見出し画像

HSPのための健康維持に効果的な栄養素③動脈硬化予防

前回の記事


活性酸素と動脈硬化

人の体内では活性酸素が生成されています。
活性酸素とは、身体に取り込んだ酸素の一部が他の物質と結びつき、高い酸化力を持つ物質に変化することを言います。この活性酸素が正常な細胞に結びつくと過酸化脂質を発生させるため、細胞の老化を早めるだけでなく、がん細胞の増加や動脈硬化を引き起こすなどさまざまな病気の原因になることが知られています。

私たちの体には、活性酸素から身を守るため、抗酸化酵素などによる防御システムが備わっています。しかし、年齢とともに防御システムが弱まり、活性酸素の抑制が効かなくなって酸化の進行が進んでいき老化や病気などを引き起していきます。
酸化によって引き起こされる症状の一つが「動脈硬化」です。
うつ病やHSPのようにストレスで悩みを抱えやすい人は、ストレスホルモンの分泌や食事の不摂生で抗酸化力が低下し、ストレスによるカテコラミンの増加により血管にダメージを与え動脈硬化の原因にも結び付きやすいので注意が必要といえます。


動脈硬化のメカニズム

画像2



動脈硬化の発症には一つに、
 ・悪玉(LDL)コレステロール
 ・善玉(HDL)コレステロール
の働きが関わっています。
LDLは肝臓で生成されたコレステロールを血液中で運搬し、体内のどこかでコレステロールを配置します。
反対にHDLは配置されたコレステロールを引き抜き回収し、肝臓へもってかえる働きがあります。
悪玉、善玉コレステロールの配置、回収のバランスが整っている場合は問題ありませんが、糖質や脂質を摂りすぎた食事をしていくとバランスが崩れていきます。
血液中のLDLが多すぎる場合、HDLが少なすぎる場合、中性脂肪が多すぎる状態になると、血液内に脂質や糖質が増え「脂質異常症」と診断されます。
放置すると血液中の脂質は増え続け、いわゆるドロドロ血液の状態に。
やがては動脈硬化を引き起こしてしまいます。


動脈の血管の内側表面は、内皮細胞という細胞におおわれています。
内皮細胞は血液が固まるのを防いだり、血管を拡げるなど、動脈硬化を防ぐさまざまな働きを持っています。しかし、高血圧や糖尿病などによって血管に負担がかかると、血管の内皮細胞が傷ついていき、次のような過程で動脈硬化がすすんでいきます。

画像1



①血液中には、赤血球以外にも、LDL,HDL,血小板、白血球の一種である単球などが流れています。LDLや単球などが傷ついた内皮細胞を通過して血管壁に入り、血管壁に入ったLDLは、活性酸素により強い酸化ストレスを受け酸化LDLになります。
LDL自体は本来悪者でありませんが、酸化LDLとなることで本当の悪玉になっていきます。

②単球も内皮細胞を通過すると、マクロファージに変化します。
マクロファージは酸化LDLを駆除するため自身の中に取り組んでくれますが、処理していく数が多いとだんだんと巨大化していき、やがてLDLに含まれていたコレステロールの脂肪が集まったお粥状の泡沫細胞になって蓄積されていき、血管内部にプラークと呼ぶコブができます。

③プラークが破れると、そこに血小板が集まって「血栓」ができて血流が完全に途絶え、心筋梗塞や脳梗塞が起こります。また、血栓が血流にのって脳などに運ばれ、細い動脈を塞ぐことで脳梗塞などを起こすこともあります。

