのまま寝入って翌朝になっていました。

不思議なもので、お腹の赤ちゃんはママの状況を理解して出て来るタイミングを考えてくれていると私は思うのです。というのも、長男を出産した時も出産前にして置きたかった最後のタスクが終わった直後に”待ってました!”とばかりにタイミング良く破水し、そのまま出産となったからです。

今回も、洗濯・掃除・料理・読み終えたい本など、まだして置きたいことが残ってるので、きっと待ってくれると期待していました。

そして、午後。

して置きたかったことの殆どを終わらせることができました。後は、しっかり睡眠を取って翌日の出産に備えるだけです。

よく「出産の痛みはしばらくすると忘れ、次の出産に臨める」と聞きますが、私は長男の時に味わったあの衝撃的な痛みが忘れられずにいました。アメリカでは無痛分娩を選択する人が多く、知り合いも高い確率で無痛分娩を選択していました。しかし、私はどうしても自然に産みたいと思っていたので、今回は姉と友人に教わった痛みを乗り越えるイメージトレーニングで乗り切ろうと心の準備をしていました。

出産当日

08:20 病院到着
11:15 主治医が破水させ、陣痛が来るのを待ちました。
11:45 痛みなしの陣痛スタート。
14:20 痛みを伴う陣痛が始まらないので、促進剤が投与されました。
14:55 未だ痛みを伴う陣痛が来ないので、促進剤の量を増やされました。
15:10 やっと痛みが出て来ました。
16:00 痛みがやって来る度にイメトレで乗り切ります。

17:00 本格的な痛み開始
1−2分置きの陣痛でかなりの痛みを感じ、同時に赤ちゃんが降りてくる感覚もやって来ました。
看護師が赤ちゃん取り上げの準備開始。
別の患者ケア中の主治医に、分娩室に戻るよう連絡が行きました。
 
17:30 主治医到着
触診により子宮口が全開だと告げられました。
しかし、まだ赤ちゃんを取り上げる準備が整ってないので「短い息継ぎで、いきむのを待ってくれ」と言われます。(いきまずにはいられない状態なのに、できない状況が苦し過ぎました)
そして、2度くらい陣痛を通り越し、4度目の陣痛で「プッシュ!」と言われ。。。。

18:06  ”タラ〜〜赤ちゃん誕生!!!” 
あら?もう出て来た!」という感覚でした。

主治医と看護師から「痛みに対して自分を冷静にコントロール出来ていて素晴らしかった!」と褒められ、教えてもらったイメトレが役に立ったようです。

そして、たった今お腹から出てきたとは思えないくらいキレイな可愛い赤ちゃんが胸元に置かれました。長男に似ているけど、また別の愛らしさを持った次男。結局、予定日の6日前までお腹の中で頑張って成長してくれ、3290グラムの元気な赤ちゃんとして誕生しました。

次男がやって来た意味

過去に流産を経験したことがある私。3ヶ月間お腹にいた赤ちゃんの死は精神的に辛く、強い喪失感に苦しんでいました。その時、胎内記憶を研究されている医学博士・産科医の池川明先生の著書を読み「赤ちゃんの命」が意味するものを深く考えさせられました。

池川先生は著書や講演などで「赤ちゃんは何らかのメッセージ・使命を持ってやって来る」と言います。

私は「生まれる前の記憶」を調べるうちに、赤ちゃんがこの世にやって来るにはふたつの理由ある、と考えるようになりました。
ひとつは、人の役に立つため。特に最初は、お母さんの役に立つため。
ふたつ目は、自分の人生のミッション(使命)を果たすため。

池川明、『ママ、さよなら。ありがとう』、二見書房、2008、p.18、(ISBN978-4-576-08132-8)

そして、メッセージの受け取り方は私たち次第だと言います。

赤ちゃんからのメッセージはそれぞれ違い、お母さん自身が感じとるものです。他人にあれこれ言われるものではなく、自分の心にストンとおさまるものが、本当のメッセージではないでしょうか。

池川明、『ママ、さよなら。ありがとう』、二見書房、2008、p.32、(ISBN978-4-576-08132-8)

私と主人は、これまで発達障害や大病とは無縁の人生を送って来ました。しかし、次男が誕生してから健康は当たり前ではないということに気付かされました。

現在、4歳半の次男。食物アレルギー・自閉スペクトラム症・ミトコンドリア機能不全を患っています。次男はきっと、自らの身をもって私たちに健康の大切さを伝えてくれているのではないかと感じています。
少なくとも、私には今はその解釈が腑に落ちるのです。

それぞれの命に、それぞれの意味がある。
ぜひ、赤ちゃんがやって来た理由を感じ取って見て下さい。きっと親子の絆も更に強固になるはずです。

私は、この尊い命を育めるチャンスに感謝し、我が子が与えてくれた私の人生のミッションを全う出来たらと感じています。

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