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宇多田ヒカル『あなた』

もし戦争が始まったら、あなたは誰の身を一番案じるだろう。
あなた以外はなにもいらない。と言える相手はいるだろうか。

出産して、自分が弱くなった気がする。
自分よりも大事な存在ができるというのは、つまり新たな不安を背負う。
日本での戦争はまだ現実的ではないが、最近怖いのは自然災害だ。
もし大地震が来た時に、我が子を守れるんだろうか。と不安になる。
いろんな不安は、いつ何をしていても頭の片隅にある。
旦那に子供を見てもらっている間に息抜きにカフェに行っても、ライブに行っても、オタ活してても、頭に端っこに「いま息子は何してるかな」「いきなり熱出したりしてないかな」と心配になる。

それに、自分一人なら「これくらいの体調不良平気!」とか我慢して無理しても、自分だけの問題だからいいが、いまは私が少しでも不調だと家族全員に支障が出る。家族で一番強くいなくてはならない。

宇多田ヒカルの「あなた」という曲は、もちろん有名だから耳にしたことはあったのだが、先日テレビで解説されていて、親子の曲だと知った。
主題歌になった映画を見たことがあったので、勝手に恋愛ソングだと思っていたのだが、歌詞をきちんと見ながら聴いてみたら、涙がこぼれた。
歌詞の節々から、子への愛を感じるのだ。

『代り映えしない明日をください』
こんなにも「日常」に幸せを感じるものなんだと、最近は思う。
代り映えしないということは平和であり、健康なのだ。。。
そして一日の終わりに胸を撫で下ろす。

『ただの数字が特別になるよ』
こんなにも毎月決まった日付をアニバーサリーにするなんて、カップルだったら激重案件だと思うのだが、赤ちゃんとなると話は別だ。
一か月での人間の成長に毎月驚いている。
大人に換算すると、赤ちゃんの一か月は一年…いや三年…五年…
とにかくものすごいスピードで成長している。
昨日できなかったことが今日できる。
あと肌のアンチエイジングも半端じゃない。
今朝の吹き出物は薬を塗ったら、夕方には治っている…すごい。

『肌の匂いが変わってしまうよ』
これは産んでから気付いたが、赤ちゃんって何の匂いかわからない(たぶんミルク?)めちゃくちゃいい匂いがする。
我が子なら吸い放題だ(おい)
猫のおなかを吸うのに似ている。なんか満たされる。
これでしか摂取できないものがある。
だけどだんだん消えていく…悲しい。すでに新生児期に戻りたい。

『なんと言われようと あなたの行く末を案じてやまない』
子供を育てることで政治にも多少関心が出た。
日本がいかに子育てしにくい国かがわかる。
ただ、日本自体は(まだ)住みやすい国だと思う。
それに日本語も好きだから、我が子にはきれいな日本語が使える大人になってほしいし、日本食が大好きで、わびさびのわかる人にもなってほしい…(願望)

だからもっと子供を育てやすい国になればなあと思う。
日本が好きだから。素敵な国だから。

このままずっと平和な日本でもあってほしい。
『戦争の始まりを知らせる放送もない
 アクティビストの足音も届かない
 この部屋にいたい もう少し』

『あなた』の中には戦争、業火、荒野などの不安な言葉も出てくる。
大切な人が増えるほど、些細な不安が大きくなる。
日本から遠く離れた国のことさえ、自分のことのように悲しんだり
不安になったり、泣いたりする。

そしてもっと強くならなくてはと思う。
『この胸を頼りにしてる人がいる
 くよくよなんてしてる場合じゃない』
誰かを支えて生きるということの大変さを知った。

『あなた』には最近の私の感情が全部詰まっていた。

ほとんどちゃんと聴いたことのなかった宇多田ヒカル
さっそくほかの曲もプレイリストに追加しよう

今回の曲『あなた』


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