④HDLはプラークからコレステロールを抜きとることで、動脈硬化を解消する方向に働いてくれます。

動脈硬化を予防するには

1.ドロドロ血液を防ぐ
動脈硬化は、「血液がドロドロ」の状態であると起こりやすいといわれています。
「血液ドロドロ」とはいっても、血管の中を本当にドロドロとした血が流れているというわけではありません。血液ドロドロとは、血液中に脂肪、糖分が多く含まれ赤血球や白血球、血小板の量や質に異常が起こり、血液が流れにくくなっている状態のことをいいます。
例えば、赤血球は本来柔軟に形を変化して細い血管も通り抜けることができるのですが、脂肪などによってコーティングされると硬化して柔軟にサイズや形を変えることができなくなって狭い血管を通れなくなります。
凝固して傷を防ぐ血小板も、必要以上に凝固し血栓をつくってしまうようになり、動脈硬化を進行させる要因になります。
また、ウィルスを攻撃する白血球は、自分自身の粘着力でくっついて攻撃しますが、喫煙やストレスで血管や白血球同士でくっつきやすくなるため、血管を狭くして血流を悪くしてしまう要因になってしまいます。
血液がドロドロにならないようにするためにも食べ過ぎ、飲みすぎを控え、糖分やコレステロールの多い動物性脂肪分を控える食事や、禁煙、運動など行うことが大切になってきます。

2.抗酸化作用のある食品摂取を積極的に摂る
悪玉コレステロール(LDL)は本来悪玉ではありませんが、酸化することで本当の悪玉になり動脈硬化を引き起していきます。
LDLを低下するだけでも、約30%動脈硬化が防げると言われていますが、LDLを酸化させないことも動脈硬化の予防に繋がります。
動脈硬化を防ぐには悪玉コレステロールを酸化させないこと。
つまり、抗酸化作用のある栄養を摂取することも一つのポイントとなります。

3.血管を広げて血流を高める
もう一つのポイントは、血管を拡張し、血流の改善をサポートをすることです。
スパイスのような刺激のある食品は、褐色脂肪細胞を刺激して体を温め、血管を拡張し血流の流れをよくしてくれます。
また、瞑想や呼吸法、ストレッチ運動を利用して緊張をほぐし、副交感神経(腹側迷走神経系)を優位にすることで血管を拡張することも高血圧、動脈硬化予防になります。


動脈硬化改善・予防によい栄養素

以上より、動脈硬化を予防するのによい効果をもたらす栄養素として
 ・抗酸化作用のある栄養素
     体内の細胞を活性酸素から守ったり、細胞を修復する作用がある。
 ・血液が固まるのを防ぐ作用があるもの。
  コレステロールを抑え、脂肪を分解し血液をさらさらにする効果がある
 ・血流を高めてくれるもの
  血管を拡張し、血流をよくしてくれる
をとっていくとよいでしょう。

・ビタミン・ミネラル類:ビタミンA,ビタミンC,ビタミンE,亜鉛(Zn)
ビタミンA,ビタミンC,ビタミンEには強い抗酸化作用があり、血液内のLDLコレステロールの酸化を防ぎ、血流改善へとつなげてくれます。
ビタミンEは体内のあぶらの部分を活性酸素から守ってくれていますが、ビタミンCが一緒にあると、サビ取りをして疲れてしまったビタミンEをもう一度甦らせてくれるため、セットで摂ると相乗効果が得られます。
亜鉛は、ビタミンAと共に働くことで抗酸化作用や免疫力を発揮します。
サプリメントで摂る場合は、これら4つの成分が配合されているものを選ぶとよいでしょう。

DHA、EPA
ω3脂肪酸のDHAやEPAは抗血液凝固や中性脂肪低下作用が報告されています。
EPAは血液をさらさらにして血栓を防ぎ、DHAは血管や赤血球をやわらかくして血液を流れやすくする効果があります。
しかし、ω3脂肪酸はすぐ酸化されてしまう欠点があるため、酸化を守るビタミンEやセサミンと摂ると欠点を補うことができます。
・アリシン
血液をさらさらにする代表的な食材玉ねぎ・ねぎ・にんにく・ニラなどに含まれるツンとした成分です。
アリシンは抗菌作用や動脈硬化の予防につながるLDL(悪玉)コレステロールを減らす作用、血栓を予防してくれる働きがあります。
アルギン酸
わかめ、もずくといった海藻などのぬめり成分。コレステロール値を下げたり、コレステロールの吸収自体を妨ぐ働きを持つ食物繊維です。海藻類は血糖値の上昇を抑える働きのほか、新陳代謝を活発にして血流を促す働きも持ちます。
・クエン酸
梅干しなどすっぱい成分に含まれるのがクエン酸です。お酢に含まれる酢酸は体内でクエン酸に変化します。
クエン酸は血小板が過剰に固まるのを防ぎ、赤血球の変形の力を高め、血液中の老廃物を減らし、コレステロールや脂肪の分解を促進してくれます。
・リコピン
トマトに多く含まれるリコピンは、抗酸化作用が強いことで知られるカロテノイドの一種です。ジュースにしたり、トマトソースなどにすると吸収率が高まります。
ナットウキナーゼ
納豆に含まれるナットウキナーゼは、血栓を強力に溶解する作用があります。
ナットウキナーゼのサプリメントは、脳梗塞予防として利用されています。
酸性の強い胃酸の中では活性を失いやすいため、食事と一緒に摂ると効果的。
βーグルカン
アガリクスやシイタケ・マイタケなどのキノコ類に存在し、血糖値、コレステロール値降下作用、白血球などを活性化して血液の流れをよくし、免疫も高めてくれます。
・ショウガオール
ショウガに含まれるショウガオールは血行をよくして体を中から温め、冷え性の人もポカポカにしてくれるほか、胃腸を刺激して活性化してくれます。また、抗菌作用や抗酸化作用があることも分かってきています。
・ポリフェノール類

