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野良猫っていいよなって思ってたら大変なことになっちゃう話し。

本日は、今シーズンもたくさん失敗したなっていうnoteです。

八月末をもって四期目の決算が終了した。
二〇二一年のコロナ禍に創業してからあっという間に過ぎていった時間。
毎日余裕がない中で過ごしてきたが、少し振り返ってみると自分自身に対して褒めてやりたいこと、怒りたいこと、そのどちらもあるなと。
戻らない時間に後悔で胸をいっぱいにしながら書いてみる。

1期目→創業の決断
2期目→良いパートナーに出会えた
3期目→贅沢せずに有効的な節制を出来た
4期目→そのおかげで積極的な投資を行えた

上記の項目がその期その期において既存事業の運営において大きな影響をもたらした。どれも私ひとりではなし得なかったことばかり。
ざっくりしているように見えるかもしれないが、良い結果をもたらす本当に大切な行動や決断はさほど多くないと学んだ。

私達、株式会社TABELUはスタート時点に「とにかく事業を長生きさせること」という目標を立てた。本来目標というと具体的な数字を用いてできるだけ明確にする必要があるが、私は「ちいさな飲食店がその街にあり続ける」ことに大きな意義があると思って起業した。

それをすべての思考や行動のベースに置くことで、星の王子さまではないが目に見えないものこそ大切にしよう。という心持ちで日々の仕事に向き合える。

日々お店に足を運んでくれるお客様とどうしたら長く関係が築けるか?
取引先の業者様とどうすれば長くWIN―WINな関係を築けるか?

そういう問いに日々向き合いながら、簡単そうに見えて難題である三方良しが成り立つ事業をどうにか組み立てたいと取り組んできた。


柱1食のところ→「地域」:そこに住む人達が喜んでくれるか?悩みや不平不満を解決出来るか?
柱2経営のところ→ 「僕ら」 :関係企業の皆様、お客様、地域の方に喜んで頂いてこその存在価値。絶対に儲からなくてはいけないけど、儲ければいいとは違う。
柱3教育のところ→「パートナー」:取引先の卸業者さん、農家さん、漁師さん、厨房機器メーカー、金融機関などたくさんのパートナーに支えられて僕らはやりたいことが出来る。僕らが長く商売をすればするほど、恩返し出来るチャンスが増える。

とにかく、長生きすること。絶対に負けないこと。
そのためにしっかり利益を確保すること。キャッシュを確保すること。
そしてそれを長い時間かけてずっと恩を返し続けること。

正直、経営者に憧れていた10代後半から20代前半の頃に描いていた会社経営とは全く違う世界線の「経営」になったなと思う。
もっとキラキラしたものをイメージしていたし、しっかりとそれを渇望していた時期もある。

農家さんのところに足を運んでも、漁師さんのところに足を運んでも、僕らよりずっと年上の先輩方がいつもたくさんの汗をかきながら、たくさんの笑顔で協力してくれる。
僕らには僕らにだって出来ることや、やらなければならないことががまだまだたくさんあると痛感させられる。
めちゃくちゃに憧れたきれいなオフィスはないけれど、たくさんの方々の頑張りが詰まったキッチンが私はたまらく好きである。

4期目の決算が終わった今、たしかに上手に経営することは出来なかったかもしれないが、店舗を増やせたり、酒造りという新規事業の立ち上げに取り組めたり出来たことは本当に良かったと思う。

これからも、派手さは全くない日々が続いていくのだろうが、いつも一緒に頑張ってくれている従業員に感謝しながらしっかりと汗をかいて、みんなで美味しいお酒を飲み交わしたいと思う。

一方で、、、、。
出来なかったことを振り返ってみたのだが、ここには書ききれないほど大量にあることに気づいた。あの時もっと早く動いていれば、もっと早く言っとけば、何度も言っとけば、ちゃんと気づいていれば、もっと話をしっかり聞いてあげれば、、、。などなど。
会社内部の問題なので、ここでは具体例を出さずに進めるが、結局のところこの一点に集約されるのだなと思う。

私が自分自身との戦いに負けた。

高校時代の恩師から「朝一番の勝負に負けるやつは一日中負け続ける」と言われたことを思い出す。
私が朝寝坊をして、遠征にいく日の出発を待たせて全員に迷惑をかけた日に言われた言葉である。

さすがにもう、そこまでのやらかしはないが、日々やるか?やらないか?の2択に追われ続けているなかで、どうしても負けてしまう瞬間が多かったように思う。これは経営者に限らず言えることだと思うのだが、結局後悔と失敗がセットになるときはいつも「やらない」という選択をしたときに生まれる。明日への可能性がのこるのは「やる」を選んだから生まれた失敗と反省だけだろう。

なにもしなければ「なにも起こらない」ように見えるからちょっとだけ安心してた時期もあった。だけど実際は違った。

「やらない」=「溜まる」であることに今更ながら気づいた。

何も起こっていないどころか、いろんな問題や日々の業務、洗濯物や燃えるゴミなど、見えるものから見えないもので見事に溜まる。
なにもしなくても現実はどこかで確実に変化している。
こうやって「やらない」ことで無意識に溜まるものと意識的に貯めるものとでは天と地の差がある。

今日はいいか。明日にしようか。また今度でいいか。そうやって「やらない」を選んできたツケは必ず回ってくる。
なによりも、何も起こってないようで誰かが怒っているかもしれないことはもっと強く意識しなければならないと反省している。確実に人に迷惑をかけることになる。だれかのストレスが「溜まる」のだ。

駐車場に停めてある私の車の日陰でいつも寝そべっている牧歌的な野良猫にどうしても憧れていた。寂しいけどもうやめなければならない。

「溜まる」か「貯める」か。
前者を選んでしまった私のツケは大きい。
以上。四期分の最大の反省でした。


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