承認要求

　彼は承認要求の鬼であった。いつもなにかある度に自分をアピールし、我々に賛同を求めるのであった。しかし我々がそんな彼にうんざりして離れると、今度はそこらへんのホームレスに自分をアピールしだしたのだ。そしてやっぱりそんな彼にうんざりしてホームレスが離れていくと、今度は日本語のわからない外国の人に自分をアピールしだした。やがてそんな彼に全人種がうんざりすると、なんと彼は他の生き物に自分をアピールしはじめた。彼は散歩中の犬を捕まえ、自分をアピールしたが、そんな彼を恐れた飼い主が彼を警察に通報してしまったのだ。しかしかれは懲りず、出所してからは今度は警察に捕まらないように近所の野良猫に自分をアピールしだした。しかし近所からうるさいとまた警察に通報があり、また逮捕されてしまった。そしてもう懲り懲りした彼は山に籠もり今現在はは狐や狸相手に毎日自分をアピールしている。