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【旅行記⑤】思いつきでルクセンブルクへ。香港人に「Yes」ばっか言ってたら知らん街に着く。
お目当ての美術館はいずれも月曜休みと知り、「どうすんねんコレ」状態で迎えたベルギー2日目。ここへ来てさらに「なんでやねん」な出来事、そう、生理です。
タブーでもなんでもないのでオープンに書きますけど、シンプルに腹は痛いし、朝っぱらからベルギーのホテルで下着を洗うなんてテンションは急降下。「もう、今日はリカバリーデイにして、一日中ホテルで寝てようかな」とよっぽど思いました。
しかし、シャワーを終えてベッドに転がっていると、かえってパワーが湧いてきました。今日を「カスな日」と定義するか、「最高な日」にするかは私の自由意志に任されているはずです。クソッタレ、こうなったらめっちゃ遠出してやるからな、というわけで
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ルクセンブルクに来ました。世界一GDPの高い国へようこそ!
といっても道のりはシンプルでなく、いろいろな嬉しいハプニングがありました。
チケットを買って、すっかり慣れた特急のプラットフォームに並んでいると、アジア人の女の子から話しかけられました。いわく香港から来たそうで、同じくルクセンブルクを目指すといいます。
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せっかくなので一緒に座り、あれこれ話していると、「あっ、降りる駅だ」と。
「確かにこの列車はArlonで乗り換えるやつだけど、意外と早いな」なんて思いながら列車を降りると、
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全然知らん街でした。どこ、ここ?
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慌てて「えっ、乗り換えって意味じゃなかったの?」とたずねると、「私は小さい街が好きだから、途中下車していろいろ見て回ろうと思って」とのこと。なるほど、意思疎通ができていませんでした。列車に戻ろうにも次の便は1時間後、どうしようもありません。
仕方ないから駅で待とうと申し出たものの、「ナミュールは小さい街だから、1時間くらいでも見て回れると思うよ」とすすめられたので、ご一緒することに。確かに彼女の言うとおり、決して大きな街ではありませんでしたが、かえってこの地方の素の姿が見られたような気がしました。
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そうこうしているうちに次の便の時間が迫ります。そろそろ駅に戻ろうか、と目配せするも、チーズを見たりワッフルに目を奪われたりしていたら、はい、次の便も乗り過ごしてしまいました。こうなったらもう、どうにでもなれの精神です。
「どうやら行っちゃったみたいだから、ワッフルでも食べる?」と、駅前のワッフル屋さんでかなり遅めの朝食を取りました。中にチョコレートが詰まった“リッチスタイル”のワッフルはとても濃厚で美味しかったです。
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結局2時間をナミュールで過ごし、彼女は他の小さな街も探訪してからルクセンブルクを目指すと言って別れました。せっかくだし明日はディナーしようよとLINEを交換し、ルクセンブルク行きのルートに戻る私。予定にないことばかりでしたが、どれも良い体験でした。
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ブリュッセル→ルクセンブルクの鉄道は、(ドルトムント→ブリュッセルで乗ってきたタリス鉄道と違い)Wi-Fiもなければ電源もありません。というか、区間によっては圏外にすらなります。「もしやこのSIM、ルクセンブルクには対応してないのか!?」と慌てましたが、シンプルに辺境ゆえだったようです。
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窓の外には、緑の畑とまばらな家が見えます。ときどき牛や馬がいて、犬小屋があって、なんとも穏やかな雰囲気です。
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ときどきウトウトしながら3時間半の旅を終え、列車は無事にルクセンブルクへ。さすがはお金持ち国家、トラムもバスもぴっかぴかでした。
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しかもルクセンブルクがすごいのは、「改札とかめんどいから」という理由で(※)、公共交通機関が無料なこと。その代わりに物価はとんでもないですが、とくに買い物をせず、食事もまあ、持ってきたパンでいいや、という私のような人間にとってはありがたい限りでした。
※本来のねらいは車通勤を減らし、大気汚染を解決すること。が、どのくらい効果を上げているかは微妙なところだそうです。
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とはいえ、行きは徒歩で観光することにしました。だいたい分かってきましたが、ヨーロッパの都市は、
いい感じの駅
川(+いい感じの橋)
クソデカ教会
クソデカ公園
から成り立っているので、駅を降りたらまずクソデカ教会を発見して、そこに向かって歩いていけば大体のポイントは制覇できます。それを的確に表したのがこれ。
ST. TOURIST TRAP’S CATHEDORAL(聖・観光客ホイホイ教会)だの、DRUG DEALER PARK(クスリの売人公園)だの、ずいぶんな言いようですが、今のところこれはマジです。ヨーロッパ観光の参考にしてください。
さあ、ここからは素敵写真タイム!
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というわけで聖・観光客ホイホイ教会ならぬノートルダム大聖堂に着きました。すると目の前の憲法広場で、クリスマスマーケットが開催されているではありませんか。
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吸い込まれていくと、「ドイツで食べたいな」と思っていたのに巡り会えず、悲しい思いをしていたシュネーバル(「スノーボール」の意味、雪玉のようなクッキーのお菓子)が売られていました。もう、即買いです。
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このシュネーバル、なぜ食べたかったかというと、この記事↓でも触れた初めての海外旅行の思い出なんですね。それも味というよりは、「ソフトボールみたいな大きさで食べにくいうえに食べきれず、ヨーロッパを感じたなあ」という……。
今回は食べ切れるかな、と思っていると、お姉さんが「カット、クラッシュする?」と聞いてくれました。よく分からんまま「Yes」と答えると、まずは包丁で半分に切ってから、
ハンマーでクラッシュしはじめました。なるほどね?
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どうやらシュネーバル、「デカくて食べにくい」とみんな思っていたようです。クラッシュしてもらったシュネーバルはとっても食べやすく、ホットワインの良いおともになりました。(ただし食べ切ることはできず、ホテルに持って帰りました)
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その後はボックの砲台やグルントの街並みを見て……
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さすがに足が疲れたのと、ブリュッセルに戻る時間を考えて、トラムで駅に戻りました。
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ブリュッセル⇄ルクセンブルクの鉄道は1時間に1本ほどで、私が駅に着いた頃には、前の電車が出てしまった後でした。仕方なく駅の待合室でのんびりしていたところ、隣に座った老夫婦が何やらゴソゴソしています。
何かな、と目をやると、なんとネコちゃんがいました!(他人様の家族なので、写真はありません。残念!)
ハーネスがついているとはいえ、お利口さんに座ってあたりを見回すネコちゃん。こういうシチュエーションにはもう慣れているみたいです。
ネコちゃんを眺めていたら1時間なんてあっという間です。今回の便は乗り継ぎがないので、ブリュッセルまで3時間半、爆睡しているだけでOKです。
どうせ圏外になるからと、フライト用にダウンロードしておいた曲やら動画やらを楽しみつつぼんやり。すると、行きで見たフューシャピンクのセーターが窓に反射しています。香港人の女の子です!
帰りの便は眠っている人も多く、静かにしたほうが良さそうだったので、「ウソでしょ、同じ便なんて」と小声で盛り上がる私たち。
「私たちも眠いから、続きは明日のレストランで話そうよ」と言ってブリュッセルを目指し、無事にホテルへ帰りました。現地でできた友達との約束って本当に素敵だな、と思える1日でした。
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とっても嬉しいです。サン宝石で豪遊します。