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さおり

 まったくイヤなやつだった。過去の僕はゾッとするぐらいイヤなやつだった。当時の僕は女を性欲の対象、もっとハッキリ言えば自分のペニスを出し入れ出来る穴としか思っていなかった。そう僕はそんなふうにさおりも弄び、散々やりまくって彼女を裸のまま公園に捨てたのだ。その時のさおりの姿はいまもハッキリと覚えている。彼女はあの時ピクリとも動かずただ無表情で僕を見ていた。僕はそんなさおりの姿に耐えられずその場から逃げだした。これでもうさおりとは終わりだ。明日から僕はまた新しい女を探すだけだ。僕はアパートの自分の部屋に入るとさおりのいた痕跡を念入りに打ち消した。もう二度と彼女に会う事はないだろう。掃除が終わると僕はそのまま寝た。さおりを永遠に忘れるために。

 翌日朝起きると管理人が僕の部屋に立っていた。僕は管理人が明らかに怒っているのを見て、やはり昨日の行動はまずかったのか。やっぱりさおりをあんな風に捨てるんじゃなかったと思ったが、管理人は後ろに抱えていたダッチワイフを僕に投げつけて言った。

「あのさ。このダッチワイフ君が捨てたんだよね。昨日君がこれを捨てたのを公園の近所の人が見たんだよ!まったくこんなもの持って君恥ずかしくないの?ああ!なんか股の間からなんか滴れてきた!早くどっかの廃品回収業者に引き取ってもらえよ!」


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