アントシアニン(ブルーベリー)、イソフラボン(大豆)、セサミノール(ゴマ)、ルチン(そば)、カテキン(緑茶)、クロロゲン酸(コーヒー)など


血液さらさらにする食品

血液サラサラに役立つ食品は、その頭文字を取って
「お魚好きやね(おさかなすきやね)」
と言われています。
動脈硬化、ダイエット、アンチエイジングなどを意識したいときは
「おさかなすきやね」
を思い出しましょう。

・お「お茶」・・・緑茶、ウーロン茶、麦茶に含まれるカテキン
・さ「魚」・・・さんま、ブリ、さばなどの青魚に多く含まれるDHA,EPA
・か「海藻」・・・昆布やワカメに含まれるアルギン酸
・な「納豆」・・・納豆に含まれるナットウキナーゼ、大豆イソフラボン
・す「酢」・・・すっぱいものに含まれるクエン酸、酢酸
・き「キノコ類」・・・キノコに含まれるβグルカン
・や「野菜類」・・・ニンジンやピーマンなどの緑黄色野菜(ビタミンA,C,E)
・ね「ねぎ類」・・・玉ねぎ・ねぎ・にんにく・ニラに含まれるアリシン

主に、肉類以外の緑黄色野菜、魚類、海藻類、豆類、キノコ類で構成された典型的な和食メニューになります。

画像3

血液をドロドロにする避けたい食生活、食習慣


・動物性脂質を主体とした食事

脂肪の元になりやすい飽和脂肪酸を多く含む肉類を主体とする食事は中性脂肪やコレステロールを蓄積していきます。
・トランス脂肪酸の多い食品
動脈硬化の原因となりやすいトランス脂肪酸を多く含むインスタント食品、お菓子類を多く食べる。
・過度なアルコール摂取
適量のアルコールは、LDLを減らし、動脈硬化予防に効果があるといわれています。 ただし、飲みすぎると、高血圧や肝臓の中性脂肪を増やす原因になります。
・タバコ
ニコチンは、白血球の粘着性を高めて血液の流れを抑制する作用があります。
・運動不足
食事を摂るだけで運動しないとエネルギーが消費されず、糖質が中性脂肪として体内に蓄積されていく原因となります。有酸素運動は中性脂肪や悪玉コレステロールの数値を下げてくれるので、運動も心掛けましょう。
・ストレスの多い生活

ストレスによりビタミンCが消費され抗酸化力が低下するほか、血中のカテコラミンという物質が増えて血管壁が傷つき、動脈硬化の原因となります。ストレス環境に置かれている場合は、ストレスを軽減していきましょう。


終わった後から自然治癒力を実感!
常識を覆す革命的トラウマセルフケアー法!
マインドフルネス、瞑想、催眠療法、自律訓練でも効果が実感できないという方も、ほぼ確実に実感できるトラウマケアセラピー。
アダルトチルドレン、HSP気質、うつ病、不安、緊張、自律神経失調症、不眠症、摂食障害といった神経症に。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?