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生きるために家出をする子ども達

ゼロから始まる家出生活

近年、身体的な虐待に加えて、精神的な虐待が増えています。機能不全家族のもとで過ごす彼女・彼らは、日々親からの精神的な攻撃に心を苦しめられているのです。

しかし、その傷は誰にも気づかれることはありません。なぜなら、身体的な虐待は体の傷として残りますが、精神的な虐待は目に見えない心の傷として残るからです。

追い詰められた彼らは自傷行為に走り、自分の手で体に傷を残します。それは言い方を変えれば、親から受けた心の傷を彼ら自身が目に見える形として残す『大人へのSOS』なのです。

しかし、たいていの大人は、そのSOSに気づくことはありません。むしろ、その自傷行為を頭ごなしに叱ったり、かまってちゃんなどと呼んだりします。それに絶望した彼らは、家にも社会にも居場所がなくなり、助けを求めて一人で家出をすることとなるのです。

彼らは自分を認めてくれる存在を探して、一人ぼっちの旅に出ます。それはかなりの危険を伴うことになりますが、彼らの生きる手段として残された唯一の方法は、それしかないのです。

生きるために家出をした彼は、非行少年・少女と呼ばれます。彼らは警察に保護されることもありますが、18歳以上(高校生であっても)になれば保護されることもなくなり、支援を受けられないまま社会に放り出されることになることがほとんどです。私自身もそうでした。

精神的な虐待は、目に見えにくいがゆえに、十分な支援を受けられないことが多くあります。

子どもが体に傷を残したり、過剰服薬したりして必死に大人にSOSを求めているのにも関わらず、その多くは大人に届くことはありません。

虐待を受けた子どもは、大人は怖い存在であるという歪んだ認知をもち、自身の痛みを言葉にすることが難しいことがあります。

そのため、言葉にできない代わりに、彼らは必死に見えない心の傷を体に残し、助けを求めるのです。

自傷や過剰服薬、家出が危険なことは確かでありますが、そこまでしないと生きていけない訳が子ども達にはあるのです。

目に見えない傷を軽んじてはいけない。
どうか小さなSOSであっても、見逃さないでほしいです。

家出を規制するだけではなく、支援につなげられるように、精神的な虐待を受けている子どもへの支援体制を確かに作る必要があると、当事者の私は思います。


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