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Utu うつを克服した僕9

7 転院、投薬変更… 行ったり来たり… 転院、担当の大川先生、いろいろと柔らかい口調で質問をしてくる。 「精神薬は数え切れないほどの種類があり、どれが山田さんに合うか、服用して経過を見ないとわからないので、薬があわないな~と感じたらすぐに来てください」 僕の体の中をいろいろな薬が入っていく、すごく落ち込む薬やテンションアゲアゲになる薬、いろいろだけれど精神薬はとにかく安くない。   薬の名前は忘れたけれど、とても調子がよく服用を続けて合うな~と感じた薬があったけれど、解

    • Utu うつを克服した僕8

          6 緊急搬送    検査が終わり,ベットに横たわっていて、「なんだ、まだ生きている」 「山田さん、いかがですか」と看護師からの声。 「山田さん!もうこんなこと絶対しないでください!」 「私の弟もあなたと同じ病気を患って、自殺してしまったの…」と涙を流しながら。 「弟を止めることできなかったことが今もずっとここにあるの」と胸を手で押さえていた。 天井を見ながら流れ落ちる涙、抑えきれない心の底からの嗚咽。 誤ったことをしたと、後悔した。  看護師さんは手を握り

      • Utu うつを克服した僕7

        5 自死への誘惑と決断  発作から1年半か2年が過ぎたころ、薬の服用は変わらず、最近は幻聴に加えて幻覚も、とうとう家にも帰る気にもならず、会社の暗い居場所で寝袋に包まれることがささやかな幸せ、「本当にこれからどうなるのだろう~」 唇は動くけれど声にならない、つらい~、つらい~・・・  会社の代表者に掛けてある保険証券・・・  知らず知らずのうちに何かに誘われるままに、正気な人なら決して開けない扉に手をかけてしまった。

        • Utu うつを克服した僕6

              4 改善の見えない日々  服用を続けながら会社経営、とてもしんどい気持ちを隠しながら過ごす日々。    数か月経った頃、耳鳴りとは違う人が話している声が聞こえる~幻聴が始まった。 いつも何をしていいかわからない日々、 でも受注を取らなければ会社が回らない日々、 薬が合わないのではないかと思い医者に言うと、聞いてはくれたけど処方は、ほぼ同じで服用量が倍に増え、頓服用でソラナックス、何だろうという気持ち。      打合せに出かけて帰社すると、会社の暗い物置兼書庫

        Utu うつを克服した僕9

          Utu うつを克服した僕5

          3 初の精神科へ  街の中ほどにある、個人医院の精神科外来へ、待合室の隅っこの場所がどうも気持ちが、楽になる気がして歩みを進めた。    僕は平静を装っている感じを出すので精いっぱい。            発作を医者に伝え、処方薬はパキシル錠⒑㎎、これから僕を悩ます薬になるとは、藁をもすがる気持ちなので言われるまま服用。    とにかく何故か喉が渇くし、汗がすごい。

          Utu うつを克服した僕5

          Utu うつを克服した僕4

           それから定かではないけれど、⒖分程度、発作が続いたが、幾分落ち着いてきた、でも何か心の芯(魂)が抜けた感じというか、物陰に隠れていないと不安でしょうがない感じで、自分自身が委縮しているのがわかる。    下では妻が何かを片付けている物音がする、子供たちは出掛けて行ったようだ。  でも下の片付けの音がとても大きく響く感じがして不快に思えたが大声をあげられる勇気もないほどに心が委縮している。  少し部屋から出る勇気が~   いつもなら「お~い!」と妻を呼ぶのに、階段を中ほどまで

          Utu うつを克服した僕4

          Utu うつを克服した僕 3

          2 前触れのない突然のパニック障害の発症  ある朝、外は晴れているけれど踏み固められた圧雪、寒いけど晴れていて清々しい。  子供たちは学校の準備、僕は椅子に座り朝刊を読み始めた、いつものように見出しを流し読みで気になる記事だけを拾っていた。見開きの全面広告、僕には何も関係しないただの広告。見た瞬間!    突然のめまい、そのあとからくる吐き気、動悸、恐怖感、震えが同時に襲ってきた、とっさに子供たちにこんな状況を見せられないと思い、僕の2階部屋に駆け込んだ。    部屋に入

          Utu うつを克服した僕 3

          記憶喪失を体験して。

          記憶喪失からの生還 プロローグ 僕は、山田夏生。今から24年前、高さ4mの所から頭を下に転落したのち、理解不能な状態から正気に戻った経緯をご案内します。 実際その状態になったので、近い表現方法が適切でない表現になるかもしれません。 その時は、歯抜け文字で表現します。 まさか、頭を強打するとあんな風になるとは不思議でした。 一緒に仕事をしていた方々からの証言や どこかで、僕自身が俯瞰でみている部分からの記憶を紐解いています。

          記憶喪失を体験して。

          Utu うつを克服した僕 2

          1 追われる日々  毎朝、午前3時頃に起床するけれど、毎晩の晩酌明け、睡眠時間は5時間程度、二日酔いではないけれど、アルコールに対しての耐性が出来、普通に感じる朝、たばこ吸いながら吐く煙と吐き気。 考えただけ嫌になる、毎月1千万前後の資金繰り、何とか受注を取り契約があればしのげるけれど、上手くいかないことが多々、まして回収が焦げ付いている1千6百万、零細企業には、命取りの状態。 まして雪の降る1月半ば、先の見通しの受注も薄く、頭の中は仕事のことばかり、自分のことはすべて

          Utu うつを克服した僕 2

          Utu うつ克服した、僕

          プロローグ うつ克服 僕は、山田夏生。 小さな会社を、経営をしながら、突然のパニック障害からうつ病になり解離性同一性障害の入り口まで行き、完治した経過を書きとめておきたいと思いました。 あくまでも、これらの出来事は僕自身に起きたことを、記憶をたどりながら書いています。参考になることがあれば、幸いです。  事の始まりは今から16年くらい前のこと。そのことがあったお陰で、今の僕が存在します。  精神疾病のトンネルの出口に待っていたのは、本当の僕が持っていた才能が開花し

          Utu うつ克服した、僕