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本格的に歌うつもりなら、歌う前にストレッチなどアップは必須だ

歌う前のアップ…一般的な状況

歌う前にストレッチとかしてる人って圧倒的に少ないようです。やっていたとしても、何となく肩や首を回すくらいの動作の人が多いみたいで。

まず、どこをどのように伸ばしたら、声にどんな利点があるのかがわかりにくい。やった時とやらなかった時の違いを感じることも少ないし、本当のところストレッチの必要性なんて体ではあまり感じていないから、やった方がいいんだろうなと頭でわかっていても体レベルでわからないから、つい面倒になったり、忘れてしまったりと。

巷のボーカルスクールなどでも、しっかりやるように指導している先生ってほとんどいないようで、一応レッスンの段取りをさらうように、とりあえずお約束で伸びをしたり腕を回したりしたら、さあ歌いましょうみたいなのが一般的。講師自信が有効性や必要性の実感を持っていないから当然そうなる。

スポーツの世界では

練習開始で、まずゆっくりと体を動かしたり、特にその種目にとって要になる部位なんかは、しっかりとていねいにコンディションを見ながらストレッチするのは常識

グラウンドに着いたとたんに100mダッシュで記録を狙うとか、いきなりシュート練習とか、体育館入ったとたんに鉄棒にぶら下がって大車輪とか、、なんてあり得ないでしょう。
選手としてももちろんですが、人として危険を感じます。

使う筋肉がスムーズに動くかどうかを感じながら、ゆっくりと伸ばして調子を見ながら徐々にしっかりと。ストレッチの後、基本動作などのアップから、その競技そのものの動きをゆっくりと行って、徐々に本気に。そしてやっと競技形式の本気練習。
みたいな流れって毎日練習しているプロレベルの人なら当たり前

しかも、素人にはわからない感覚のストレッチ。「へー、そこってそんなふうに伸ばせるんですね」みたいな、プロ選手には当たり前でも一般人には、やった事のない感覚だったり。「まあ競技中にも、そのくらい使うので、やっておかないと」みたいなことって競技によっても色々ある。

解剖学や身体学を勉強していると、いかに些細な動きでも動かし方が悪いと、一瞬で左右の筋肉のバランスが崩れて怪我につながる恐れがある事が良くわかるので、無茶をするのは本当に怖い。
みんな一度は故障してしまい、やっとそれを教訓にして、体を大切に扱うようになるのだと思う。

シンガーの世界ではどうか

スポーツの世界に対してシンガーの世界ではどうか。
アップしないで歌っても大怪我する事はまずない。
また、プロレベルの歌唱をしたことのない人が、いきなりプロレベルのパフォーマンスをする事もできないわけだから、アップなしで歌ってもそれほど危険にはならない。

だから歌う前にアップやストレッチをする人は少ないのは当たり前かもしれない。

しかし、メジャーシンガーになるほど、その辺りは実は気にかけている
自分は全く気にしていない、と言っているシンガーもいたが、やはり見えないところで走り込んでいたり色々やっている。

やる理由の一つは、多忙なスケジュールの中で毎日歌わなくてはいけないので、喉の疲労などもあり、かなり故障しやすくなる。
そして、多くのファンやスタッフに支えられて仕事をしているので、自分に何かあると多くの人に多大な迷惑をかけてしまう、という責任感も出てきて、当然プロ意識もしっかりしてくるので、自分の体調にも気を配るのは当然になる。

(スポーツ選手同様に、大抵一度は喉の故障でライブを中止にしたり、みんなに迷惑をかけてしまい、自分の軽率な行動を反省しながら、そのようなプロ意識が強くなっていくんだと思います。)

それと、もっと大きいのは、ダイナミックな歌唱をしていると(シンガーのタイプにもよりますが)しっかり歌える人ほど、喉やその周辺の筋肉の動きが悪い日は、自分がイメージするように歌えないと感じる率も大きくなる。しかし無理に思うように歌い切ろうりきめば、本当に故障しかねない。

なので、ハイレベルになるほど、身体や喉のコンディショニングが必要になる。
当然喉周辺だけではなくメンタルや自律神経の状態なども声のパフォーマンスに影響する事を(漠然と感じている人も多いと思うが)、実感しているので、ライブやTV収録の日は、早い時間から体を起こして自分なりのアップをしてから歌っていくが通常になる。

ストレッチはウォーミングアップの一つであり、他にもアップの方法はたくさんある。軽く走ったり筋トレしたり、まずハミングから歌うとか、呼吸練習をしっかりやってからとか。20分ヨガのポーズをやってから、などなど時間さえあれば色々やり方はある。しかし時間がない時は難しい。

ほんの数分のストレッチで効率良い喉の準備が簡単にできる事は、あまり知られていない。

ストレッチ図切り取り04

プロレベルの歌唱が必要なら

もし歌でプロレベルのしっかりとしたパフォーマンスができるようになりたいのなら、発声器官やその周辺の器官がプロと同じくらいに、しっかりとスムーズに動くようにしてから毎回の練習をしていかないと、プロレベルに近づく練習にはできない。
自分もプロに近い動気ができる(声を出せる)感覚に気がつけなければ、同じように歌える日は近づいてはこない。

逆に、近い感覚がつかめれば、あとは練習の回数をこなしていけば、少しずつでも確実に近づいてくるだろう。

でも先週はアップしなくても歌えのに、なんで今日は歌えないの…

先週はアップしたつもりがないだけで
今日より体調が良かった
歩いた距離が長かった
歌うまでに笑顔が多かったしたくさん笑った
友達とテンション高く話して気持ちが上がってた
電車の乗り換えで時間なくって走ったりして肺で大きく呼吸した

のような、無意識の違いがあったがと考えられる。

それに対して今日は、
上記のような事が少なかった
疲れが溜まっていた
気分が上がらず、口や呼吸の動きが小さかった

などというような事も考えられます。

そのままではあなたの歌はまるで運まかせ練習が全く実になっていない日もあるかもしれません。
また、調子が良かったとしても、動かしたことも無い動きが、歌えばヒラメクように出てきて使う事ができる、なんて可能性はほとんど無いでしょう。

それでは、今のレベルからは変われない。
プロレベルの歌唱にはいつまでたっても届かないし、近づくためにはどのような感覚が必要なのかすら見えてきません

歌う前のアップを習慣付けよう!

早くコツをつかんで、自分の歌唱レベルを上げたいなら、プロが当たり前に使っている喉やその周辺の動きを使える状態にしてから、実際に発声練習や歌唱練習に入っていく。
それでつかめる感覚は全然違ってくるのです。

うちのスタジオでも、受講生にきちんとしたストレッチやアップを毎回させる事で、本人が思っていた以上にダイナミックに歌える事を自覚できたり、「出ないと思っていた音域が出た」「響きが変わるのを実感できた」「こんな声、初めて出ました!」という声は全く珍しくはありません。

何しろ無料なわけだし、数分あればできる事なので、だまされたと思ってストレッチやアップをちゃんとやってから練習する習慣をつけてみてください!!

ストレッチの仕方は上記写真のような動きをします。詳しくはこれからyoutubeや、改めてnoteにも書かせていただこうと思います。
ナチュラルボイストレーニング」という本にもストレッチのバリエーションやウォーミッミングアップに関して詳しく書いています。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回も是非よろしくお願いします!

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