見出し画像

なぜレイキを広めようとしたのか?

レイキの創設者である臼井甕男(うすい・みかお)氏がレイキを発見した経緯は、「レイキはこうして生まれた」にて詳述しました。
ある意味で、偶然に発見されたのがレイキです。
臼井氏は、なぜそれを広めようとしたのでしょうか?
単に心身の健康に役立つ手軽な方法だからでしょうか?

それに関する資料が残っていないので、理由はよくわかりません。
しかし、その他の資料からすると、見えてくることがあるのです。

レイキが教えてくれること

レイキは人間の本能だということを、私はここで語ってきました。
思わず手を当てたら、怪我や病気の治りが早くなる。犬や猫は手を当てないのに、なぜか人間は手を当てたくなる。
そのことからして、レイキは本能として人間に備わっているものなのです。

そのことに気づいたのが、臼井氏だと思います。
おそらく最初から、これは誰でもできることだと見抜かれていたのでしょう。

実際、レイキ以外の手当て療法をされた人の中にも、このことに気づかれている方がいました。
それが、前に紹介した「手の妙用」の著者の吉田弘氏です。
吉田氏は、こういうことを言っています。

「また、それを人に教えてやらせると、同様の効果があるので、私の手だけでなく、誰の手でも、また何も知らないでも、やればなおるということである。」(p.110)
「ただ私の手と違うのは、私の手は「感ずる手」になっており、一般の人の手は「感じない手」であるだけの相違である。「感じない手」でも患部に根気よく当てていれば、必ず効くのである。ただ感じないから、当てている本人がたよりない感じでいるから、長つづきがせず、根気よく手を当てていられない。根気よく当てれば、何も知らずとも必ず効くのである。その実例はたくさんあるから、信じて断行してみればよいと思う。」(p.138)

このように吉田氏は、誰でも手を当てれば効果があるのだと言っています。
ただ「感じる手」になっていないと、確信が持てないから手を当てていられないだけです。

レイキにできること

おそらく臼井氏も、レイキが本能であることがわかっておられたと思います。
しかし、この能力を使うことで、臼井氏が目指しておられた悟りの境地に至ることができる。
そのことに気づかれたから、このレイキを利用して人々を悟りに導くことができると思われたのではないか、と私は考えるのです。

前にも書いたように、レイキには時間がかかります。
このことは吉田氏も言っています。

「「手当療法」には、しかし、一つの欠点がある。それはこの忙しい世の中で、手当はある程度の時間をかけねばならぬということである。」(p.79)
「打撲や捻挫のような急激に起こった痛みは、急激に手当すれば、なおるが、その他の病気になると、そう簡単にはいかない。」(p.78)

このように時間がかかることはレイキの弱点ですが、それと同時に長所でもあることを「レイキの唯一の弱点が愛につながる」で書きました。
おそらく臼井氏も、そのことに気づいておられたのだろうと思います。

レイキは、あらゆる病気や怪我に効果があります。
しかし、治るかどうかは相手任せです。相手の自由です。
その結果が出るまでには時間がかかります。ですから、ただ寄り添っているしかしょうがないのです。

そのことによって、「愛」に気付きます。
レイキをすることは愛することです。愛に生きることです。
そして愛に生きることで、愛こそが自分自身だったと気づくのです。

それがレイキだから、臼井氏の悟りと同じものを人々に広めるのに、役に立つと思われたのではないか。そう私は思うのです。

レイキ施術者の使命

前回の「レイキ施術者が「五戒」を唱える意味」で書いたように、「靈と肉体がひとつとなって平和と享楽の生涯を全うしながら、他の病者を癒し、自他ともに幸福を増進することが、臼井霊気療法の使命」なのです。

レイキをすることで、また「五戒」を守って生きることで、自分自身が悟りを開くことが第一の目的です。
次は、他の人の心身を癒やしながら、その悟りを広めていくこと、悟る人を増やしていくことが目的になります。

このことが、私がお勧めする「神との対話」にも書かれています。

魂の仕事は、あなた自身を目覚めさせることだ。神の仕事とはすべてのひとを目覚めさせることだ。」(p.192)

まずは自分自身が目覚める(覚醒する=悟る)ことです。
それから、他の人が目覚めるように助けることです。
これはまさに、臼井氏が「臼井霊気療法の使命」として語られたことです。

自分が悟るためには、「五戒」が示しているように生きることです。
ですから、「五戒」の意味を深く知っておく方がよいと思って、かなり突っ込んで解説してきました。

その生き方をしながら、神の仕事、つまり他の人が悟るのを助けることができます。
その方法として、先ほどの「神との対話」ではこう言っています。

「ひとにほんとうの自分を思い出させるか(これは非常にむずかしい。ひとはあなたを信じようとしないだろうから)、自分でほんとうの自分を思い出すか(こちらのほうがずっとやさしい。ひとに信じさせる必要はなく、自分が信じればいいのだから)。いつもほんとうの自分を思い出してみせていれば、いつかは相手もほんとうの自分を思い出す。ひとはあなたのなかに自分自身を見るから。」(p.192)

つまり、レイキ施術者が本当の自分を常に思い出して生活していれば、その姿を見た他の人が影響を受け、だんだんと本当の自分に気づくようになるということです。

前に「レイキ施術者が「五戒」を唱える意味」では、レイキ施術者が悟るために「五戒」を唱える必要があるのだと書きました。
それは間違いないのですが、それと同時に、その精神つまり悟りを、人々(主にレイキの受け手)に伝えるためでもあります。
それは、自分という手本を示すことによって行われます。相手に強制することではありません。
ですから受け手に「五戒」を唱えさせないのです。

臼井氏はこのようにして、人々が覚醒していく手段として、レイキを広めようとされたのだと思います。

すべて無料で公開しています。多くの人にレイキのことを知っていただき、役立てていただきたいからです。 もし内容を気に入られて、本1冊分以上の価値があると思われましたら、ぜひサポートしてくださいね。よろしくお願いします! 心を込めて書いていますので、とても励みになります。