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私は旅に出た。君は好きにしろ。11

◆中国からの数々の洗礼

さて、無事にモンゴルから中国へ陸路で入国して、ケンゾーを振り切った私ですが(10参照)そのままバスに揺られて到着した町呼和浩特(フフホト)から、中国旅の厳しくて優しい洗礼を受けるのでした。

さて、今回のテーマは「当たり前に違和感を持つこと」。と、いうのも日本で20年間育ってきた私にとって海外の、特に中国で味わった経験が「当たり前ってなんだ?」と考えるきっかけになったからです。

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まず、バスに揺られる途中で寄った道の駅のような場所。中国の田舎の辺鄙な場所にあったとはいえ、そこのトイレが衝撃すぎました。絵にするのはあえてやめますが、まずトイレに入った私の最初の感想がこちら。「えっ、個室どこ?」

なぜかトイレには個室のようなものがなく、代わりにあったのは一本の長い溝と、その溝を区切るように等間隔で立てられた壁。ちなみに溝は入り口から奥までつながっており、奥側からまるで流しそうめんのように水が流れています。つまり、一番後ろで放たれたブツが溝を流れて前まで届く仕組み。壁で一応前後が隔たれているのでおばさまのお尻を直視することはありませんが通路から見ると横は丸見え。そして溝は全て繋がっている。お分かりいただけただろうか?このトイレの落ち着かなさたるや!便秘不可避!そして汚くてごめんなさい!!!

でも、これ中国では不思議ではない文化。「ニーハオトイレ」だなんて旅人に呼ばれるくらいまだまだこういうトイレはあるみたいです。でも日本人が銭湯に全裸で入ることに抵抗がないのと同じように、中国の文化ではトイレは別に恥ずかしいものではないらしいです。日本の当たり前って、日本でしか当たり前じゃないのか。とかなり衝撃を受けました。

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実際に旅をして見えてきた中国はイメージと大きく異なっていました。まず、とにかくインターネットの規制が多くて情報がないと不便。SNSやgoogleが使えないことはなんとなく聞いていましたが、そもそも街でインターネットに接続する方法がありませんでした。日本みたいにファーストフードやカフェに行けばなんとかなるだろうと思っていたのは甘くて、まず接続するためのパスワードを受け取るために中国の電話番号が必要。さらにその電話番号を持つためにSIMカードを購入しようとすると、中国の身分証明書を求められます。パスポートはダメ。打つ手なし。

そこでネットではなくRPGゲームのように人に聞きまくる作戦に出ました。恐る恐る声を掛けたのに、結果中国では親切にしてもらうばかりでした。バスに乗るのも、電車のチケットを買うのも、全て現地の中国人の人が助けてくれたおかげでスムーズにクリア。あまり英語が話せる人は多くありませんでしたが、初めて漢字のありがたさを知りました。拙い筆談で自分の意思を伝え、なんとか目的地まで到着。でもどうしても出発地と目的地までの距離感と所要時間が分からず、気がついたら30時間以上電車に乗り続けるはめになったりもしました。まさかそんなにかかると思っていなかったので寝台ではなく、普通に椅子で過ごしました。腰がぶっ壊れるかと思った。

いつ着くかもわからないし、腰もお尻も痛いし、電車が辛すぎて気晴らしに駅で購入した肉まんのような食べものは辛すぎました。でも、日本大好きだという車掌さんがやってきて私の知らない日本の演歌を熱唱してくれたり、向かい側に座っていたおじさんが車内販売で果物を買ってきては一個ずつ無言で私にくれたりしたので、中国の電車を嫌いにならずにすみました。ちなみにカバー画像のおじさんは全然血縁関係のない二人だったのに、顔も似てるし寝方も似てた。

イメージしていた中国人は日本人のことがあまり好きじゃないと思っていましたが、実際は「報道のせい」だと、友達になった中国人の男の子が教えてくれました。「日本だって中国人の一部の過激な人たちをニュースで報道するでしょう?中国も同じだから、お互いに現状とは異なるイメージがついているだけ。若い人はほとんど、日本の文化を最高にクールだと思っているし僕は日本人のことが好きだよ。」

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今まで普通だとか当たり前に思ってきたことに違和感を持つことで初めて、「正解だと言われそうなこと」から一旦離れて物事を考えることができると思いました。本当にトイレにドアは必要か?言語に頼らないコミュニケーションって不可能なのか?その常識は誰が決めたのか?本当に私が進みたい道はどれか?

私はこれからも自分の目で見て、自分の頭で考えて、そして好奇心のまま挑戦を続けます。



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著者:山口夏未
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