金曜日

 金曜日は金のならない木だ。木曜日から金曜日に日にちが変わる時私はいつもそう思う。結局私は金曜日までに金になることはなにもしなかったのだ。私よりも優秀な人だったら日曜日は日光を浴び、月曜日は月を眺め、火曜日にスタートダッシュの火を起こし、水曜日には撒いた種に水を上げて、木曜日には育った木から金がなるのを待ちわびているはずなのだ。しかし私は今週も無駄に過ごそうとしている。そう落ち込んでる私を見かねて友人達が時たまこんな事を言って慰めてくる。「そんなに落ち込むことはない。お前には二つの金があるじゃないか」しかしそんな言葉は冗談にもなりはしないし、切ないだけだ。今、私は下を見てそこにあるはずの二つの金を見ようとした。しかし、驚いたことにそこに二つの金がなかったのである。ああ!私はどこまでも金に恵まれないのか!まさか二つの金まで無くしてしまうなんて!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?