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オルターエゴ読書感想文17│狭き門│ドラマ若草物語の友情エンドが理想?

『ALTER EGO』というスマホゲームの読書記録まとめ17回目。


今回読破した本

『狭き門』

アンドレ・ジッド著 山内義雄訳 (1954), 新潮社.

アリサ、めっちゃまどろっこしい愛し方してくるやん。ジェロームそりゃ困るわ。

………………

あ!
でも、これってドラマ『若草物語』の友情エンドが、アリサ的には正解ルートだったのかも。


『狭き門』は、少年ジェロームと少女アリサの悲恋もの。一見すると、真実の愛を追求するメンヘラ少女に振り回される少年の物語に思えた。

アリサはおそらく、純潔な愛をジェロームと達成することを望んでいるように見えた。そのため、ジェロームといると幸せだし一緒にいたいけれど、実際に一緒にいて夫婦となってしまうと”清らかな”ままではいられないことに抵抗を感じているのかなと思われた。

読んでる最中は、そんなアリサのまどろっこしさに正直なところ嫌気がさして、はっきりしてあげてよと思っていた。

ただ、なんかアリサの最期の日記の一節が気にとまった。

それは、「妹のジュリエットが結婚して子どもを産み幸せになった、と言っているが、それは、いわゆる幸せの型にはまっただけで、本当の幸せなのだろうか」という感じの言葉だ。

本を読んでる最中は、勝手に恋愛至上主義のフィルターをかけてしまっていたので、アリサも当然ジェロームを恋愛対象として好きという気持ちで見ていると思い込んでいた。だけど、もしかすると、アリサはジェロームのことをマブダチとして好きだったのかもしれない。


ドラマ『若草物語』の中で、
「男と女がいれば、どうにかして色恋沙汰に持っていくのがドラマで、それを視聴者も期待しているから売れるんだ」と、生瀬さんが演じる脚本家が言っていた。

ドラマ見てるときは、ヒロインと同じように、何でもかんでも、くっつけようとするのは芸が無いよなぁとか思ってた。そのくせ、自分が本を読むときは、男と女というだけで当たり前にアリサとジェロームに恋愛フィルターをかけていた。

『若草物語』では、主人公が恋愛に興味のない女性で、ラストも幼なじみとの友情エンドのハッピーエンドだった。

もしかすると、『狭き門』のアリサもジェロームとの友情エンドのハッピーエンドを望んでいたのかもしれない。


未読リスト

残り5冊

『夢見る宝石』は、ちくま書房版を見つけて購入できた。『順列都市』の下巻を、実は入手できていないことに気づいた。

■入手済み

グレッグ・イーガン著 山岸真訳 (1999), 『順列都市』, 早川書房.

アルベール・カミュ著 清水徹訳 (1969), 『シーシュポスの神話』, 新潮社.

フョードル・ドストエフスキー著 江川卓訳 (1970), 『地下室の手記』, 新潮社.

メアリー・シェリー著 森下弓子訳 (1984), 『フランケンシュタイン』, 東京創元社.

シオドア・スタージョン著 永井淳訳 (2006), 『夢みる宝石』, 早川書房. 
→川野太郎訳(2023), ちくま書房 を入手

■未入手

グレッグ・イーガン著 山岸真訳 (1999), 『順列都市』, 早川書房. 下巻

■過去の感想はこちら

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